議会活動

録画ビデオはこちら ※外部リンクに移動します。


1 地域公共交通について
2 農地転用について
3 地域連携DMOについて
4 随意契約におけるプロポーザルについて
5 その他


◯西山龍夫君

◯西山龍夫君 国民民主党・日本維新の会京都府議団の西山龍夫でございます。
 議長にお許しをいただきまして、一言申し上げます。私はこのたび、初めての代表質問の機会を与えていただきました。会派の皆様には厚くお礼を申し上げます。
 まず、今回の補正予算案でありますが、当初予算編成後に生じた課題への迅速な対応、来年度開催される大阪・関西万博に向けた準備及び事業活動や府民生活を守る対策、府市連携の推進や、そのほか必要な予算を編成されており、我が会派として、評価できるものであると申し上げます。引き続き、委員会審議などを通して、しっかりと議論を尽くしてまいります。西脇知事におかれましては、積極的な御答弁をお願いいたします。
 それでは、質問に移らせていただきます。初めに、地域公共交通について問い合わせをさせていただきます。
 地域公共交通は、鉄道をはじめ、路線バス、コミュニティバス、タクシーなどがありますが、ここでは主に路線バスについて問い合わせをさせていただきます。
 全国的な課題でもありますが、本府においても、地域公共交通を担うバス事業は、自動車の利用率の高さや、少子高齢化、新型コロナウイルス感染拡大を契機として、乗客数の減少は著しく、路線の維持は困難な状況にあります。これに加えて、高齢者の運転免許返納は年々増加しており、受け皿としての移動手段を確保することが重要な課題となっています。また、2024年問題と言われる働き方改革を起因とした運転手不足は、一層深刻度を増し、経営を圧迫する主な要因となっています。このようなバス事業を取り巻く課題が山積する中、民間バス事業者により支えられてきた地域公共交通は衰退の一途をたどっています。
 遡る平成18年10月に道路運送法が改正され、地域公共交通会議が開催されるようになりました。この会議は、自治体が設置して、地域のニーズに応じた多様な形態の運送サービスを促進し、旅客の利便性の向上や、コミバスなどの必要性とその対価などを協議し、地域の実情に応じたバス運行の態様・運賃・事業計画等について、地域の関係者による合意形成を図る場として、任意協議会としての位置づけで開催をされています。
 その構成員は、道路運送法施行規則で規定され、交通事業者や住民、利用者などのほか、必要に応じて警察や学識経験者などが加わることになっています。ただし、会議は、構成員に参加義務がないことや、決定についての法的拘束力がないこと、財源措置を伴わないこと、バスや乗合タクシーに限定されていることなどの課題点が挙げられます。
 一方、交通事業者にとって、許認可が必要な運賃値上げやダイヤ改正、路線の廃止など、この任意協議会で合意が得られた場合には、許認可申請の手続にかかる時間も短縮されるなどのメリットがあります。
 令和2年には、地域公共交通活性化再生法により、地域公共交通計画の策定が自治体の努力義務となりました。この地域公共交通計画は、自治体を主宰者とした法定協議会を組織し、バスやタクシーといった、これまでの地域交通の再生議論から、地域事情を勘案し、より利便性を高めるために、NPOや民間事業者による自家用車を使用したオンデマンド交通といった、地域で自発的に取り組まれている移送サービスや次世代交通なども盛り込んで、総合的に持続可能な移動手段を確保していくために策定をされています。
 この法定協議会の、構成員には参加応諾義務があり、主宰者から参加を要請された場合には参加義務が発生し、また会議での決定事項は遵守しなげればなりません。
 地域公共交通会議では、道路運送法を根拠とする任意協議会と、地域公共交通活性化再生法を根拠とする法定協議会の構成員がほぼ同じであることから、一つの協議組織に両者の機能を併せ持つことができるように運用する二法協議会が一般的となっています。
 私の地元八幡市でも、この両方を併せ持つ地域公共交通会議が定期的に開催され、私も許す限り傍聴をしております。会議の目的は、住民や利用者を含めた利害関係者と建設的な意見を通じ、地域に合った公共交通の実現という目的意識を共有し、役割分担や連携した取組を行い、計画、実施、評価、改善、いわゆるPDCAのそれぞれの段階で、会議の構成員に対して必要な情報提供や、理解が深められるような環境づくりを合意形成で決定することとされています。
 ただ、会議では新たな取組についての合意形成がなされる一方、既存の路線バスの維持については、企業経営の問題にも関わるため踏み込んだ議論には及ばず、事業者の経営方針に異論を挟むことができない状況にあります。
 八幡市内に路線バスを持つバス事業者は、4月にダイヤ改正に伴う減便を行い、急ぎ5月にも運転手不足による減便を通告されました。続く7月の会議においては、さらなる減便と一部の路線廃止を通告されるに至り、ここで八幡市が苦言を呈する事態となっています。
 バス事業者の主張では、減便による収入減はもちろんのこと、大きな要因としてバス運転手の不足を挙げられています。
 2023年版の交通政策白書によると、バス運転手は全産業平均と比べて年問所得額は約2割低い399万円とされています。人命を預かる重要な仕事であるのに加え、早朝や深夜勤務、ダイヤの維持やいわゆるカスハラでストレスも多い職場でありながら、その職責に比べ、民間のバス事業者の運転手は低賃金で雇用も安定しない労働環境にあると言えます。
 私の所属する政策環境建設常任委員会でも、専門家を参考人招致して意見を伺ったところであります。そこで民間バス事業者の現状を語っていただきましたが、非常に衝撃を覚えました。いわく、「参考人の知る民間バス事業者は軒並み収益を改善されているが、運転手不足は改善されていないばかりか、むしろ悪化をしている。現行の運行ダイヤを維持するため、一線を退いた管理職や事務職で何とか補っており、収益の改善は一時的に人件費が抑制された結果である。このような綱渡りの状態では、地域公共交通を維持できない」と、非常に憂慮されていました。
 そこでお聞かせ願います。
 地域公共交通への支援については本年6月議会でも取り上げられ、市町村への補助やデマンド交通の補助を拡充されているほか、国と協力して二種免許取得の支援等を行われているとの答弁でありましたが、八幡市の事例のとおり、路線バスの維持を取り巻く環境は刻一刻と悪化しているのが実情であります。市町村が抱える課題や地域の特性も踏まえた公共交通で、特に路線バスの維持に困難が生じている場合、それが本府の支援策や民間事業者の独立採算や企業努力では実現不可能なのであれば、本府として、不採算のバス路線の維持に係る経費に対して、積極的に支援を行う必要があると考えますが、いかがでしょうか。
 AIやIoTなどの技術革新により、新たなモビリティーサービスが続々と登場しており、こうした新技術が地域の交通課題を解決するまでの間は、今ある課題に向き合う必要があります。
 次に、公共交通を維持するための財源確保についてであります。
 滋賀県では、県民や法人などの地域の構成員が広く負担し、地域交通を支えるべきとする観点から、税負担の制度設計を視野に議論を加速化されています。例えば地方税に超過課税方式を採用するなど様々な手段も想起できますが、いわゆる交通税の導入について、本府のお考えをお聞かせください。
 最後に、地域公共交通計画の策定についてであります。
 地域の公共交通に関するマスタープランである地域公共交通計画の策定が地方公共団体の努力義務となるなど、公共交通とまちづくりの施策の連携が一層求められています。
 また、国においても、地域公共交通の厳しい状況を踏まえ、交通事業者のみならず、地域の関係者が連携・協働して地域ぐるみで地域公共交通を支え、利便性・生産性・持続可能性を高める取組を地域公共交通の「リ・デザイン」と称し、全国でその取組を進めています。
 地域公共交通計画に関して、本府においては、平成17年に京都府交通需要マネジメント施策基本計画を作成されていますが、この計画は京都市を中心とする京都都市圏を主な対象にしています。政令指定都市である京都市では、今和5年に地域公共交通基本計画を策定済みであり、この計画との整合性も図っていかなければなりません。
 そこでお聞かせ願います。
 府内の市町村においても、市町村ごとの公共交通施策の基本方針や地域公共交通計画の策定が進んでいることから、本府が主導したJR山陰本線沿線、京都丹後鉄道沿線、JR関西本線沿線、北近畿タンゴ鉄道沿線地域の各基本計画を集約して、整合性を図りつつ、国が推奨する「リ・デザイン」を進めるため、府内全域の地域公共交通計画を策定する必要があると考えますが、いかがでしょうか。
 以上、ここまで御答弁をお願いいたします。

◯知事(西脇隆俊君)

◯知事(西脇隆俊君) 西山議員の御質問にお答えいたします。
 西山議員におかれましては、ただいまは会派を代表されまして今回の補正予算に対する評価をいただき、ありがとうございます。
 路線バスへの支援についてでございます。
 鉄道やバスなどの公共交通は、通勤・通学、子育てや通院など、地域の生活や経済を支える社会基盤であり、特に車を運転できない方にとりましては欠くことができない移動手段でございます。生活交通を担うバスの不採算路線につきましては、主に市町村が地域内を運行する路線に対しまして、また京都府が複数市町村にまたがって広域を運行する路線に対しまして支援を行い、地域の公共交通ネットワークの維持・確保に努めてきたところでございます。しかしながら、昨今、人口減少による利用者の減少や運転手不足の深刻化などにより、地域公共交通を取り巻く経営環境は非常に厳しく、バス路線の維持に係る経費への支援のみで地域の公共交通ネットワークを維持していくことが難しい状況になってきております。このため京都府といたしましては、従来の運行経費への支援に加えまして、昨年度から交通事業者が行う二種免許取得や採用活動などの人材確保の取組に対して支援を行いますとともに、省エネ設備への転換やデジタル機器導入などの生産性向上に資する取組に対しましても支援を行っているところでございます。
 また、利用者の減少による収支の悪化や運転手の不足により、バスの減便や路線廃止が相次ぐ中、地域の移動手段を確保していくためには、交通事業者のみに頼るのではなく、関係者が連携・協働して地域の輸送資源を効率的に活用していく、地域公共交通の「リ・デザイン」を進めていく必要があると考えております。既に府内の各地域におきましては、「リ・デザイン」の考えに基づき、廃止予定の路線バスに代わる輸送サービスとして、福祉施設の送迎バスやスクールバスへの一般客の乗り合わせ、自家用有償旅客運送やAIオンデマンド交通の導入など、地域の輸送資源や新技術を活用することで移動手段を確保する取組が進められているところでございます。
 京都府といたしましては、地域が主体となって移動手段を確保するこれらの取組に対し、国の共創モデル実証運行支援とも連携して、新たな輸送サービス導入にかかる初期費用や実証運行などに要する経費に対して支援を行っているところでございます。
 また、国におきましても、交通空白地域の解消に向けて、本年7月に国土交通大臣を本部長とする「交通空白」解消本部が設けられ、制度の改善や新たな官民連携の枠組みの設置など、官民の総力を挙げて交通空白解消に向けた取組を推進していくと伺っております。
 引き続き、このような国の動きや先行事例なども注視いたしますとともに、国や市町村とも十分に連携し、広域を運行するバス路線に対する支援や運転手不足対策、地域公共交通の「リ・デザイン」の推進など、地域公共交通の維持・確保に引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、交通税についてでございます。
 地域公共交通の確保に必要な財源につきましては、国におきまして運行経費や施設整備に対する交付税や補助金のほか、昨年度から地域交通ネットワークの再構築に必要な鉄道施設、バス施設のインフラ整備に対し、社会資本整備総合交付金の活用が可能となるなど、様々な支援制度が措置されているところでございます。京都府におきましては、国の支援制度の充実を図るため、毎年、国に対して様々な政策提案を積極的に行っており、昨年度の社会資本整備総合交付金の地域公共交通への拡充につきましても、私どもの政策提案の成果と考えております。また、地域公共交通に関する必要な予算の確保につきましても、国に対して要望しているところでございます。
 京都府といたしましては、地域公共交通の財源確保に当たり、税から検討するのではなく、地域公共交通の維持のために必要な施策について様々な検討を行いつつ、当面、これらの国の支援制度を有効に活用することが適当であると考えております。引き続き、国への政策提案や予算要望を行い、必要な支援制度の充実を図りますとともに、国や市町村と連携しながら、国の支援制度を十分に活用し、持続可能な地域公共交通の確保に引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、地域公共交通計画の策定についてでございます。地域公共交通計画は、地域にとって望ましい旅客運送サービスの姿を明らかにする地域公共交通のマスタープランであり、地域公共交通活性化再生法により、地方公共団体による策定が努力義務化されています。地方公共団体の役割につきましては、同法におきまして、市町村は主体的に地域公共交通の活性化・再生に取り組むこととされております。また、都道府県は各市町村を越えた広域的な見地から必要な助言と援助を行いますとともに、市町村と密接な連携を図りつつ、主体的に地域公共交通の活性化・再生に取り組むこととされており、市町村・都道府県双方に対し、地域公共交通への積極的な関与が求められております。
 京都府内では、順次、地域公共交通計画の策定が進められておりますが、地域公共交通を取り巻く実情は地域ごとに異なりますことから、府内全域の計画を策定するのではなく、まずは市町村が主体となり、それぞれの地域の特性を踏まえ、法定協議会において関係者が協議を重ね、計画を策定することが重要だと考えております。このため京都府といたしましては、市町村の法定協議会に参画し、地域内交通と広域的な公共交通ネットワークとの整合など、広域的な見地からの助言や支援を行いますとともに、地域の課題や実情の把握に努めているところでございます。
 一方で、ローカル鉄道の活性化など、沿線の複数市町村間での密接な連携や調整が求められる地域におきましては、京都府が主体となって計画策定を進めてきたところでございます。例えば、平成26年12月には北部地域において、府と沿線自治体により法定協議会を設置の上、現在の地域公共交通計画の前身となります「北近畿タンゴ鉄道沿線地域公共交通網形成計画」を策定し、京都丹後鉄道の上下分離による鉄道事業の再構築など、全国的にも先駆的な取組を実施してまいりました。
 また、JR山陰本線や関西本線においても、沿線自治体とともに法定協議会を設置し、地域公共交通計画を策定することで、鉄道を軸にした地域公共交通の活性化に取り組んでいるところでございます。
 京都府といたしましては、全市町村において各地域の実情に応じた地域公共交通の「リ・デザイン」を進めることが重要だと考えており、引き続き、地域の公共交通の課題や住民のニーズに対応した地域公共交通計画の策定が進められるよう、計画が未策定の市町村に対して、必要な支援や助言を行ってまいりたいと考えております。加えまして、鉄道の活性化など、個別具体の課題で、かつ複数の市町村にまたがる広域的な課題に対しましては、関係する市町村などと連携・協働し、取り組んでまいりたいと考えております。

◯西山龍夫君

◯西山龍夫君 知事、御答弁ありがとうございます。
 本当に誰も取り残さない交通施策というのは非常に厳しいものがありますけれども、私は少なくとも次世代を担う子どもたちの交通手段だけは確保していただきたいと、このように願うわけであります。どうぞ御尽力をいただきたいと思います。
 また、交通税についてでありますけれども、いわゆる交通税の前提になるのが、国の支援を活用されているという御答弁でありましたけれども、私は並行して検討されるのもいかがかなというふうに考えております。
 財源の確保のための行財政改革、これは一層進めていただきたいと考えます。また、府有財産の利活用、行財政改革の一層の議論も深めて、財源確保の糸口を探していただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
 また、地域公共交通計画の策定についてでありますが、京都府全体の地域公共交通の策定について、ただいま、私はちょっと調べた限りでは、都道府県ごとの地域公共交通計画を策定されているところもありますので、ぜひ参考にしていただきたいと思いますが、取りあえず市町村が単独でできない、専門かつ広域的な分野の補完はやはり本府が率先して行うべきであると、このように考えております。本府が目指す公共交通の将来像、未来像を早期に府民に示していただくのが、私は重要であると考えております。
 最後に提案と要望についてであります。私が地域公共交通会議を傍聴して課題に感じているのは、その会議に日常的にバスを利用されている方の参加がほぼ皆無であるというところであります。私は路線バスの維持については、実際にバスを利用されている方々の協力が極めて重要であると考えております。
 ここで提案なんですけれども、本府が主導して、バス利用者を中心とした利用促進協議会もしくは利用者協議会なる組織づくりも検討していただきますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 次に、バス運転手の確保についてでありますが、例えば本府に運転手確保の専門部署を設置し、基礎自治体やバス事業者と協働しながら、運転手募集広告や就労支援策、退職をつなぎ止めるなどの伴走支援を行うことが必要であるとも考えます。ぜひ専門部署設置の御検討をよろしくお願い申し上げます。
 それでは、次の質問に移らせていただきます。農地転用について問い合わせをさせていただきます。
 府内は多様な地形と四季折々の気候変化、そして豊かな水源を背景に、稲作や伝統的な京野菜の栽培が盛んであり、京のブランド産品として高い評価を受けています。この農業の振興と発展を図るため、本府においても様々な取組が行われています。
 令和元年12月に策定された京都府総合計画の見直しを機に改定されている京都府農林水産ビジョンでは、先端技術の活用による農林水産業の成長産業や、京都の特性を生かした生産力の強化などの方針が示されています。
 本府の特性を生かした農業振興を図るためには、その基盤となる農地の保全が欠かせず、地域の景観や環境の維持、地域経済の活性化にもつながる重要な問題であり、その実効性は京都府農業振興地域整備基本方針によって位置づけられています。
 この基本方針によりますと、農地及び労働力の集約化を推進するとともに、生産性の高い集約型農業の推進や、農業振興地域内の農用地を設定し、農業以外の用途への転用を制限することで、農地全体の保全を図ることとされています。
 この農地のうち、特に10ヘクタール以上の集団的農用地等については、市町村の農業振興地域整備計画で指定される農用地区域内農地として、地図上で青色に示されることから農業振興地域制度上の通称「農振青地」と呼ばれ、農地以外の利用を厳しく制限されています。ここでは、便宜上、農振青地を青地と呼ばせていただきます。
 この青地は、近年、過疎・高齢化に伴う担い手不足の影響で、特に農村部では耕作放棄が問題となっています。一方、都市近郊部の農業は、農村部と比べて農地や労働力の集約化が図られており、耕作放棄は限定的と見受けられます。ただ、この都市近郊部の青地は、まとまった土地が得やすいことから、農地の転用による開発行為が進む懸念があります。
 その主な要因として、国土交通省所管の物流総合効率化法、以下略して「物効法」が国の重点施策として強力に推進されていることが考えられます。物効法とは、流通業務の省力化と物流の効率化を推進するために、流通の一体化や効率化につながる事業を国が支援するための法律で2005年に施行され、最新では物流の効率化やDX化などに対応するいわゆる2024年問題を踏まえて、本年5月に改定が行われました。
 この物効法が適用される特定流通業務施設は、法に定められた一定の要件を満たす物流拠点施設のことをいいます。輸送連携型のトラックターミナルや物流倉庫などが該当し、主に高速道路インターチェンジの近くなどで複数の物流事業者が連携する施設とされており、本来、開発が厳しく制限されている市街化調整区域内の農地においても、農地法上の関係基準をクリアすれば特定流通業務施設は開発許可の対象になります。
 次に、地域未来投資促進法、以下、略して「未来法」についてであります。この未来法は、地域の特性を生かして高い付加価値を創出し、地域経済に対する相当の経済的波及効果を及ぼす事業を実施する事業者等を支援するものであります。
 熊本県においては、半導体受託生産の世界最大手の台湾企業が工場を建設し、稼働したことによって、雇用の増加や税収増加など地域の活性化に大きく貢献されており、将来的にはこの工場を中心にハイテク企業や研究所を集積した600ヘクタール規模のサイエンスパーク構想も検討されていると報道されています。この誘致を可能にしたのが、経済産業省が所管する未来法であります。この未来法における土地の確保においては、農用地区域の除外や、農地転用が迅速にできるように規制を緩和し、まとまった土地の確保が容易にできるようになりました。まさに、先述した物効法と同様の効果があります。
 そもそも農地は、日本の都市計画法及び農地法に基づき、転用や売却について非常に厳しい規制が適用されます。また、農地転用に先立って、農用地区域については農用地区域からの除外手続が必要であり、国や都道府県による農地面積の確保目標とも関わるため、市町村の一存では決定できない性質のものであります。また、総合的な判断や都道府県との調整が必要であるため、この手続には相当の時間を要するものであります。
 ここでお聞かせ願います。各自治体も企業誘致合戦に拍車がかかっているところであり、例えば西脇知事、松井市長との府市トップミーティングの折にも、京都府南部地域に企業誘致を加速化させる意欲を示されていました。企業誘致の前提はまとまった土地があることであり、その手段としての農地転用は不可避であると考えます。本府の農業政策と物効法や未来法は相反している部分もあると考えますが、本府はいかにバランスを取った施策を実行していくのか、その方向性をお示しください。
 また併せて、物効法や未来法に関連する農地転用に対し、小規模の開発行為がまとまりなく行われ、本府の農地政策に支障が生じるおそれがある場合や、農地の効率的かつ総合的な利用に支障が生じると想定される場合、本府は基礎自治体、農業委員会や開発事業者などに対して指導、監督する権限を有しているのかお聞かせください。
 次に、本府における都市計画区域マスタープランについてであります。
 都市計画法第6条の2において、「都市計画区域については、都市計画に、都市計画区域の整備、開発及び保全の方針を定めるものとする」とされております。この方針は、中長期的な視点に立った都市の将来像を明らかにし、都市計画区域ごとの都市計画の基本的な方向性を示すものとなります。
 本府においては、府内を13地域に区切り、各都市計画区域において、都市計画区域マスタープランを策定されておられます。
 そこでお聞かせ願います。平成16年に都市計画区域マスタープランを決定し、適宜見直しをされており、おおむね20年後の都市の姿を展望されています。しかしながら、農地転用の推進が図られ、都市の未来像が刻々と変化する中にあっては、現在の都市計画区域マスタープランを早期に見直す必要があると考えますが、いかがでしょうか。
 以上、ここまで御答弁をお願いいたします。

◯知事(西脇隆俊君)

◯知事(西脇隆俊君) 府南部地域の農地保全についてでございます。
 府南部地域では、消費地に近い立地を生かした収益性の高い農業が展開されており、その基盤となる農地は新鮮な農産物の供給に加え、防災空間の確保や農業への理解醸成などの多様な役割を担っていることから、将来にわたり適切に保全していくことが重要だと考えております。農地の保全に当たりましては、まちづくりの主体である市町村が地域の実情や意向を踏まえて策定する土地利用計画を基本としながら、京都府といたしましては、広域的な視点から農地の有効活用と産業用地の確保に取り組むことで、農業と他産業の均衡ある発展に寄与する役割を果たしてきたところでございます。
 具体的には、農地の有効活用に向けては、市町村と連携し、農地の集団化や大区画化により作業効率の向上を図りますとともに、農道や農業水利施設の整備による生産性や品質の向上など、収益性の高い農業につながるよう、営農条件の改善に取り組んでいるところでございます。また、産業用地の確保に向けては、物流総合効率化法や地域未来投資促進法の活用などにより、やむを得ず農用地区域を含める場合においても、農地関連法制度に基づき、周辺農地の営農や利用集積に支障を及ぼさないことなど、農業者の効率的な農地利用が維持されるよう、市町村や農業委員会、事業者に対し、助言・指導を行っているところでございます。
 今後、高速道路網など、都市基盤整備の進展に伴い、府南部地域を中心に物流施設やものづくり・ハイテク企業などの立地ニーズがさらに高まることが見込まれます一方で、若い世代を中心に高収益農業を展開する企業的経営体が増加しており、営農ニーズに応じた優良農地を確保していく必要があると考えております。京都府では既に、農地中間管理事業を担う京都府農業会議をはじめ、市町村や農業委員会、土地改良区などの関係機関とともに、府域における農地の利用調整を進めているところでございます。
 具体的には南部地域においては、まずは新たな優良農地の確保を図りますとともに、中・北部の担い手が不足する地域との広域的な農地の利用調整の促進に向けて、京都府がより主導的な役割を果たしていく必要があると考えております。
 新たな優良農地の確保に向けましては、1つには、農地中間管理事業を活用し、市町村域を越えて点在する農地を企業的経営体などに集積・集約化すること、2つには、圃場や農道・水路の整備、水田の汎用化による高収益作物への転換などを進め、荒廃農地の再生や圃場の大規模化を図ることなどにより、営農ニーズに対応した農地の条件整備を進め、農用地区域への編入を促進していまいりたいと考えております。
 中・北部地域との農地の広域利用調整に向けましては、1つには、将来の農地利用の姿を明確化する地域計画を策定する市町村等と連携をし、地域の話し合いの中で、担い手不足の中・北部の農地と南部の企業的経営体とのマッチングを促進すること、2つには、営農地の2拠点化に伴い必要となる技術人材の確保や農業機械の共同利用化を支援することなどにより、南部地域の企業的経営体による優良農地の確保を促進してまいりたいと考えております。
 先般改正された「食料・農業・農村基本法」では、新たに食料安全保障の確保が基本理念に位置づけられますとともに、関連法として、食料生産の基盤となる農地の総量確保と適正利用のための措置を強化する農地制度の見直しが行われたところでございます。今後、食料安全保障の強化に必要な農地面積を明確化するなど、国の農地利用の方向性を示す「農用地等の確保等に関する基本指針」の改定が見込まれますことから、京都府といたしましても、優良な農地の確保とその有効利用に向けて、さらに検討を重ね、取組を強化してまいりたいと考えております。
 今後とも、市町村や関係機関と連携し、農地の保全・確保に努めますとともに、意欲ある担い手を育成し、京都府農業の持続的な発展に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、都市計画区域マスタープランの見直しについてでございます。
 都市計画区域マスタープランは、急速に都市が拡大する都市化社会から安定成熟した都市型社会への変化に対応するため、平成12年に制度化されたものであり、長期的視点に立った都市の将来像を明らかにして、都市計画の基本的な方針を示し、市町村と共有することで広域的な役割を担うものでございます。
 京都府におきましては、平成16年に府内全ての都市計画区域について、優良な農地との調和を図りつつ、都市の生活と活動を確保することを方針とした都市計画区域マスタープランを決定いたしました。この都市計画区域マスタープランにつきましては、地域特性から南部と北部にグループ化し、それぞれおおむね5年ごとに実施する都市計画基礎調査の結果により、都市の人口や産業、土地利用等の現況と将来見通しを把握し、社会経済状況とともに変化する都市の将来像を見据えて、適時・適切に見直しを行っているところでございます。
 これまで南部では、平成19年に大規模小売店舗の郊外立地と中心市街地の空洞化に対応するため、また平成28年には人口減少下にあっても活力ある都市を維持していくため、合わせて2回の見直しを行っております。北部では、選択制である市街化区域と市街化調整区域の区分について、市町が地域特性に応じたまちづくりを進められるよう、平成28年と30年に見直しを行っております。現在、南部におきまして、新名神高速道路など広域的な道路ネットワークの整備の進展を生かした市町のまちづくりの意向を踏まえつつ、優良な農地等の保全にも配慮した都市計画区域マスタープランの本年度中の見直しに取り組んでいるところでございます。
 また、北部におきましては、関係する市町と協力して、都市計画基礎調査を進めているところでございます。
 引き続き、適切な時期に都市計画区域マスタープランを見直すことなどにより、広域的な視点で農業用地等の保全と産業用地の確保の最適化を図りながら市町村と連携し、地域の魅力や活力を高めるまちづくり進めてまいりたいと考えております。

◯西山龍夫君

◯西山龍夫君 知事、御答弁ありがとうございます。
 農業を振興する、いわゆる農地を守る政策と、経済発展を図るための農地を転用することは、やはり二律背反の状態となっていると考えているんですけれども、そのバランスの取り方は、極めて重要な経営判断であると私は考えております。私は、経済発展のためには農地転用も必要であると考えております。しかしながら、その失われた農地の面積をいかに回復させるかがとても重要であると考えます。また、単に農地を回復させるだけではなく、やはり農業の担い手をいかに育成するか、今、知事のおっしゃられた内容ではありますけれども、農業の魅力をいかに高めるかが重要であると考えております。農業のDX化や効率化も含めて、さらには優良農地の確保を含めて、もうかる農業への転換へと施策を進めていただきますよう、今以上によろしくお願い申し上げます。
 また、基礎自治体の地区計画においては、農地の売買目的が前提で地区計画を策定するケースも想定されることから、農地の切り売りによる開発は、後に残された農地の効率化や、時代とともに変化していく都市計画に影響を与える意味でも、都市計画区域マスタープランや開発審査会において、その課題も十分に御留意いただけたらと考えております。
 また、都市計画区域マスタープランの作成においては、基礎自治体のマスタープランや地区計画の積み上げではなく、本府が基礎自治体のマスタープランを先導していく形で未来像を示していただけたらと考えております。
 ここで、2点ほど要望させていただきます。
 まず、開発審査会の審査基準についてであります。物効法や未来法で誘致を予定している企業について、私はその企業が地域に貢献する仕組みも検討していただきたいと考えております。本府の開発審査会における審査基準においては、例えば地元雇用を優先する、地域公共交通の維持に協力をする、災害時の避難場所や地域住民が集える施設を設置するなど、地域課題に貢献するための項目も審査基準に追加するなどの御検討がありましたら幸いに存じます。
 また、地域住民が懸念する声は、しっかりと開発審査会前に拾い上げていただきたいと考えております。例えば、開発時に想定される工事用の車両の問題や、工事車両の走行ルートの状況調査、さらには迂回路等の整備状況、周辺農地に与える排ガス問題などの環境調査や開発による地価高騰の懸念なども踏まえて、将来、地域住民に与える影響はしっかりと調査され、地域住民に広く、深く、知らしめるための情報公開の在り方について御検討をお願いいたします。
 次に、地域連携DMOについて問い合わせをさせていただきます。
 観光地域づくり法人DMOは、観光客を増やして地域の経済や産業を強くするため、観光事業者のみならず、その地域にある様々な事業所や住民全体が一丸となって、観光客が流入する仕組づくりを担っています。観光庁によると、地域において観光関連で稼ぐ力を引き出すため、戦略的な知見と実行力を持つ組織がDMOの役割と定義されています。
 本府においては、海・森・お茶の京都の3DMOと、京都府観光連盟が地域連携DMOとして活動しています。地域連携DMOは、複数の市町村にまたがるDMOを指し、一方で単独の市町村で活動するDMOは地域DMOと呼ばれており、府内においては京都市単独の京都市観光協会や、南丹市美山町の美山DMOがあり、それぞれ社団法人として活動をされています。
 令和3年度からは、海・森・お茶の京都の3DMOは、これまでの「観光地域づくり法人」から「まちづくり支援法人」へと組織変更し、業務拡大を図られました。これまで、「観光地域づくり法人」としてDMOが取り組んできた主な施策は、観光地域全体のマネジメントという観点に立った、多様な関係者と協働しながらの観光地域づくりでありましたが、「まちづくり支援法人」は、これに加えて、1つ、観光から交流、さらには中長期滞在者にとっても魅力的な地域が選ばれるための地域資源の磨き上げ、2つ、空き地、空き家、商店街、伝統産業、文化などの地域資源を利活用した交流の促進や関係人口の創出、3つ、地域づくりを支える人材や地域活性化のキーパーソンの育成、交流拠点の整備といった役割を担っています。
 そこでお伺いをいたします。この「まちづくり支援法人」としての明確なコンセプトを定め、その実行のための戦略を策定し、確実に実施することが求められている3DMOは、その職責を遂行するため地域課題に対応する専門人材を新たに配置されていますが、主な職員構成は、旅行会社や交通事業者、自治体からの出向職員で構成されています。「まちづくり支援法人」として、地域との関わりは多年にわたり継続され、一層の深まりが求められていることも鑑み、現在は出向職員の方が中心の組織体制ではありますが、その見直しを図り、プロパー職員の確保と育成が重要であると考えますが、本府のお考えをお聞かせ願います。
 次に、「地域づくり京ファンド」についてお聞かせください。
 「地域づくり京ファンド」については、地域に眠る資源である古民家などの建造物を生かした地域づくりを官民一体となって推進し、地域課題を解決し、持続可能な地域を実現するため、有限責任事業組合を設立され、地元金融機関からの1億円の出資と、本府が3DMOを経由し出資した1億円、合計2億円の原資をもって運用されています。投資対象は、地域づくりを通して商業を行う事業会社で、空き家、空き店舗、空き公共施設などをリノベーションし、宿泊施設や物販施設、飲食施設等として生まれ変わらせ、地域のにぎわい創出に貢献することが求められています。
 投資期間は最長10年で、投資形態は、投資を受ける事業会社の優先株式の取得、社債の取得であります。償還は、原則満期一括償還とされており、それまでは株式取得の場合は配当金、社債の場合は年利2%の利息収入が得られ、ファンドを経由して、各出資者に損益が分配されると聞き及んでいます。
 そこでお聞かせ願います。
 第1号投資案件である2,000万円の投資から、今日に至るまで、第5号投資案件まで成立していますが、開業後の運営状況と地域のにぎわい創出への貢献についての評価をお聞かせください。
 また、これまでにこの投資により得られた収益は、3DMOを含む出資者に分配される計画でありましたが、いまだ分配されていないと聞き及んでおります。この理由をお聞かせください。
 次に、各DMOの統合についてであります。
 京都市が管轄する京都市観光協会は、世界に誇れる持続可能な観光地域づくりを行う世界的なDMOとして、「先駆的DMO」に令和5年3月に観光庁より選定を受けました。
 そこでお聞かせください。
 地域連携DMOの業務が拡大していく中、組織の効率化や意思の疎通、経費削減に加え、観光政策のスケールメリットを発揮できることをはじめ、観光の分散化、観光公害への取組、災害時における情報発信なども踏まえ、各自治体や関係機関と連携して、一元的に取り組む組織として、京都府観光連盟を存続組織として、3DMOとの統合を図ることは効果的であると考えますが、いかがでしょうか。
 また、この統合効果により、京都市観光協会と同様、これまで以上にグローバルな観光施策が展開できる「先駆的DMO」選定も視野に入れることができ、京都市観光協会と対等の立場で、一層の連携を図ることが可能と考えますが、いかがでしょうか。
 これに関連する質問として、昨年9月議会において、我が会派の畑本久仁枝議員が本府と京都市の観光分野での府市統合の可能性を質問したところであります。これに対し、知事より「世界的な観光都市である京都市と連携することで観光地としての京都の魅力がさらに増すもの」との考えを示された上、「京都府全域を対象エリアとして情報発信やプロモーションを実施している京都府観光連盟の機能を高めることが不可欠である」と、前向きな御答弁をいただいているところであり、その観光施策の実現に向けた取組として、DMOの統合や、「先駆的DMO」を目指されることは非常に有効であると考えます。
 どうぞ御答弁お願いいたします。

◯知事(西脇隆俊君)

◯知事(西脇隆俊君) DMOの組織体制の見直しについてでございます。
 京都府では、平成28年度に観光を入り口とした地域主導による持続可能な地域づくりを目指し、市町村などとともに、海の京都・森の京都・お茶の京都の3つのDMOを設立いたしました。その後、4年以上にわたる活動の中で、これまでの役割にとどまらず、観光以外の産業への経済効果の波及や移住・定住促進、関係人口の拡大を図るため、令和3年度には3つのDMOが「まちづくり支援法人」へと進化し、二次交通対策としての周遊バスの運行や移住希望者向けインターンシップなどの取組を進めておられます。
 一方で、観光庁が令和5年度に全国のDMOを対象に実施した調査では、8割のDMOが組織運営の中核を担う人材の確保と育成を課題に挙げており、私としても、京都の3つのDMOにも共通する課題ではないかと考えております。
 そうした課題認識の下、3つのDMOの人員体制においては、設立当初の平成29年度には延べ9名だったプロパー職員を現在は15名に、職員数全体としても24名から51名に増員し、組織体制が強化されたところでございます。加えまして、職員それぞれの強みを生かして、プロパー職員による地域ネットワークを生かした地元事業者との体験商品の造成、民間出向職員による旅行企画や販売など民間の知恵を生かした「もうひとつの京都」のブランド発信、行政出向職員による市町村主体事業との連携・協働など、まさに英知を結集して運営に当たっていただいていると考えております。
 さらに、京都府におきまして、外部専門人材の設置を支援し、旅行者の属性や移動、購買などの行動データを専門的な知見に基づき分析し、地域への誘客を促す仕組みづくりにつなげるなど、DMOの機能強化を図ってきたところであり、引き続き、変化する社会情勢にも柔軟に対応できる「まちづくり支援法人」としての活動を支えてまいりたいと考えております。
 次に、「地域づくり京ファンド」の運営状況と課題についてでございます。
 京都府では、古民家や空き公共施設等のリノベーション活用など、持続可能な地域づくりの推進のため、3つのDMOや府内金融機関等が連携し、令和3年3月に「地域づくり京ファンド」を創設したところでございます。この間、金融機関が有するノウハウやネットワークを生かし、ファンドを通じて地域活性化に資する5事業へ投資を行ってまいりました。
 その主なものとして、和束町の古民家を改修された一棟貸し宿泊施設では、インバウンドを中心に集客が好調であり、与謝野駅前に整備されたクラフトビールの製造工場では、府内外から移住してきた若者の雇用や、開業した店舗に若者が集うことで駅前ににぎわいが生まれるなど、ファンドによる成果が目に見える形で徐々に現れてきたと評価しているところでございます。
 このファンドの制度設計は、令和3年度から7年度までの5年間を目途に総額2億円の投資を実行することとしており、毎年の決算において収益が生じた場合は、出資者への配当を検討することとされております。投資の実行は順次進められているところでございますが、現時点におきましては、制度設計時の投資総額まで到達していないため、投資済みの案件から得られる利子収入がファンドの運営費をまだ上回っておらず、利益が発生していない状況がございます。
 京都府といたしましては、3つのDMOや金融機関と連携し、引き続き案件の掘り起こしに取り組みますとともに、投資案件の成立に向けまして、事業計画の磨き上げが図られるよう、伴走支援してまいりたいと考えております。
 次に、地域連携DMOの統合についてでございます。
 3つのDMOは、海・森・お茶という地域の特性を生かした統一テーマの下、地域の関係者と密に連携・協働しながら、地域の稼ぐ力の向上を目指し、点在する地域資源の活用など、個別課題の解決に取り組んでいるところでございます。例えば、海の京都DMOにおいて、ふるさと納税の共通返礼品「海の京都コイン」の創設、森の京都DMOにおいて御城印巡りなど地域の未利用資源を活用した新たな観光コンテンツの開発、お茶の京都DMOにおいて、茶園見学からお茶の飲み比べなどをセットにした高付加価値なインバウンド向けツアーの造成など、それぞれの地域課題を踏まえた取組が着実に進められております。
 他方、京都府観光連盟は、府全域を管轄する組織として、京都府全体の魅力を発信するという視点から、広く国内外へプロモーションを展開する役割を担っております。加えまして、令和5年度に、地域連携DMOに登録されたことを契機として、人材育成やDXの活用など、地域に共通する観光課題に対しまして、例えば「京都観光おもてなし人材育成セミナー」を開催するなど、各地域における観光地域づくりに必要な基盤強化を進めているところでございます。
 また、令和5年3月に「先駆的DMO」に認定された京都市観光協会との連携につきましては、協働での広報活動に加え、新たに本年4月より相互人事交流をスタートいたしました。現在、京都市観光協会から教育体験旅行のノウハウを有する職員を、京都府観光連盟から広域観光のノウハウを有する職員を相互に派遣し、それぞれの強みを共有しながら府市一体となった観光施策の実施に向け、一層の連携強化を図っているところでございます。
 京都府といたしましては、組織の統合を図るのではなく、各地域の個性や魅力を生かすために、それぞれのDMOが独立して事業展開することのメリットを重視しつつ、より広域的な機能を持つ京都府観光連盟や「先駆的DMO」である京都市観光協会との連携・協力をさらに強化することにより、持続可能な地域づくりにつなげてまいりたいと考えております。

◯西山龍夫君

◯西山龍夫君 知事、御答弁ありがとうございます。
 京都市観光協会と人事交流をされているということで、非常に進んだ考えでありますし、大いに評価できるところでございます。
 DMOの組織体制でありますが、私は、DMOの業務に一番必要なのは、経験と人脈であると考えております。大いに職員体制を増やされているということでありますけれども、やはり私は出向職員を受け入れるなというわけじゃないんですけれども、出向職員の方は短い期間で人事ローテーションで戻っていかれるというところもありますので、私は積極的に専門人材を、知識、スキルを身につけていただくために、各部署に配置していただきたいと、このように考えています。その専門職員もプロパー職員で採用していただきたいと考えております。
 これで、今まではDMOに職員を出向していただいていましたけれども、これからはDMOが旅行社や交通事業社に出向するようになる、そんな形で人事交流を深めていただいて、お互いのノウハウを突き詰めていただいたらと思います。
 株式の取得に当たっては、ちょっとかなり無理があった部分もあるかもしれませんけれども、ぜひ取れない部分については府民に還元していただけるように対応をお願いいたします。
 DMOの統合についても、今、なかなか難しいということでありますけれども、スケールメリットも考えて、ぜひ今後御検討いただきたいと思います。
 それでは、最後の質問に移らせていただきます。随意契約におけるプロポーザル方式について問い合わせをさせていただきます。
 国・地方公共団体、外郭団体が締結する契約は、価格競争による一般競争入札が基本とされています。入札とは、物品購入や工事を行う際に、民間企業に事業を委託、発注する仕組みで、官公庁入札とも呼ばれています。入札の競争方法には、幾つかの種類があり、大きく、一般競争入札、指名競争入札の2種類に分類されています。一方、任意に受注者を選んで発住する場合は、随意契約と呼ばれ、企画提案型のプロポーザル方式、コンペ方式も、地方自治法第234条に規定される随意契約とされています。
 一般的に随意契約は、売買、貸借、請負その他の契約で、予定価格が契約の種類に応じて定められた額の範囲内であるときは、随意契約をすることができるとされています。つまり、金額の少額な契約や価格の妥当性が判断できる案件についてまで競争入札で行うことは、事務量が増大し、能率的な行政運営を阻害することから、契約の種類に応じた一定の金額以内のものについては随意契約にすることができると解釈をされています。これに加えて、企画競争や技術提案などを募集して総合的に評価を行う入札も、法律上は随意契約とされています。
 このような入札は、プロポーザル方式とコンペ方式に分類され、プロポーザル方式では、価格だけでなく、複数の事業者から事業目的に沿った企画や技術提案の提出を受け、提案内容を審査し、企画内容や業務遂行能力が最も優れた者を契約の候補者として選定することが特徴であります。
 一方コンペ方式は、同じく複数の事業者から事業目的に沿った企画や技術提案の提出を受けますが、こちらは最も優れた企画提案そのものを選定し、その応募者を契約相手に選定する方式であります。
 どちらも似た方式ではありますが、端的に言うと、プロポーザル方式は提案者を選び、コンペ方式は提案を選ぶことになります。
 近年、専門的な技術や経験、創造性等を必要とする業務については、プロポーザル方式を採用するケースが増え、本府においても年間170件を超える案件で実施をされています。
 ここで私が思慮する課題を何点か申し上げます。
 そもそもプロポーザル方式は、民間の高度な知識、専門的な技術や創造性、構想力を発揮して業務が実施されることを期待して導入されていますが、同時に、選考に当たっての行政側の裁量が非常に大きいため、複数の外部有識者の意見を聴取されるのが一般的であります。
 本府においても、企画提案書などの評価の専門性、公平性、透明性を担保するため、主に行政内の審査において運用委員会や選定会議を設置するほか、外部有識者に意見を聴取しながら、選定に反映をされています。
 しかしながら、公表されている外部有識者は、業界団体や各種法人、大学教授や関係自治体などに勤務されている方が主に選出されており、この分野での外部有識者は、業務ごとの、いわゆる充て職としての硬直化が見受けられると懸念されます。私はこの硬直化した選定を見直すとともに、新たな知見と感覚を持った民間の外部有識者を増やすことが、透明性の確保に向けて極めて重要であると考えます。
 2つ目の課題として、本府が公表している、公募型プロポーザル方式による業者選定の評価及び候補者選定結果から抽出確認すると、参加者が一者のケースが多く見受けられます。本府のプロポーザルの選考基準は、企画と価格をそれぞれの評価基準で判定し、総合的に評価する方式により、交渉の優先順位が決定されます。しかしながら、参加者一者の選考において、条件が折り合わない場合においては、再度募集をかけることになり、施策の早期執行に支障が生じる懸念があります。このことは容易に単独随意契約に導かれ、委託上限額に近い契約額や、受託事業者主導による事業内容につながるおそれがあると考えます。
 3つ目の課題として、継続性のある業務をプロポーザル方式で発注しているケースであります。これでは業務が固定化され、プロポーザル方式を採用する根拠に乏しいと考えます。このようなケースでは、過去の取引実績を分析し、一般競争入札を採用するほうが効率的な場合もあると考えます。
 4つ目の課題として、委託上限額の積算根拠についてであります。プロポーザル方式による委託上限額は、事務マニュアルにより参考見積りを取るなどして算出されますが、参考見積りは契約を前提としない見積りであることから見積り額が上振れしやすく、よって委託上限額も高くなりやすいのではないかと懸念されます。この委託上限額の算出根拠の透明性の確保が重要であると考えます。
 ここでお聞かせ願います。
 これらの課題は一例に過ぎませんが、実務を通して課題は検証していかなければなりません。このため、プロポーザル方式の検証、評価については極めて重要であると考えます。
 本府では平成28年に公募型プロポーザルの事務マニュアルを制定し、運用されています。プロポーザル方式は、本府において、運用の歴史は浅く、課題点が積み上がっていないと考えます。プロポーザル方式の優位性も鑑み、一層の制度活用を図るためには、これまでの実績を基に、公正性、効率性及び有効性などの運用状況を総合的に検証し、その評価を公表する必要があると考えますが、いかがでしょうか。
 以上、御答弁をお願いいたしまして、私の代表質問を終わらせていただきます。
 御清聴、誠にありがとうございました。(拍手)

◯知事(西脇隆俊君)

◯知事(西脇隆俊君) 公募型プロポーザル方式についてでございます。公募型プロポーザル方式は、高度な知識、専門的な技術や創造性、構想力などが要求される業務について、公募により事業者から企画・技術等の提案を受け、意欲や実績、能力等を総合的に評価し、地方公共団体が調達する業務の目的に最も適した事業者を選定する方式でございます。
 京都府におきましても、競争入札に適しない業務であって、価格だけではなく、企画力、技術力、遂行能力等も踏まえて契約の相手方を選定する必要があるものを対象として、公募型プロポーザル方式による事業の選定を行っており、令和5年度においては公募型プロポーザル方式によって、173件の契約を行ったところでございます。公募型プロポーザル方式は、民間事業者の専門的、技術的なノウハウを取り入れることができるといった面ですぐれた手法である一方、地方公共団体の契約の原則である一般競争入札ではなく、随意契約に該当する手法であるため、様々な角度から恣意性を排除し、段階的にチェックが入る仕組みを構築し、透明性、公平性を確保しているところでございます。
 具体的には、まず、公募型プロポーザル方式を採用するかどうかにつきまして、庁内の入札関係課で構成される公募型プロポーザル運用委員会におきまして、個々の案件ごとに公募型プロポーザル方式を採用することの妥当性や参加資格要件、評価方針などについて審議し、その採否を決定することとしております。
 また、この運用委員会では、委託上限額につきましても、府内、近隣府県の事例や過去の実績を基にした単価・数量の積み上げ、複数の事業者からの参考見積りの徴取などにより、市場価格に基づいて適正な積算が行われているか、多角的な視点で精査しております。
 次に、公募型プロポーザル方式の採用が決定した業務につきましては、業務を発注する部局内に設置する公募型プロポーザル方式選定会議において、募集要領や企画提案仕様書が政策目的に合致した良好な提案を求めることができる内容になっているかどうかをチェックした上で募集を行っております。事業者の選定に当たりましては、企画提案書等の評価の専門性・公平性・透明性を確保するため、案件ごとに評価基準を定めた上で、外部有識者に評価者として参加いただき、事業者によるプレゼンテーションや事業者からのヒアリングを実施しております。その上で、外部有識者からの評価や意見を聴取し、選定会議において候補者の選定を行うという手順を踏むこととしております。
 なお、外部有識者につきましては、人数を限定することなく、公募する業務の内容に応じて、多角的な視点から効果的な意見を聴取することができる専門家などを案件ごとに柔軟に選定しているところでございます。
 こうした一連の事業者選定プロセスに併せて、契約締結後においても、公募型プロポーザル方式の公正性・効率性及び有効性などについて、不断の検証・評価を行っているところでございます。
 具体的には、継続性のある業務で一者参加が続いている業務については、公募型プロポーザル運用委員会において、一者参加となった原因や改善策の検証を行い、次回の募集に向けて、複数の事業者の参加を促すため、業務の統合・分割や業務内容の見直しを行っております。
 なお、これまでに議員から御懸念のあったような、応募した事業者と要件が折り合わず再度募集となった事例はなく、業務が固定化され、事業者からの提案を受ける必要がなくなったと判断した業務につきまして、一般競争入札へ移行しているところでございます。
 さらに、入札契約の内容や過程の透明性を確保するために設置され、外部有識者で構成されている入札監視委員会におきまして、公募型プロポーザル方式の全体的な運用状況に加え、抽出された個別案件の経過などにつきましても、検証・評価をしていただいております。
 同委員会の議事録については、京都府のホームページで公表いたしますとともに、委員会でいただいた意見を基に、必要に応じて、公募型プロポーザル方式の事務マニュアルの見直しを行っており、その内容についても公表しているところでございます。
 今後とも、契約に当たっての公正性や透明性の確保を前提としつつ、民間事業者の専門的なノウハウを取り入れながら、効果的・効率的な府政運営を行っていくために、公平・公正な公募型プロポーザル方式の運営に努めてまいりたいと考えております。