議会活動

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1 関西文化学術研究都市の未来について
2 中小企業及び医療機関におけるサイバーセキュリティ対策
  について
3 その他


議事録全文

◯畑本久仁枝君

◯畑本久仁枝君 国民民主党・日本維新の会京都府議会議員団の畑本久仁枝でございます。
 通告しておりますとおり、知事並びに関係理事者の皆様にお伺いいたしますので、積極的で熱い答弁をよろしくお願い申し上げます。
 まず初めに、関西文化学術研究都市の未来について。
 昭和62年6月、関西文化学術研究都市建設促進法が公布、施行され、国家プロジェクトとして関西文化学術研究都市は京都府・大阪府・奈良県にまたがる京阪奈丘陵に総面積約1万5,000ヘクタールに及ぶ広域的開発が始まりました。3府県8市町村に12の文化学術研究地区(クラスター)が分散配備されている広域都市として、東の「つくば」、西の「けいはんな」と称され、共に我が国が誇る2大サイエンスシティーですが、筑波研究学園都市は国主導で国の研究機関や大学を中心に集約的に配置されているのに対して、関西文化学術研究都市は産学官民の協力体制で建設・整備が進み、時代潮流や事業熟度に合わせて順次整備されていくクラスター型広域都市です。
 また、大きな特徴としては、学術研究施設だけでなく住宅地も含めた開発と理工学系だけに偏ることなく、文化開発の重要性も考慮され関西文化学術研究都市として開発・整備されたことです。これ以降は関西文化学術研究都市を「学研都市」と称します。
 学研都市は、平成元年4月、精華・西木津地区に最初に建設された株式会社国際電気通信基礎技術研究所(ATR)が開所してから35年、都市まちびらきからおおむね30年が経過しています。現在では、情報通信、環境、エネルギー、医療、バイオ、人ロ・食料・水問題、そして脳科学など、幅広い分野の基礎研究機関をはじめ、オンリーワン技術を持つ大企業や中小企業など150を超える施設と大学や、国立国会図書館関西館、平城宮跡歴史公園、独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所など、文化・教育施設が集積している最先端文化学術研究都市として今も成長しています。
 私は先日、精華・西木津地区のけいはんなプラザと株式会社国際電気通信基礎技術研究所(ATR)、そして他会派の議員の方も一般質問で紹介されておりました軟骨伝導イヤホンを研究開発された株式会社CCHサウンドを見聞してまいりました。
 開発・整備の成果として、けいはんなプラザラボ棟から見る精華・西木津地区の眺望はすばらしく、開発前の京阪奈丘陵の写真と眼下に広がる都市の成長に、これまで学研都市プロジェクトに関わってこられた方々の御努力と熱意に感銘を受けた次第です。
 そこで、お伺いいたします。
 学研都市では、これまで多くの研究開発が進められ、私たちの生活の発展に寄与したものも多くあると思いますが、学研都市の研究開発で実用化や事業化された事例を教えてください。
 また、南田辺・狛田地区において昨年12月に自動運転バスの公道走行が行われるなど、学研都市エリアで自動運転バスの実証実験が進んでいますが、実装の目標や実装に至る課題などがあればお聞かせください。
 次に、学研都市は昭和53年に発足した関西学術研究都市調査懇談会を起点とし、1)構想実現段階、2)都市の建設段階、3)都市建設・高度な都市運営の段階を経て、現在は4)第4ステージの新たな都市創造の段階の最終盤に差しかかっております。この第4ステージにおいて、「世界トップレベルの研究開発型オープンイノベーション拠点」を挙げていますが、第5ステージに向け、どのように取組を進めていこうと考えておられるのか、本府の御所見をお聞かせください。
 また、大阪・関西万博に並行して「けいはんな万博2025」が開催予定ですが、府民の方をはじめ多くの方は、けいはんな万博開催についての認知度はまだ低いのではと思います。けいはんな万博は大阪・関西万博としつかりと連携しPRすれば、世界トップレベルの研究開発型オープンイノベーション拠点の形成にも貢献できるものになると考えます。今後、機運醸成をつくり上げるためには、具体的な呼びかけで周知徹底を図らなければならないと考えますが、どのような取組を計画されていますか、お聞かせください。
 次に、教育委員会にお伺いします。
 任意団体「けいはんな科学コミュニケーション推進ネットワーク(K-Scan)」では、「子どもたちに好奇心のタネを見つけてほしい」をコンセプトに精華町内の子どもたちに学研都市での学びの機会を提供されています。このような取組は、未来の科学者・研究者の発掘の見地から大変意義と価値があります。好奇心旺盛な年代の子どもたちが科学やものづくりの楽しさと出会うことは、未来の科学者・研究者につながる可能性を大いに秘めています。
 京都府域内の小学生・中学生たちにも最先端技術や基礎研究などの学びや触れ合いの機会を提供することは大変重要です。社会見学としてカリキュラムに取り入れていただきたいと考えますが、教育委員会の御所見をお聞かせください。
 以上、ここまでの御答弁よろしくお願いいたします。

◯知事(西脇隆俊君)

◯議長(石田宗久君) 西脇知事。
   〔知事西脇隆俊君登壇〕

◯知事(西脇隆俊君) 畑本久仁枝議員の御質問にお答えいたします。
 学研都市における研究開発の成果についてでございます。
 サイエンスシティーとして関西で唯一国家プロジェクトに位置づけられている学研都市では、大学や研究機関、企業などが集積し、世界的な課題を解決するための研究開発が行われ、実用化・事業化も進んでおります。
 実用化された代表例として、世界31言語に対応した多言語翻訳技術があり、防災・医療などの幅広い分野で既に活用され、大阪・関西万博でも提供されるなど言語の壁を超えたコミュニケーションの実現に寄与しております。
 また、スタートアップ企業により開発された、素早く簡単に使える自律走行ロボットが飲食店や物流拠点などで広く活用されておりますほか、ウェアラブルデバイスによる健康アプリが住民参加型で実用化されるなど、様々な学研発の技術が暮らしを豊かにし、産業を活性化させております。
 自動運転の社会実装についてでございます。
 学研都市では、平成30年に日本初の住民参加型の公道走行実証実験プラットフォームを立ち上げ、この間24件の自動運転の実証を支援してまいりました。これまでの実証で、安全性の向上や地域の理解、採算性の確保といった課題が明らかになりました。また、事故発生時の責任の所在や交通ルールの変更といった全国的な課題につきましては、新たな法整備などを国に求める必要がございます。
 国におきましては、令和9年に無人自動運転移動サービス全国100か所の実現を目標に掲げており、学研都市においても引き続き実装に向けて取り組んでいきたいと考えております。
 学研都市の第5ステージについてでございます。
 学研都市では10年ごとに長期ビジョンを策定し計画的に取組を進めておりますが、現在の「新たな都市創造プラン」が来年度で終了いたしますことから、今定例会に次期プランを策定するための予算案をお願いしているところでございます。
 作成に当たりましては、ポスト万博シティーとして万博の成果を実装する都市を目指し、今後見込まれます高速道路の開通や新たな用地・開発なども生かして、さらなる交流の促進とイノベーションの創出につながるよう、国、大阪府、奈良県、関係の市町、経済界を交えて検討してまいりたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係理事者から答弁させていただきます。

◯商工労働観光部長(上林秀行君)

◯議長(石田宗久君) 上林商工労働観光部長。
   〔商工労働観光部長上林秀行君登壇〕

◯商工労働観光部長(上林秀行君) けいはんな万博の周知についてでございます。
 けいはんな万博は、学研都市の魅力や強みを発信する絶好の機会であることから、60以上の機関が参画する運営協議会において様々なイベントを計画しており、昨年6月の大阪梅田でのキックオフイベントを皮切りに広く周知に取り組んできました。
 いよいよ開催が迫り、実施内容が固まってきたことを受けて、昨年10月から今年3月にわたり、けいはんな万博の4つのテーマにリンクしたトークセッションをけいはんなプラザで開催するとともに、今月には公募していたシンボルキャラクターの愛称を「みらるる」に決定するなど、地域の皆様が親しみを持って参加いただけるよう機運の醸成を図っているところです。
 今後、開催期間中においても夢洲(ゆめしま)では学研発の先端技術の体験イベントを実施するとともに、京都駅の「情報発信拠点・魅力発信ブース」では学研都市の先端技術のPR等を行うことで、機運醸成はもとより、国内外から多くの来客につなげたいと考えております。

◯教育長(前川明範君)

◯議長(石田宗久君) 前川教育長。
   〔教育長前川明範君登壇〕

◯教育長(前川明範君) 畑本久仁枝議員の御質問にお答えいたします。
 小・中学生が最先端技術や基礎研究などを学ぶ機会の提供についてでございます。
 変化の激しい現代社会において、生涯にわたり自ら学び続ける力を身につけるためには、子どもたちの「なぜ」や「不思議」を育む教育が重要であると考えております。そのため府教育委員会におきましては、京都大学などと連携した「子どもの知的好奇心をくすぐる体験事業」の中で、様々な研究分野の教授や若手研究者による学校への出前授業、研究施設での受入授業などを実施しております。
 また、議員御紹介の「K-Scan」では、児童生徒が学研都市の研究機関を訪れ、その研究内容について学ぶ施設訪問や、企業の技術者が学校へ赴く出前授業などのコーディネートに取り組まれております。子どもたちの好奇心を高める機会となっております。
 府教育委員会といたしましては、今後ともこうした取組を含め、各学校に最先端技術などを学ぶ機会を提供できるよう支援してまいります。

◯畑本久仁枝君

◯議長(石田宗久君) 畑本久仁枝議員。
   〔畑本久仁枝君登壇〕

◯畑本久仁枝君 御答弁ありがとうございます。
 今、知事から御紹介いただいた学研都市発の実用化されているものが多くあるということを大変驚いております。それから、私も聞いたところでは熱中症予防の今よく屋外でお仕事をされている方が着用されている冷却ジャケット、あれも何か学研都市から出たということで、あれはすごいなと私は改めて思っております。
 それから、学研都市の研究開発の成果を私はもっと府民の方に知ってもらうということはすごく大事なことだなと思いますので、ぜひとも広報にも力を入れていただきますようによろしくお願いいたします。
 また第4ステージから第5ステージは、関西の経済界などともいろいろと話し合われて、これからの方向性を決めていかれるということで、ぜひともこれからも学研都市が計画当初よりもさらに上回るような発展ができるように取り組んでいただきたいと思います。そのためには、やはりこの30年間の課題というのを解決しないといけないと思うんですが、よく言われるように交通ですよね。学研都市は交通の便が悪いということで、それはなぜかというと、やはり登美ヶ丘駅まで来ている列車がそこで終点になっているということで、今、精華町でも京阪奈新線祝園ルート整備促進協議会を設立されて早期実現に向けて動いておられますけれども、私はぜひともこれからの30年を学研都市がもっと活性化する活気ある世界に誇れるオープンイノベーション拠点としては、そういうところをまず整備していくことがまず大事かなと思いますので、ぜひともよろしくお願いいたします。
 それから、教育長、ぜひすばらしいので、一度京都府の子どもたちにも学研都市を訪問してもらいたいなと思いますので、積極的に教育委員会の中で御検討いただきますようにお願い申し上げます。教育活動の一環に取り入れていただけたらありがたいなと思います。よろしくお願いします。
 それでは、次の質問に入らせていただきます。
 中小企業及び医療機関におけるサイバーセキュリティー対策について。
 2024年年末から2025年年始にかけて、金融機関や航空会社を狙ったDDoS攻撃と言われるサイバー攻撃がなされました。このサイバー攻撃により、日本航空では国土交通省に飛行計画を連絡するシステムに影響が出たほか、搭乗手続や自動で手荷物を預けるシステムが一時停止となり、国内線・国際線に欠航や遅れが生じ大きな混乱を招くことになり、大勢の帰省客や旅行客に影響が出たというニュースは記憶に新しいと思います。
 このようにサイバー攻撃は、私たちの社会生活に大きな影響を及ぼし脅威となってきています。また、これまではサイバー攻撃のターゲットは大企業や団体などと思われていましたが、近年では中小企業や医療機関もその対象とされていると経済産業省や厚生労働省から注意喚起が出されています。
 経済産業省のホームページでは、「近年、大企業のみならずサプライチェーンを構成する中小企業においてもサイバー攻撃の脅威にさらされている実情が明らかになっています。最近の事案からも、業種や事業規模を問わず、中小企業もサイバー攻撃や不審なアクセスなどの脅威にさらされていると言えます。そして、もし被害に遭ってしまった場合には数千万円の損害が発生してしまうおそれがあり、自社のみならず取引先も含めて操業が停止してしまうおそれもあります。日々サイバー攻撃の高度化・巧妙化が進む中で、サプライチェーン全体におけるサイバーセキュリティー対策強化のためにも、これを構成する中小企業においてもサイバーセキュリティー対策の実施が求められています」と対策強化への注意を促しており、セキュリティー対策が強固な大企業よりも対策が遅れている中小企業もサイバー攻撃のターゲットになり得ると指摘しています。
 また、大阪商工会議所が2019年にサイバー攻撃に対する大企業や中堅企業を対象に実施した調査では、「取引先がサイバー攻撃を受け、その被害が自社にも及んだ場合にサプライチェーンを構成する中小取引企業に対して取り得る対処」として、「口頭や文書での注意喚起」(51%)、「損害賠償請求」(47%)、「取引停止」(29%)など、厳しい対応を取ると答えた企業も多く見られたと報告されています。
 サイバー攻撃を受けた企業は被害者ではありますが、同時に取引先から預かった機密情報などが漏えいなどした場合には加害者の立場にもなるため、重い責任を問われるリスクをはらんでいます。このようなリスクがあるにもかかわらず、なぜ中小企業におけるセキュリティー対策が積極的に行われないのでしょうか。
 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施した「2021年度中小企業における情報セキュリティー対策に関する実態調査」では、「過去3期でセキュリティー対策への投資を行っていない」と回答した中小企業は33.1%、そのうち投資を行わなかった理由として最も多かったのは「必要性を感じていない」(40.5%)、次いで「費用対効果が見えない」(24.9%)、「コストがかかり過ぎる」(22.0%)が上位を占めています。
 2020年度の1年間に情報セキュリティー被害に遭ったか否かを聞いた設問では、84.3%が「被害に遭っていない」と回答、何らかの被害に遭った企業は5.7%でしたが、「中小企業サイバーセキュリティ対策支援体制構築事業(サイバーセキュリティお助け隊事業)成果報告書(全体版)」では、中小企業1,117社に設置した機器が外部からの不審なアクセスを18万1,536件も検知したことが明らかになり、情報セキュリティー対策の実施状況を踏まえると、回答企業においてサイバー攻撃を認識できていない可能性も否定できないと報告しています。
 さらに、IPAの中小企業支援グループリーダーである横山尚人氏は、「サイバー犯罪が脅威だという認識はあっても、自分ごと化できていない中小企業がまだ多く、サイバーセキュリティー対策は、営業力や生産力の強化などと異なり、売上げや利益に及ぼす影響が見えにくい分野であり、人的資源や資金力に限りがある中小企業としては、優先順位が上がりにくいのだろう」と指摘しています。また、機密性の高い情報を取り扱う医療機関においても、デジタル化は進んでいてもサイバーセキュリティー対策への遅れがあると指摘されており、サイバー攻撃のターゲットになっています。
 医療機関での主な被害事例として、2024年6月には岡山県精神科医療センターで個人情報が最大4万件流出、2022年10月には大阪府立病院機構大阪急性期・総合医療センターでは電子カルテが使用できなくなり、復旧までに43日間、全ての業務システムが復旧するのに73日間要したと報告されています。
 本府においても、2023年1月に府内にある病院がランサムウェアの被害を受け、職員や患者の個人情報が流出した可能性があると判断されたと報告されています。
 医療機関で進むマイナ保険証の利用や電子カルテ保全など、デジタル化の流れとサイバー被害の深刻化を鑑みれば、生命に関わる分野だけにその社会的影響は大きいものがあり、機密性の高い情報を扱う医療機関の管理者に対してはセキュリティー対策の認識と意識向上が急務であると言わざるを得ない状況であります。
 このように私たちの生命や財産、暮らしを守る上でも、近年増加するサイバー攻撃のリスクに備えることは社会経済活動の重要課題であります。特に、中小企業や医療機関には情報セキュリティー対策の強化を認識していただくことが急務であると思います。
 そこでお伺いいたします。
 「サイバーセキュリティ基本法」は第5条で、「地方公共団体は、サイバーセキュリティに関する自主的な施策を策定し、及び実施する責務を有する」としており、それに基づいて本府でも令和4年度・5年度において中小企業と医療機関を対象に「情報セキュリティあんしん対策事業」、サイバーレジリエンス強化対策事業を実施されています。
 この事業は、商工労働観光部、健康福祉部と警察本部との共同事業として取り組まれており、中小企業と医療機関に専門家を派遣して情報管理の安全性やセキュリティー向上に向けた相談や助言などをする対策支援です。
 まず、中小企業や医療機関のセキュリティー対策に関して、本府の現状認識をお聞かせください。
 また、2か年度にわたる事業で計画目標は達成されているのでしょうか。この事業で支援した事業者の業種、規模別の数と、事業の成果と積み残された課題などがあればお聞かせください。
 また、対策支援後のセキュリティー対策への取組状況などを把握することは、事業の成果を知る上で重要であると思いますが、アンケート調査などは実施されたのでしょうか。セキュリティー対策強化に向け取り組まれた中小企業や医療機関はどれぐらいおられるのか教えてください。
 また、人的資源や資金力に余裕のない中小企業や医療機関に対して、セキュリティー対策への補助金制度などはお考えでしょうか。
 次に、警察本部にお伺いします。
 本府内での事業者に対するサイバー犯罪被害についてお伺いします。
 最近の被害状況や事業者に対するサイバー犯罪の動向と、被害に遭わないために心がける対策と、被害に遭った場合、警察への通報や相談の重要性についての訴求・啓発活動などの取組も教えてください。
 以上、御答弁をよろしくお願いいたします。
 時間が参りましたので、これで私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴いただき、ありがとうございました。(拍手)

◯商工労働観光部長(上林秀行君)

◯議長(石田宗久君) 上林商工労働観光部長。
   〔商工労働観光部長上林秀行君登壇〕

◯商工労働観光部長(上林秀行君) 中小企業及び医療機関におけるサイバーセキュリティー対策についてでございます。
 近年、大企業のみならず、サプライチェーンを構成する中小企業もサイバー攻撃の脅威にさらされております。また、医療機関を標的とした攻撃による被害も増加していることから、セキュリティー対策の強化は中小企業、医療機関にとって喫緊の課題と認識しております。
 この間、中小企業については個々の企業では対応が難しいことから、平成27年10月に産学公の連携組織である「京都中小企業情報セキュリティ支援ネットワーク(Ksisnet(ケーシスネット))」を設立し、京都産業21に相談窓口を設置するとともに、警察との協力体制を確立することでセキュリティー対策を支援してまいりました。
 また、医療機関については、平成30年度の国通知を受け、京都府では令和元年度以降の医療監視においてサイバー攻撃から速やかに復旧し、再発防止策等が講じられるよう、厚生労働省などとの連絡体制の確保状況について確認しております。
 ロシアのウクライナ侵攻以降、世界中でサイバー攻撃が急増したことを踏まえ、令和4年度から中小企業、医療機関の情報セキュリティー対策を強化いたしました。
 中小企業については、ネットワークの脆弱性等を診断する専門家の派遣と、必要な機器の導入支援を行ったところ、116社に活用いただきました。業種別では、製造業が約45%、小売・卸売業及びサービス業が約30%、建設・運送業が約10%と幅広い企業に参加いただきました。また、全体の約3分の2が50人以下の企業であり、特に支援が必要な小規模な企業に多く活用いただきました。
 一方で、危機意識が低い企業や、危機意識はあるものの何から手をつけてよいか分からない企業など、支援に手を挙げていない企業もまだまだ数多くあることから、今年度、Ksisnetでは小規模企業の被害事例や具体的な取組を学ぶセミナーを行ったところ、400名以上の参加がありました。セミナーの参加者を対象に実施したアンケートでは、セキュリティー対策が実施できていなかった参加者のうち約4分の3から「対策を強化したい」との回答があり、危機意識の向上に効果があったものと考えております。
 医療機関については、情報管理の相談・助言を行う専門家を40病院に派遣するとともに、セキュリティー対策を実施した病院に対し財政支援を実施いたしました。こうした取組により医療機関におけるサイバーセキュリティー対策を支援してきたところですが、サイバー攻撃は一層巧妙化、複雑化しているため、医療関係団体からは継続した支援を実施するよう要望されているところです。そのため、今年度、国の事業を活用し34病院が外部ネットワークとの接続の安全性の検証や検査や、安全で効率的なデータのバックアップ体制の整備を進めているところです。
 引き続き、セキュリティー対策の推進のための国の補助金等も活用しながら中小企業、医療機関が増加するサイバー攻撃に対応できるよう情報セキュリティー対策の強化に努めてまいります。

◯警察本部長(吉越清人君)

◯議長(石田宗久君) 吉越警察本部長。
   〔警察本部長吉越清人君登壇〕

◯警察本部長(吉越清人君) 畑本久仁枝議員の御質問にお答えいたします。
 まず、京都府内のサイバー犯罪等の情勢につきましては、令和6年中、サイバー犯罪等に係る相談受理件数が6,968件と過去最高となっております。その大部分は、偽サイト・詐欺サイトなどに関するもの、クレジットカードの不正利用に関するもの及びSNSアカウントの乗っ取りなどの不正アクセスに関するものなど個人からの相談であり、これが全体の約7割を占めております。
 事業者からの相談は292件で、法人名やロゴ等の悪用に関する相談が多く寄せられているほか、複数のコンピューターから大量のアクセスを繰り返し行い、コンピューターのサービスを提供不可能にする、いわゆるDDoS攻撃被害の相談も受理しております。
 また、令和6年中はランサムウェアに感染する被害は4件認知しており、個人情報の流出被害も確認しております。
 中小企業や医療機関がこのようなサイバー犯罪の被害に遭わないためには、OSとソフトウェアを常に最新の状態にする、ウイルス対策ソフトを導入し常に最新の状態とする、パスワードを長く複雑にするなどして強化する、データへのアクセス権付与を必要最小限にする、サイバー犯罪の最新の手口を知る、こういった対策が重要となります。
 府警察では、行政、経済、医療、教育など様々な関係機関・団体等とも連携し、最新の手口、情勢に関するセミナーの開催や、インターネット上での情報発信等を通じ事業者の情報セキュリティー対策の強化や、情報セキュリティー意識の向上に向けた取組を推進しているところでございます。
 また、中小企業や医療機関がサイバー犯罪の被害に遭った際には、同種被害の拡大防止や、証拠の保全等の観点から、警察へ迅速に通報・相談していただくことが重要であると認識しております。
 他方で、事業者の中には被害情報による社会的評価の悪化や、警察への協力に伴う事業の停滞といった懸念もあるものと承知をしております。
 府警察といたしましては、府内の経済団体をはじめとする産学公の関係機関等が参画する「京都中小企業情報セキュリティ支援ネットワーク(Ksisnet)」の枠組みや医療関係機関等との共同対処協定の締結などを通じて、事業者との相互理解と連携をさらに強化することで、サイバー犯罪の被害の通報・相談等の促進を図ってまいりたいと考えております。
 今後とも、府民や事業者の方々の目線に立った丁寧な取組により、安全で安心なサイバー空間の構築に努めてまいります。