2025.2.19
令和6年12月定例会 一般質問 田中 志歩
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1 産後ケア事業を継続させるための抜本的支援について
2 産後ケアの業務効率化と迅速な提供について
3 産後ケア施設での緊急時対応体制の整備について
4 その他
議事録全文
◯田中志歩君
◯田中志歩君 国民民主党・日本維新の会京都府議会議員団の田中志歩でございます。
質問に入ります前に、議長のお許しをいただき、一言御挨拶申し上げます。
本年5月に第二子を無事出産いたしました。妊娠中から出産後にかけて、議会の皆様方には多大なる御配慮と御理解をいただき心より感謝を申し上げます。また、2か月間の育児休暇をいただいた間も、温かい励ましのお言葉やお気遣いを賜り、改めて皆様の御厚情の深さに感謝をしております。
育休期間中、子どもと向き合う時間を通じて子育て支援や家庭を取り巻く政策について、改めて深く考える機会をいただきました。この経験を生かし、府民の皆様が安心して妊娠・出産・子育てをできる環境を整えるため、一層努力してまいりたいと考えております。
今後も府政のさらなる充実のため、皆様とともに歩みを進めてまいりますので、引き続き御指導、御鞭撻のほど賜りますようにお願いを申し上げます。
それでは、質問に入らせていただきます。西脇知事をはじめ、関係理事者の皆様方におかれましては温かい御答弁をよろしくお願いいたします。
今回、私は産後ケア事業の持続可能性を守るための抜本的支援について取り上げさせていただきます。
産後ケア事業は、出産後のお母さんの心身のケアや乳児への適切なサポートを提供するものであり、地域社会において極めて重要な取組である一方、現状では産後ケアに係る経営が課題であり、事業の継続が危ぶまれています。
市町村が主体となって運営されていることは承知しておりますが、京都府として市町村を越えた調整や支援の役割を果たすことが求められており、妊娠・出産・子育てをされる全ての方を笑顔にするという強い思いで今回質問をさせていただきます。
産後ケア事業とは、助産師、保健師または看護師等が出産後1年以内のお母さんと乳児を対象に保健指導、授乳指導、療養支援、心理的ケアやカウンセリング、育児サポートなどを提供するものです。この事業を利用するには3つの方法があり、医療機関や助産所に数日間宿泊をして必要なケアを受ける短期入所型、日中に施設を訪問してケアを受ける通所型、助産師等が利用者の自宅を訪問しケアを提供する居宅訪問型があります。
現在、京都府内の26市町村で、これらのいずれかの方法を用いた産後ケア事業が実施をされています。利用者の声を聞くと、産後ケアを必要とする理由は多岐にわたります。
例えば、出産病院を退院した後も、赤ちゃんの抱っこの仕方や、おむつ替え、授乳の方法に不安がある方がいらっしゃいます。また、乳腺トラブルに悩むお母さんも少なくありません。特に真面目で子どもを大切に思うあまり3時間ごとにアラームを設定して授乳を行うなど、知らず知らずのうちに自分を追い詰めてしまうケースも見受けられます。加えて、核家族化が進む中で、疲労や不安を抱えながらも周囲に頼る人のいない方も増えている状況です。
こうした現状を踏まえると、産後ケア事業は、お母さんと赤ちゃんを支えるために欠かせない取組でございます。実際に利用された方々からは、産後ケアサービスのさらなる充実と拡大を望む声が寄せられており、この声を真摯に受け止める必要があります。
一方で、産後ケア事業を提供する管理者の方々からは、現場の厳しい実情を伺いました。この事業は市町村からの委託により運営をされ、サービスの提供に対して委託料が支払われていますが、その金額には市町村ごとに大きな差があります。ごく一部の地域では1泊6万円が支払われていますが、それ以外の地域では2万7,778円から4万7,000円程度となっています。特に小規模事業の助産所では、産後ケア事業の経営は赤字となることが多く、これは京都府でも把握されている問題だと思います。
例えば、ある市では、ショートステイ1泊当たり委託料と加算を合わせて4万5,000円となっております。しかし、市からは「部屋代や食事代を利用者から頂かないように」と伝えられ、利用者が安価もしくは無料で利用ができる一方で、その赤字負担をどうするかについては明確な回答が得られないという状況もあります。
利用者から食事代や部屋代を徴収できないため、実際の経費との差額を産後ケア施設側が負担をせざるを得ない状況にあり、1泊当たり約6万5,000円以上の経費がかかる中、毎日2万円以上の赤字が発生しています。さらに、最長7泊の利用をされる場合、施設側の負担がさらに増大します。また、平日と土日祝日の料金差や、直前キャンセル料の請求も行わない中で、産後ケア施設の経営者にも家族があることを考えると、現在の仕組みでは継続が危ぶまれます。
多くの産後ケア施設では、産後ケアの赤字を外来や訪問型支援といった黒字部門で補填をされていますが、赤字にもかかわらず必要な支援と信じて事業を続ける助産師さんの献身には頭が下がります。
現在、市町村では、産後ケア事業の委託料について実績が少ないことを理由に予算増額が進まない状況が見受けられます。しかし、赤字経営が続く中で実績を上げることは非常に困難です。その結果、支援が必要な産後のお母さんを受け止める受皿が広がらず、利用率が上がらないという悪循環が生じています。この状況は早急に改善しなければなりません。
ある産後ケア施設の管理者から伺った話です。この助産師の方は、以前総合病院に勤務されていましたが、大病院では産後のお母さんに十分に寄り添ったサポートを提供することが難しいと感じ助産院を開設されました。しかし、産後ケアを通じて赤字額が100万円以上に膨らみ、やむなく1年間、産後ケア事業の休業を余儀なくされました。
休業期間中も「産後ケアを利用できないのですか」と直接問い合わせるお母さん方が後を絶たなかったそうです。当時は「個別で1人だけを受け入れることはできなくて、ごめんなさい」と苦渋の思いでお断りをしたと語られていました。
しかし、やはり「困っているお母さんを見過ごすことはできない」という信念の下、産後ケアを再開されました。休業中も、委託料の問題は解決されませんでしたが、再開の決意を市の担当者に伝えたところ、すぐに予約が埋まり、「休業中も多くのお母さんが産後ケアを必要としていたことを改めて実感した」と話されていました。
このような状況を踏まえれば、産後ケアを仕事として持続可能な仕組みにしなければ、いくら助けたいという気持ちがあっても事業の継続には限界があります。また、産後ケアに訪れるお母さんたちは、既に身体的にも精神的にも疲弊しており、きめ細やかな支援が求められます。この事業は決して片手間でできるものではなく、母子の安全と支援の質を保つためには十分な財政的支援が必要です。産後のお母さんたちを支える体制を強化するため、抜本的な支援策の検討が必要と考えます。
また、現在の制度では、「利用者は非常に困っている」もしくは「経済的余裕がある」世帯に限られる傾向があります。現在の京都府内の状況を見ると、子育て中のお母さんも事業所もどちらもが疲弊しており、この構造を放置することは結果的に子育て世代全体を支えるはずの制度の機能を損なうことになります。
市町村が実績を理由に予算を増額しないこの堂々巡りを打破し、産後ケア施設が赤字経営を耐え続ける構造を抜本的に改善するため、府として産後ケア施設への積極的な支援に取り組むべきと考えます。
現場の声で最も求められているのは財政的な支援です。しかし、仮に直接的な財政支援が難しい場合でも、施設運営に必要な場所の提供等を検討する必要があると考えます。例えば、空いている府有施設や府営住宅の空き室を助産師へ貸し出すことや、商店街の空き店舗を活用する取組は比較的低コストで現場を支援できる手法です。まずは府として、こうした各市町村による委託料の格差や赤字状況について現状を把握し、改善に向けた対応を進める必要があります。
これに向け、産後ケア施設に対するヒアリングや現場の声を吸い上げる仕組みを京都府として構築していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
また、現在も国に対して要望を行っていただいていると聞いておりますが、継続的な産後ケア事業の充実を図るため、国に対しても財政措置を求めていくことを強く要望いたします。
まずは、ここまでの御答弁をよろしくお願いいたします。
◯知事(西脇隆俊君)
◯知事(西脇隆俊君) 田中志歩議員の御質問にお答えいたします。
産後ケア事業についてでございます。
産後ケア事業は、産後1年未満の母子に対して心身のケアや育児のサポートなど、きめ細かな支援を実施する事業でございます。出産後の女性はホルモンバランスが変化しやすいことに加えまして、核家族化の進行などにより周囲に相談できる人がおられないケースもあり、育児不安や悩みを抱えやすいことから、心身の不調が起こりやすい状況にございます。
このため、助産師等の専門職による保健指導や授乳指導、心理的なケアを受けることで身体的な回復と心理的な安定を図ることのできる産後ケアは、産後鬱や虐待の未然防止にもつながるものであり、多くの方に活用していただきたいと考えております。
産後ケア事業は、医療機関や助産所などの施設に数日間入所する短期入所型、それらの施設に通所してケアを受ける通所型、さらに助産師等が自宅を訪問しケアを受ける居宅訪問型の3つの形態があり、市町村が施設に委託することで事業を実施しております。
産後ケア事業の実施に当たりましては、実施主体であります市町村が助産師や産後ケア施設の抱える課題と地域のニーズなどを把握することが重要となります。
京都府といたしましては、広域的な観点から市町村をサポートすることとし、あらゆる機会を通じまして産後ケアの現場が感じている課題やニーズを把握し、市町村とも共有することで、さらなる取組の充実に努めてきたところでございます。
令和3年度には、産後ケアの利用促進を図るため京都府助産師会と連携しホテル・旅館を活用した産後ケア事業の受皿整備や事業実施マニュアルを策定しており、また利用者の自己負担額軽減のための助成制度につきましても国の制度創設に先駆けて行ってまいりました。
このような取組と併せまして、産後ケア事業の重要性を市町村に働きかけてきた結果、令和5年6月からは、府内の全市町村が短期入所型、通所型、居宅訪問型、いずれかの産後ケア事業を地域の実情に応じて実施することにつながったところでございます。
今後とも、「子育て環境日本一・京都」の実現に向けまして、市町村や関係団体等と連携をし、全ての妊産婦や子育て家庭が安心して妊娠・出産・子育てができる環境づくりに取り組んでまいりたいと考えております。
◯田中志歩君
◯田中志歩君 御答弁ありがとうございました。
ただいま知事のほうから、あらゆる機会を通じまして助産所施設であったり、現場の方々からの御意見を聞いていただいているというふうにございました。ただ、やっぱり府のほうが把握されている状況と、私が産後ケアに関わる方々からお伺いしてきたニーズというのも少し差があるように現在は感じております。
また、府内全市町村で産後ケアを実施していただいているということではございますが、3つの利用方法のうちいずれかの1つだけを実施している。これが意味するところの実情としましては、宿泊をすることができない地域もある。ただ、助産師さんが家の中に来てくれて、ケアをしてくださるという通所型はあるということでもございます。地域によっての内情を加味した上でのその土地土地に合ったサービスの形ではある一方で、宿泊がしたいというニーズがあっても、その地域では宿泊ができないといったこともございますので、どれか一つだけを行っているから、それでオーケーかというところも考えていただくきっかけになればなというふうに思います。
本当にお母さんたちに望まれている産後ケアの形というのを、もう一度議論をしていきたいと思っております。
次に、利用者と産後ケア施設双方へのメリットを目指した産後ケアの迅速な提供と業務効率化についてお伺いをします。
産後ケアの利用を希望するお母さんたちが、必要な支援を迅速に受けられる仕組みの構築は非常に重要な課題ですが、現在、産後ケアの申込みから利用開始までの期間についても課題があります。例えば、ある市町村では利用申請をしてから利用できるまでに2週間を要するとされています。また、別の市町村では約5日かかる場合があるようです。このように利用希望者が相談をしてから、正式な決定がされるまでに時間を要すると支援開始が遅れるケースも生じると考えられます。お母さんがしんどいと感じてから2週間も待たされることは非常に負担が大きく、早急な改善が必要です。
厚生労働省の全国調査によると、2021年度には10人に1人の母親に産後鬱の疑いがあることが分かっています。また、妊産婦死亡報告事業では、2020年以降、妊産婦の死亡理由として自殺が毎年最多となっています。さらに、令和5年度の自殺対策白書を受けた日本産婦人科医会の提言でも、妊産婦の自殺の実態が初めて明らかにされるなど、その深刻さと対策の重要性が示されています。
調査によると、妊産婦の自殺者のうち精神科最終受診から自殺までの日数が一番多いのは1週間以内であり、その半数はわずか2日以内に自殺を選択しています。既存の制度では、ハイリスク妊婦の方は市町村が関与しているものの、産後鬱はもともと精神科の既往歴がなくても発症する状況にあります。
こうした状況を踏まえ、困ったと思ったときや、疲労がピークに達しているときに、すぐに支援を受けられるよう制度の見直しが不可欠です。迅速に支援につながる仕組みを整えることで多くの命が救われる可能性があります。
京都市では、市を介さず直接助産所へ予約が可能な仕組みを採用しており、これによって利用までの期間が短縮されるとともに、市窓口の負担軽減にもつながっています。このような事例を参考にしつつ、各市町の特性に応じた仕組みを丁寧にヒアリングし、利用開始までの期間短縮や業務効率化に向けた具体策について、府として最大限のサポートを行う必要があると考えます。加えて、出産前から産後ケアの制度を周知し、退院後すぐに利用できる環境を整えることが求められます。
京都府として、産後ケアを支える仕組みを一層強化するため、こちらも継続的に御支援をお願いします。
併せて、産後ケア施設の業務負担軽減の視点も必要です。現在、市町村ごとに利用申込書類や産後ケア施設から市町村への報告書のフォーマットが異なるため、市町村を越えて母子を受け入れてくださっている施設側の業務負担が増加している状況です。京都府として広域行政の立場から、これらのフォーマットを統一することで業務の効率化と現場の負担軽減につながる可能性がありますが、いかがでしょうか。京都府としての支援について、お考えをお聞かせください。
最後に、産後ケア施設での緊急時対応体制の整備に向けた支援策についてお伺いします。
さきに述べたように、事業運営が厳しいことに加えて、緊急事態が発生した際の対応が困難な状況も見受けられます。特に小規模な産後ケア施設では、管理者が必要に応じて複数の助産師を雇用されています。しかし、経営が厳しくなると管理者が助産師としての役割も兼務し、一人でサービスを提供せざるを得ない状況が生じます。このような場合、緊急事態が発生した際に適切に対応することが困難になります。
例えば、母体の急変や子どもの誤飲、離乳食によるアレルギー反応や、ぜんそく対応などが挙げられます。現場の管理者が一人で全てを対応しなければならない場合、ほかの利用者へのケアが後回しになってしまう可能性があるのです。
2022年には、横浜市で産後ケア事業を委託されていた助産院で、生後2か月の乳児が死亡するという悲しい事故が発生しました。助産師が母親と赤ちゃんを一人で対応していた際、ミルクを飲ませた後、30分間目を離した隙に窒息死してしまいました。この事故は一例にすぎませんが、産後ケアの運営が困難な状況では、無呼吸を検知するセンサーマットの導入や、必要な人員の確保も難しい現実があります。
このような事故を未然に防ぐために、緊急時に対応できる体制を整えるための支援についてお考えをお聞かせください。よろしくお願いいたします。
◯健康福祉部長(井原正裕君)
◯健康福祉部長(井原正裕君) 産後ケアの迅速な提供と業務効率化についてでございます。
産後ケアをはじめとする産前・産後の妊産婦や乳児に対する支援を目的とした事業は、市町村が実施主体の事業であり、各市町村において妊産婦や乳幼児に対する健診や産前・産後サポート事業、産後ケア事業など、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援を行っているところでございます。
しかし、市町村単独では必要な施設や人材などの資源が不足し、事業実施が難しい場合もあることから、京都府といたしましては、府内のどの地域においても安心して妊娠・出産できる環境を整備する観点から、市町村をサポートする役割を担っていくことが重要であると考えております。
妊産婦や乳幼児に対する健診につきましては、市町村が、妊娠中や産後1か月までの産婦に対する健診、1か月児の乳幼児健診などを実施しており、健診費用については公費で負担されているところでございます。
京都府におきましては、健診費用について京都府医師会などと調整を行い、府内統一の単価を決定するとともに、各市町村分を取りまとめた集合契約を行うことにより市町村の事務負担の軽減を図っているところでございます。
また、市町村が実施する産前・産後サポート事業は、子育て経験者やシニア世代の方などが妊産婦の孤立を防ぐことを目的として妊産婦の家庭を訪問し、育児支援や家事支援、外出同行支援などを行い、一人一人に寄り添ったサポートを行うものでございます。
京都府におきましては、これらのサポートの担い手である「産前・産後訪問支援員」を独自に養成し、市町村の事業を支援しているところでございます。
産後ケア事業の実施につきましては、令和元年の母子保健法改正により市町村の努力義務とされたところでありますが、先ほど知事から答弁させていただきましたとおり、京都府が産後ケア事業の重要性について市町村に働きかけた結果、令和5年6月から全ての市町村において事業が実施されております。
また、従前は市町村が面談などにより必要性を認めた方のみが産後ケア事業を利用できる制度となっておりましたが、令和5年度からは希望する全ての方が利用できるよう利用の要件が拡大されており、今後、利用者は増加するものと考えられます。
しかしながら、国の調査によりますと、全国の市町村の約6割が産後ケア事業における課題として、産後ケア施設の確保を挙げております。市町村単独では、必要な資源が不足する場合もあることから、京都府におきましては、令和3年度に京都府助産師会と連携し市町村圏域を越えて広域的に利用できるよう、ホテル・旅館を活用した産後ケア事業の受皿整備に取り組んだところでございます。
その結果、府内全体で12か所のホテル・旅館に協力いただき、産後ケア施設を確保するとともに、広域利用の事務フローを定めた事業実施マニュアルを作成し、市町村と共有したところでございます。これにより受皿が不足していた市町村が新たに産後ケア事業を開始したり、独自に地域の宿泊施設などを活用するなど、出産後の母親が産後ケアにアクセスしやすい環境づくりが進んでいるところでございます。
議員御指摘の事務負担の軽減につきましては、令和6年10月に改定された国の「産後ケア事業ガイドライン」におきまして、報告様式の統一や広域連携に向けた調整、情報提供などの取組が都道府県に期待される役割として示されているところでございます。
今後、京都府におきましても、国のガイドラインを踏まえた市町村と産後ケア施設の事務負担の軽減を図る取組や、利用希望者が迅速に産後ケアを受けるための取組を実施することとしております。
まず、事務負担軽減を図る取組といたしまして、複数の市町村と産後ケア施設の集合契約や、産後ケア実施後に市町村に提出する報告様式の統一について、市町村の意見をお聞きしながら検討することとしております。
産後ケアの利用希望者が迅速にサービスを受けるための取組につきましては、今後、市町村担当者会議などで利用申込みの手続や決定までの事務フローなど、事例を共有するなど市町村の事業を支援することとしております。
また、特に若年者の妊娠などハイリスク妊産婦に対しましては、市町村による産後ケア以外の支援も必要であることから、丁寧な状況把握を求められるところであり、迅速な産後ケア利用と両立して進められるよう市町村と意見交換を行ってまいります。
次に、産後ケア施設での事故を未然に防ぐための取組についてでございます。
京都府といたしましては、府内のどの地域においても安心して妊娠・出産できる環境づくりに取り組んでいるところでございます。産後ケアにつきましても、安全な環境の下で利用者が安心してケアを受けることができるよう、市町村における体制づくりを支援するとともに、ケアの質の向上を図っていくことが重要であると考えております。
安心・安全な産後ケアの提供に当たっては、乳児の窒息などの事故が発生しないよう十分な配慮が必要であり、市町村においては産後ケア施設が収集するヒヤリ・ハット事例と、必要な対策を反映したマニュアルを策定し共有を図るなどの体制づくりが求められているところでございます。
このため京都府におきましては、市町村に対し日本小児突然死予防医学会の「産後ケア施設における乳幼児安全対応マニュアル」や、日本赤十字社の事故発生時の手当ての手順フローを示すなどの助言を行い、マニュアル策定を支援しているところでございます。
また、産後ケアの質の向上に関しましては、平成30年度から助産師会と連携し産後ケア事業に従事する方を対象とした研修会を実施しており、コロナ禍による中断を経て今年度再開をすることとしております。
この研修会におきましては、事故防止や施設のリスクマネジメントなど、安全面に関する講習も行っており、市町村における産後ケア事業の質の向上に向けた支援に取り組んでいるところでございます。
今後とも、様々な機会を捉えて、安全で質の高いケアの提供により、産前・産後の女性が安心して支援を受けられる環境づくりに取り組んでまいりたいと考えております。
◯田中志歩君
◯田中志歩君 御答弁ありがとうございました。
先ほど知事の御答弁の中にもあったように、産後ケアのお母さんたちの受皿に関しては、ホテルや旅館の確保で市町村を越えた広域的な支援を行っているということで御答弁がございましたが、一方、かねてよりの本会議場での議論となっておりますようにホテル等々の利用の金額が高額でなかなか利用が進まないということも背景にございますので、そこら辺の御支援についても引き続き御検討をお願いしたいと思います。
また、申込書類等のフォーマットの統一につきましては、市町村からの意見をしっかりと聞いていただくというふうにお答えをいただきましてありがとうございます。市町村がより具体的に聞きたい部分がそれぞれあり、特性に応じたフォーマットを作成できるのは市町村の最大の長所だと思っております。一方で、やはり市町村によっての産後ケアの利用内容に大きな差があるということも課題でございます。産後ケアの利用が可能な回数も市町村によって違う。利用料金も違う。デイケアの場合であれば、滞在ができる時間というのも、15時までなのか、それとも夜御飯をお出しして18時まで滞在ができるのか、そういったこと全てが市町村によって差がある中で、利用者を受け入れてくださる事業者というのを、まずこのお母さんはどんなケアをさせていただくことができるのかということを調べるところから始まります。その上でフォーマットも違うというところで非常に負担になっているということを現在、現場の声としてお伝えをさせていただきました。
業務の負担軽減と利用期間の短縮に向けた御支援を引き続きよろしくお願いをいたします。
そして、最後に緊急時の体制整備につきまして、ヒヤリ・ハットマニュアル等々や研修会を開催していただいているということですが、やはり抜本的にマンパワーが足りない場合、一人で対応ができないという状況は必ず起こるものだと考えますので、本府におかれましても、そういった支援と併せまして、産後ケアに必要な財政支援と持続可能な道を切り開けるよう最大限の支援を求めて、私の一般質問を終了させていただきたいと思います。
御清聴いただきまして誠にありがとうございました。(拍手)