議会活動

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1 京都府の財政について
2 部活動の地域展開における本府の広域調整機能と情報発信の強化について
3 障害者雇用のあり方と就労継続支援事業所の存続・発展について
4 副首都構想について
5 その他


議事録全文

◯畑本義允君

◯畑本義允君 国民民主党・日本維新の会京都府議会議員団の畑本義允でございます。このたびは、代表質問という貴重な機会をいただきましたことに心から感謝を申し上げます。会派を代表して質問をいたしますので、御答弁をよろしくお願いいたします。
 質問に先立ちまして一言申し上げます。
 昨年末に発生した高病原性鳥インフルエンザへの対応につきましては、感染が確認された後、迅速に対応していただき、本定例会には補正予算の専決処分について承認を求める件が提出されているところですが、年末にもかかわらず、対応に当たっていただいた多くの職員の方々や関係機関、民間事業者の方など、御尽力いただいた皆様に感謝申し上げますとともに、影響を受けた事業者の方々への対応につきましてもよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、質問に入ります。
 初めに、京都府財政について質問いたします。
 まず、本府の財政状況を示す重要な指標の中で最も差し迫った状況にあると言える実質公債費比率について伺います。
 御承知のとおり、京都府財政が悪化している大きな要因の一つである社会保障関係経費は、高齢化の進展や医療技術の高度化に伴い、まさに右肩上がりの一途をたどっています。令和7年度当初予算ベースで、京都府の社会保障関係経費は一般会計総額の16.6%を占めるに至っています。具体的に数字を上げれば、10年前と比較して、その額は約1.35倍にまで膨れ上がっており、毎年度、数十億円規模の自然増となっています。
 地方自治体の予算は、給与などの人件費、公債費、そして社会保障関係経費という義務的経費がその多くを占め、京都府の場合、この義務的経費を含む毎年度経常的に支出される経費の比率、いわゆる経常収支比率は近年90%台という極めて硬直化した水準で維持しており、自由に使える一般財源を投資的経費などに回せる余裕が、事実上、失われております。
 社会保障関係経費が膨らむ一方で、本来であれば一般財源で賄うべき経常的な経費が不足し、その穴埋めとして行政改革推進債などの実質的な赤字補填債に頼らざるを得ない。そして、その借金が数年後の公債費として跳ね返り、実質公債費比率をさらに悪化させ、今に至る状況です。
 令和6年度決算最新の数値では、京都府の実質公債費比率は17.1%となっております。この数字が持つ意味を分かりやすく共有しなければなりません。
 地方公共団体の財政の健全化に関する法律、通称「財政健全化法」では、早期健全化基準は、実質公債費比率の場合、25%と定められています。私は、過去、幾度と財政に関する質問をしてまいりましたが、知事の御認識としては、この25%にはまだ猶予があるとされ、「適切な公債費管理に努めます」と御答弁をいただいていたと記憶をしております。
 しかし、地方財政法第5条の4の規定に目を向けると、同法及び関連省令において、実質公債費比率が18%を超えた自治体は起債許可団体へと転落します。私は、この18%という数字は、単なる一つの指標ではなく、京都府における地方自治の独立性を守るための分水嶺・防波堤であると考えます。
 全国の都道府県平均がおおむね10%前後で推移している中で、京都府の数値は全国でも極めて高い水準にあります。そして、起債許可団体への転落ラインである18%までわずか0.9%という状況にあります。もし起債許可団体となれば、本府は地方債を発行するたびに国の許可を必要とする身となります。これは、予算編成の自由度が著しく制限され、本府が独自に展開してきた先進的な子育て支援・教育・福祉・文化施策に対して国の画一的な基準による介入を招くことを意味し、実務上の壁となり得ます。つまり、実質公債費比率が18%を超えて、起債に際し、国の許可が必要になること自体が京都府の施策の独自性やスピード感を損ない、自治の制約と自治性が失われるリスクにつながると考えます。
 さらに、起債許可団体となった場合のデメリットについては、先般から申し上げている府債の発行に国の許可が必要になることと、公債費負担適正化計画の進捗管理による事務負担の増加はもちろん、この公債費負担適正化計画において実質公債費比率が18%を下回るための具体的な道筋を示す必要があることから、特に行政改革推進債などの交付税措置のない起債については、より計画的に管理することが必要になります。
 私は、この行政改革推進債、いわゆる行革債の京都府の多額の発行についてもこれまで繰り返し質問してまいりました。交付税措置率0%、赤字の先送りとも言え、将来数十年にわたって生まれるであろう行財政改革の見込み成果を前借りして使ってしまうこの行革債を、京都府は全国的に見ても多額である100億円以上の起債を、近年、毎年続けておられます。これが絞られる、制限されるということは、いよいよ投資的インフラ整備も財源不足の先送りもできなくなるということです。
 さらに問題視すべきは、市場の状況によりますが、起債許可団体となった場合、市場公募債における借入金利上昇のおそれがあるということです。
 かつては、北海道などで財政状況が悪化し、起債許可団体となった道府県の市場公募債の借入利率は、他団体と比べて数ベーシスポイント高い状態が続いていました。つまり、市場は起債許可団体となった道府県債を警戒し、売られやすく買われにくい状態となります。結果としては、市場公募債において、今までより不利な高金利で資金調達せざるを得なくなるということです。
 近年の超低金利の状況下においては、東京都債を除いて団体間の差はなくなっています。しかし、昨年来、政策金利が大幅に上昇している中、現時点ではまだかつてのような団体間の差は生じていませんが、このまま金利上昇が続いた場合に市場がどのように反応するのかといえば、当時と同じ状況になることも容易に想像されます。
 そこでお伺いします。
 起債許可団体となること自体についての知事のお考えと、京都府の実質公債費比率について、この起債許可団体となる18%まで0.9%という猶予のない状況について知事のお考えをお聞かせください。
 次に、金利上昇という新たなリスクへの対応について、とりわけマクロ経済の変化が京都府財政に与える影響、金利上昇リスクについて伺います。
 日本銀行が、昨年末、政策金利を0.5%から0.75%へ引き上げるなど、我が国の経済環境は金利のある世界へと完全に移行いたしました。
 本府の債務は基本的に固定金利であるため、直ちに全額の利払いが増えるわけではないと理解いたします。しかし、過去に低金利で借り入れた元本を返済するために発行する、いわゆる借換債については、現在から今後の高い市場金利が適用されていきます。この金利差による利払い費の増大は、ボディーブローのように数年後の京都府財政を圧迫し始めます。
 実質公債費比率は、簡略化して説明をすると、自治体の収入に占める、起債の償還に対する交付税措置分を除いた元利償還金の比率を算定したものです。つまり、金利上昇により利払い費が増加すると、元利償還金が増加し、比率を悪化させる要因となります。実際に実質公債費比率を算定する際には、金利上昇を踏まえた地方交付税の増加などと合わせて算定されるものであり、令和7年度決算以降にどの程度の影響が生じるかは現時点では分かりませんが、日銀の政策金利の上昇がどのようなスピード感で実施されるのか分からないとはいえ、恐らくは京都府の実質公債費比率に影響を与えるであろうということと思います。
 さらに、金利が景気を冷やしも温めもしない中立金利の水準を超えて推移した場合、現在の京都府行財政運営方針で想定している削減額は、金利負担の増加分によって相殺されてしまうことも危惧されます。
 そこで伺います。
 現在の行財政運営方針は、昨今と、さらには今後の金利上昇のスピードと幅を十分に織り込んだものと言えるでしょうか。政策金利は今後さらに上昇し、1%から1.5%ぐらいが妥当とも予想されておりますが、賃上げと物価上昇によって、日本銀行が算出している理論上の中立金利上限とされる2.5%なども含め、金利がさらに上昇した場合、京都府の公債費及び実質公債費比率にどのような定量的影響が出るのか。最新の金利動向を踏まえた、より保守的で実効性のある財政シミュレーションとこれに沿った行財政改革プランを再構築すべきではないかと考えますが、知事の御見解を求めます。
 この質問の最後に、府市協調を加速させる二重行政の解消と、聖域なき行財政改革と成長戦略を一体化した攻めの財政について伺います。
 非常に厳しい京都府財政と先ほど申し上げましたような今後の経済情勢を鑑みれば、限られた行財政資源を最大限有効に活用するためには、さらに踏み込んだ行財政改革が不可欠。そのためには、知事が掲げ進めておられる府市協調をより具体的なコストカットへと進化させるときだと考えます。例えば、類似重複事務の整理。京都市内に所在する府と市の類似機関や、各種相談窓口・センターなど、似通った機能を持つ府市の組織や、さらには外郭団体を統合し、グレードアップさせる、または民営化するといった明確な行政組織としての府市協調によって実効性のある行財政改革へと進化させるときではないでしょうか。
 また、投資的経費についても同様です。公共投資についても、費用対効果と照らし合わせ、これまでの発想を見直すフェーズに京都府財政は突入していると考えます。
 世界的な資材価格の上昇と人手不足による労務費の急騰により、当初計画されていた公共事業の総工費は大幅に膨れ上がっています。これは、計画当初の費用対効果が現在では大幅に悪化している可能性が高いことを示唆しています。今後の財政展望と照らし合わせ、全ての事業を一律に進めるのではなく、人口減少社会において人口流出を防ぎ、都市間競争に打ち勝つためにも、ニーズに照らして必要な事業を厳選する必要があります。
 もちろん、縮小均衡を目指すことだけが政治の役割ではありません。むしろ、この危機的な財政状況にあるからこそ、同時に京都府が持つ知と産業のポテンシャルを最大限に引き出し、税収という形でリターンを最大化させる攻めの財政論も必要です。
 大学のまち、ものづくり企業、スタートアップの土壌があるからこそ、財政健全化とこれらの強みを生かした成長投資をどう両立させるのかが京都の未来を左右するかじ取りとなります。時価総額の高い企業を府内に定着させる、「海の京都」「森の京都」「お茶の京都」といった地域資源を付加価値の高い観光・農林水産業へと転換し、外貨を稼ぐ力を強化する。これらによって法人府民税や地方消費税などの自前の財源を増やすことこそが実質公債費比率を低減させる最も本質的な解決策であるはずです。
 しかし、ここで課題となるのは、投資の原資をどう確保するかです。実質公債費比率が18%に迫る中、新たな借金に頼る投資は難しい。だからこそ、現在実施されている数多くの事業を慣例的に継続するのではなく、その事業が将来的にどれだけの経済波及効果と税収増をもたらすのかというROI(投資利益率)の観点を持つ。大規模プロジェクトや長期間継続している事業も含め、全ての事業において、外部の有識者も交え、その継続の妥当性をゼロベースで検証する。あらゆる経費を聖域とせず、エビデンスに基づいた峻別を行う、まさに令和の事業仕分けにも近い仕組みづくりについても検討する必要があると考えます。そして捻出した財源を京都の競争力を高める戦略分野に集中する。財政健全化と同時並行・一体化した攻めの財政論です。
 そこでお伺いいたします。
 聖域なき行財政改革と成長戦略を一体化した攻めの財政に起債許可団体に転落寸前の今だからこそ取り組むべきと考えますが、知事のお考えをお聞かせください。
 また、知事は、府市トップミーティングの取組を筆頭に、府市が連携した取組を進めてこられておりますが、二重行政の解消をはじめとする行財政改革の一環としての府市協調についても取組をさらに加速させるべきと考えますが、いかがでしょうか。
 まずはここまでの御答弁をよろしくお願いいたします。

◯知事(西脇隆俊君)

◯議長(荒巻隆三君) 西脇知事。
   〔知事西脇隆俊君登壇〕

◯知事(西脇隆俊君) 畑本義允議員の御質問にお答えいたします。
 実質公債費比率についてでございます。
 実質公債費比率につきましては、地方財政法等の規定により、地方債の発行に総務大臣の許可が必要となる基準が18%とされているところ、京都府におきましては令和6年度決算で17.1%となったところでございます。
 京都府では、京都縦貫自動車道の延伸やJR奈良線の複線化などの生活に不可欠なインフラの整備、防災・減災に向けた河川改修や砂防事業、危機管理センターの整備といった府民の生命と財産を守るための施設整備など、府域の均衡ある発展に向けて積極的に投資を行ってきたところであり、これが実質公債費比率に影響しているものと考えております。
 実質公債費比率が18%を超えた団体は、地方債の発行に総務大臣の許可が必要となるほか、総務省告示に基づき、公債費負担適正化計画を策定することとされております。
 公債費負担適正化計画につきましては、実質公債費比率抑制の取組を示す必要があり、過去の許可団体の例を見ますと、投資的経費の抑制のほか、事業の見直しや人件費の縮減、使用料・手数料の見直しなどの取組が記載されているところでございます。実質公債費比率が18%を超え、起債許可団体となることにより、公債費が予算を圧迫することはもとより、公債費負担適正化計画に基づき、これまで以上に起債発行を厳格に管理する必要が生じること、借入金利上昇のリスクがあることなどから、必要なインフラ整備を着実に進めつつも、できる限り実質公債費比率の抑制に向けた取組を行う必要があると考えております。
 次に、金利上昇に伴う行財政運営方針の見直しについてでございます。
 行財政運営方針につきましては、物価高騰や世界経済の減速懸念といった景気の下振れリスク、為替の動向などの府税収入を大きく左右する事象も多く、京都府財政への影響も先行きが不透明な状況にある中、「あたたかい京都づくり」を実現するための強固な行財政基盤の構築を目指し、令和6年3月に策定したものでございます。
 地方債の借入金利が、令和5年度以降、上昇傾向にありましたことから、本方針におきましても、投資的経費につきましては、財源となる地方債発行に係る金利上昇リスクを踏まえ、いわゆる公共事業費に加え、京都府単独で行う施設整備や長寿命化対策も含めてトータルで平準化を行うこととし、将来の地方債償還に大きな影響を与えないよう、毎年度、予算調整を行うこととしております。
 金利上昇に伴う公債費に対する影響につきましては、府債発行額の増減による影響も含め、令和8年度当初予算における利払い費が、令和7年度と比較して、約31億円増加することを見込んでおります。
 実質公債費比率への影響につきましては、今後の金利動向が不透明であることに加えまして、地方財政計画において金利上昇の影響がどのように見込まれるかが明らかでないことから、定量的な影響を見込むことは困難だと考えております。
 金利上昇への対策といたしましては、毎年度の府債の借入れに際しまして、長期的な金利変動リスクの分散の観点から、5年債、10年債、20年債といった発行年限の多様化を図っているところであり、金利が急上昇するような局面には超長期債である20年債から金利の低い10年債等に切り替えるといった対応も考えられるところでございます。
 また、建設事業に係る財源につきましては、国庫支出金を最大限活用すること、交付税措置率の高い有利な起債を活用することなどにより、財政負担の軽減を図っているところでございます。
 行財政運営方針における今後の収支見通しにつきましては、金利の変動だけではなく、税収の変動や国の制度変更など、様々な影響を受けるものであるところ、本方針は、こうした状況の変化にかかわらず、持続可能な財政運営のための基本的な取組方針を示したものでありますことから、現時点で見直すことは考えておらず、毎年度の予算編成におきまして必要な対策を講じてまいりたいと考えております。
 次に、行財政改革と成長戦略を一体化した取組についてでございます。
 京都府では、行財政運営方針に基づきまして、収支不足の改善及び複雑・多様化する行政課題への対応のため、各部局が主体的に事業効果や必要性の検証を踏まえ、施策の再構築を進める「新陳代謝促進プログラム」を継続して実施いたしますとともに、各施策の到達目標や目標年度を明らかにし、その目標に向かってPDCAサイクルを回しながら各施策を進め、達成状況が不十分な場合には施策の再構築を進めるなど、不断の事業見直しに取り組んでいるところでございます。
 歳入面におきましても、個人や企業からのふるさと納税のさらなる活用や、クラウドファンディングによる財源の確保、府有資産の戦略的・効果的な利活用、社会情勢の変化などを踏まえた使用料・手数料の見直しを実施するなど、あらゆる方策を尽くして自主財源を確保することとしており、歳出・歳入両面からの取組によりまして今年度も新たに約71億円の取組効果を生み出したところでございます。また、これまで、企業立地や雇用の促進への対策などに加え、国の経済対策も活用した累次にわたる補正予算による対策を講じてきたところであり、好調な企業業績も反映して、法人二税を中心とした府税収入は増加傾向にあるところでございます。
 これらにより生まれた財源を活用いたしまして、産業創造リーディングゾーンやスタートアップ・エコシステムの構築などの京都経済の成長に向けた取組に加え、「子育て環境日本一」の取組、教育や人づくり、文化創造、医療・介護・福祉の提供体制の確保や基盤整備の充実など、総合計画に掲げた「あたたかい京都づくり」を実現するために必要な施策を実施し、府民サービスに還元してまいりました。
 今後、人口減少により深刻化する人材の不足や偏在、デジタル技術の進展等の課題に対応し、地域の特性に応じて持続可能かつ最適な形で行政サービスを提供していくため、広域自治体である京都府に求められる役割は一層重要なものになると認識をしております。厳しい財政状況の中におきましても、引き続き、行財政運営方針に基づき、不断の事業の見直しや歳入の確保に取り組みますとともに、税収確保につながるような必要な投資も行いながら、「あたたかい京都づくり」に向け、府民サービスの維持・向上に全力を尽くしてまいりたいと考えております。
 次に、府市協調での二重行政の解消についてでございます。
 京都府と京都市の連携につきましては、これまで、林田府政以降、40年以上にわたりまして知事と市長の会談を毎年開催し、二重行政の解消や行政の効率化、府民・市民の目線に立った住民サービスの向上につなげてまいりました。また、府と市の連携を核といたしまして、経済界や文化関係をはじめとする各団体の皆様との力を結集するオール京都の取組に発展させることで、京都経済センターの開設や文化庁移転の実現などの大きな成果を上げてまいりました。
 特に議員御指摘の二重行政の解消に向けましては、例えば京都府保健環境研究所と京都市衛生環境研究所を合築したことにより、コロナ禍におきましても府市相互連携による検査体制の強化が実現するなど、より効果的・効率的な行政運営に結びついたところでございます。そのほかにも、近年では、令和2年度から推進してまいりました「世界に伍するスタートアップ・エコシステム拠点都市」の取組や、令和5年に設立いたしました「生物多様性センター」、昨年7月に、これまで府市で分かれていた妊娠・出産・子育てに関する相談窓口を統合し、SNS等も活用した24時間体制の相談窓口として開設いたしました「きょうと妊娠から子育てSNS相談」など、京都府と京都市が施策を一体的に推進してまいりました。
 加えて、松井京都市長就任以降は、これまで年1回でありましたトップ会談を「府市トップミーティング」へと名称を改め、年に複数回、機動的に開催し、府立・市立高校の連携による探究学習の深化、周遊観光を一体的に推進する「まるっと京都」、アートやコンテンツ関連イベントの共同PRなど、合意事項を速やかに実施に移してまいりました。
 このように、二重行政の解消のみならず、府民・市民向けサービスの向上につながる新たな施策もスピード感を持って実行に移したところでございます。
 今後とも、府域全体の発展にもつながる、より高いレベルの府市協調の実現に向けまして、行財政運営方針に基づき、施策を推進してまいりたいと考えております。

◯畑本義允君

◯議長(荒巻隆三君) 畑本義允議員。
   〔畑本義允君登壇〕

◯畑本義允君 ありがとうございました。
 今、実質公債費比率のことから府市協調のことであったりと、御答弁を賜りました。
 まず、起債許可団体となる18%になると、インフラや防災といった投資的経費についても様々抑制がかかってくると思われるということでございます。この公債費の抑制に努めていただけるということでございますが、やはり、この投資的経費が抑制されていくと、さらに、いわゆる手詰まりというか、「じゃあ、どこから資金を調達するんだ」という話にもなってまいりますので、起債許可団体まで0.9%しか猶予がないという中で、今こそが、今進めていただいている京都府行財政運営方針、また府市協調といったものをさらに進めていただく機会なのかなというふうにも思っております。
 二重行政の解消は、本当におっしゃっていただいたとおりだと思います。私も決してコストカットのことだけで申し上げたわけではございません。昨年度、ある市内の窓口、京都市にも京都府にもある窓口ですが、結果としては京都府の窓口のほうを利用した7割以上が京都市内の方であったという実績とか、こういったところは一つにまとめてしまって、さらにその機能を拡張させたほうが使っていただく市民や府民の方にもよりよい形になるのではないかというふうにも思います。
 私はこれまで幾度となく京都府財政についての質問を行い、本日も取り上げたのは、京都府が抱えるこの課題が深刻であり、かつ、先ほど申し上げましたように、今こそ解決のためのこれ以上にない機会であると考えているからです。京都市がかつて直面した財政危機の教訓は、私たちに「早すぎる対応はない」ということを教えてくれたと思います。起債許可団体への転落を招いてからでは私たちが誇る京都の自治性は影響を受け、今までよりも不利な市場公募債の金利、さらに苦しい財政状況と、これによる致し方ない事業の縮小化というものを余儀なくされるかもしれません。それは、将来の京都府民に対し、自律的な選択肢を縮小された、今よりも不自由な京都を渡すことと同義になるのではないかと考えます。
 国の財政ルールと違い、自治体の財政ルール、例えば今の公債費一つとっても、18%、25%といった上限の縛りがある以上、この地方自治体にとって行財政改革、財源、お金のやりくりというのは切っても切れないものだと思います。
 政治の役割は、将来にわたって持続可能な社会を設計することにあります。たとえそれが一時的な痛みを伴う改革であったとしても、客観的なデータに基づき、府民に誠実に説明を尽くし、実行に移していく、それこそが私たちが果たすべき責任であると思います。将来世代に今現在の私たちの世代の課題、財源不足や赤字のツケを回さない、京都の誇りある自治を。都市間競争に打ち勝ち、働く人、子育て世代、企業にも今よりもさらに選ばれ、発展する私たちのまち・京都をつくる。そのために全ての事業の礎となる財政を確固たる基盤の上に再構築する。起債許可団体への転落目前の財政の中、長年続いてきた京都府の課題を解消するという大変難しい大きな困難が待ち受けるこの歴史的な使命に対し、我々も、これに向け、取り組んでまいりますので、知事もこれに立ち向かわれることを期待し、次の質問に移ります。
 次に、部活動の地域展開における京都府の広域調整機能と情報発信の強化について伺います。
 国が令和5年度から3年間を改革推進期間と定め、取り組んできた部活動の地域展開がいよいよ大きな節目を迎え、令和8年度からは具体的かつ本格的な実行期間へと突入します。この改革は、全国で進む少子化というあらがい難い波の中で、子どもたちのスポーツ・文化活動の機会をいかに持続可能なものにするか、そして教員の働き方をどう抜本的に見直すかという教育の根幹に触れる極めて大きな試みであります。
 これまでになかった新しい社会システムを構築しようとするこの大事業において、市町村はもちろんのこと、広域自治体である京都府においても今まさに試行錯誤の連続であることは私も十分に理解しております。前例のない道を進む際、現場で様々な想定外が生じ、当初の計画どおりに進まない部分が出てくるのは、ある意味で、避けては通れない過程であると思います。
 私が地元の体育振興会や保護者の皆様と対話を重ねる中で感じたのは、そうした行政側の試行錯誤が現場においては先行きへの不安や情報不足による戸惑いにつながっているのではないかということであります。政令指定都市である京都市北区内においてさえ、現場からは「体育振興会や自治連合会といった地域の組織と行政との連携が十分に機能していないのではないか」「受皿となるクラブチームがどこにあり、どのような活動をしているのかといった選択のための必要な情報は集約されないのか」「誰が責任を持って旗を振っているのかが見えにくい」といった声が寄せられています。このような現場の声を放置したまま本格的な実行期間へと進むことは、子どもたちの未来を考えると、不安を感じざるを得ません。
 また、初めての大きな試みに行政が試行錯誤している中、市町村間の進捗にもばらつきがあるのは当然ですが、私が今回の質問で最も気になる点は、部活動の地域展開は決して市町村の境界線の中だけで完結する問題ではないということであります。
 京都府の教育環境を俯瞰すれば、通学区域は極めて広域にわたります。例えば、亀岡市に居を構えながら京都市内の学校に通学する学生、あるいは京都市の周辺部に住む中学生が隣接する他の市町村のクラブチームに通うほうが、利便性が高いというケースは多々考えられます。乙訓地域の向日市や長岡京市に住みながら隣接する自治体のスポーツ施設や民間クラブを利用するほうが、利便性においても競技の専門性においても最適であるというケースもあるでしょう。また、競技人口が少ない競技や過疎地域においては、一つの市町村内だけで十分な競技者や指導者を確保することは困難であり、広域的なマッチングが必要と考えます。しかし、各市町村主体の体制では隣接自治体との調整は進みにくく、現在でも民間クラブを希望する際には保護者が自力で情報を探し回り、結果として的確な情報を得られず、最適なクラブチームを選択できなかったという事態も起きていると耳にしています。
 市町村のホームページを見ても、隣接する自治体のクラブ情報はもちろん載っていません。逆に、北部の自治体では、近隣の町と連携しなければ単独ではチームすら組めないという競技も少なくありません。市町村が主体となって進める以上、致し方ありませんが、区域外就学や広域利用の実態もある以上、点の単位で進められているこの部分こそが広域行政たる京都府の出番ではないでしょうか。市町村ごとにばらばらな情報を一元管理・情報発信し、居住地や通学先の枠を超えて子どもたちが自分にぴったりの移行先を選べる環境を整えること、これこそが京都府が果たすべき旗振り役としての大きな役割であると考えます。
 全国の事例をひもとけば、都道府県が主導権を握り、広域調整を行っている例もあります。指導者マッチング・人材バンクとして、三重県の「みえ地域クラブ活動人材バンク」や千葉県の「ちばクラサポ」など、県内の指導者と団体をつなぐバンク機能を主導しています。また、各市町村の取組の集約・発信として、愛知県、静岡県、兵庫県、長野県、新潟県などでは市町村の現在の取組事例を紹介するページをつくっており、東京都では総合型地域スポーツクラブの認証制度を運用し、その登録クラブを都スポーツ協会が管理しています。
 そこでお伺いします。
 京都府としても、市町村の自主性を尊重しつつ、現時点では市町村ごとの進捗状況やクラブの整備状況にばらつきがあるところですが、府内全域で安定した受皿を確保するために、京都府が広域行政の旗振り役としてサポート体制をしくべきであり、府内を一つのフィールドとして捉え、子どもたちが夢を追いかけられる仕組みをつくること、地域をまたぐ移動も前提とした広域的な連携が将来的には必要と考えますが、いかがでしょうか。
 また、試行錯誤の過程を透明化し、現場と共有するためにも、一定の基準や整備基準がそろってきた段階で、ポータルサイトとまではいかずとも、例えば市町村横断のためのリンク集のように府内全域のクラブチーム情報を分かりやすく一元化した情報発信をするべきではないでしょうか。
 このような部活動の地域展開における京都府の広域調整機能と情報発信の強化について、教育長のお考えと今後の展望をお聞かせください。
 次に、障害者雇用の在り方と、自立を支える就労継続支援事業所の存続と発展について、知事に質問いたします。
 行政の最も根幹たる役割、そして最大の使命、それは貧困と障害という個人の力だけではあらがい難い困難に寄り添い、支えることにほかならないことは論をまちません。
 現在、全国の就労継続支援事業所、特に雇用契約を結ぶA型事業所において、かつてない規模での閉鎖や縮小が相次いでいます。
 2024年度にハローワークが把握した障害者解雇者数は9,312人と、過去最多を記録し、そのうち、就労継続支援A型事業所の利用者であった方は7,292人でありましたが、その最大の要因は就労支援の現場そのものが立ち行かなくなったことにあります。物価高騰や最低賃金の引上げに加え、報酬改定での生産活動収支への厳格な線引きが決定打となりました。
 さらに、2024年10月1日から施行された短時間労働者への社会保険適用拡大により、従業員数51人以上の事業所では、週20時間以上働く利用者などの社会保険料を事業者が折半負担しなければならなくなりました。本来、社会保険への加入は、利用者の将来の安心につながる制度であります。事業所もまた利用者のためにその加入を歓迎したいと考えていらっしゃいます。しかし、A型事業所は、賃金だけでなく、この社会保険料も全て事業収益から捻出しなければならないという厳格なルールの中にいます。利用者の将来と自立性を願い、働く時間を増やし、社会保険を完備するほど折半負担によって事業所の経営も逼迫し、最悪の場合は働く場そのものが消滅してしまうという可能性が出てきています。
 こうした逆風下で全国的に多くの事業所が縮小・閉鎖する中でも、本府の事業所は粘り強く踏みとどまっておられます。私は、ここに府内事業所の底力と企業努力があるものと考えます。府内の事業所の多くは、下請の内職のような単純作業に依存せず、自ら市場を分析し、創意工夫を凝らし、高い付加価値を創出することで制度のゆがみをはね返そうとされています。西陣織を活用した高付加価値な雑貨プロデュース、地元農家との6次産業化、あるいは高度なIT分野への進出など、従来の福祉から連想される保護の枠を超え、担い手育成を兼ねつつ、一つの産業として自立しようとする企業努力のたまものであります。
 こうした京都の優良な事業所を守り抜くためには、これまでの福祉の枠という壁を打ち破る取組が必要と考えます。現在、多くの民間企業が人手不足にあえいでいますが、就労継続支援事業所を有力なビジネスパートナーとして認知している企業は徐々に増えてきているとはいえ、まだ少数であり、A型とB型の違いさえ認識されていない企業もあると考えます。また、実際に事業所へ仕事を発注するとなると、依然として単価の低さが主な動機となっているケースが散見されます。一般企業からすれば、その安さがメリットなのかもしれませんが、その構造こそが福祉現場の困窮を招いている側面もあります。
 しかるに、ここで必要なのは、人手不足の中で就労継続支援事業所に仕事を委託するという選択肢があるということをしっかりと周知することと、事業所の付加価値を正当に評価し、発注する側にもメリットがある仕組みづくりであると考えます。
 京都市では「伝福連携」との名で伝統産業と福祉事業者を結ぶ補助金制度を実施されており、一定成果が出ていると聞いております。このような事例も踏まえ、例えば京都府独自の施策として府においても、業種を問わず、一般企業が就労継続支援事業所へ仕事を新規発注する際の補助金制度創設や、就労継続支援事業所に対して適正な価格での発注を行う企業に対し、府の契約における加点評価や社会貢献企業としての認定、あるいはマッチングに係る負担を軽減するようなインセンティブを付与するなど、単なる安さや善意を動機とするものではなく、事業所の高い技術力を正当に評価し、発注する側にも確かなメリットがある仕組みが必要と考えます。
 また、京都府における、これらマッチングの要である「京都ほっとはあとセンター」の機能強化も必要ではないでしょうか。現状、「ほっとはあとセンター」のホームページには各事業所の情報が並んでいますが、各所が何を得意とし、どのような強みや魅力があるのかといった情報を把握・整理・一覧化し、さらにSNSや動画を活用したウェブマーケティングを積極的に展開するような主体的な情報発信などによってマッチング機能を強化することも必要と考えます。また、マッチングの際の負担金が事業所のボトルネックになっているとのお声もいただいております。
 昨今の就労継続支援事業所を取り巻く厳しい経営環境を鑑み、成果に応じた公的サポートを導入することや、企業のニーズを酌み取って事業所に技術指導を行うコンサルティング機能、あるいは複数の事業所を束ねて大規模な発注に対応できる共同受注体制の構築など、現在の段階から一歩進み、その役割をより高度化・多角化すべきではないでしょうか。このような取組こそが福祉の壁を崩し、京都で今も踏みとどまっている優良な事業所、ひいては障害者の就労支援に大きく寄与すると考えますが、知事の所見を伺います。
 次に、優先調達のさらなる推進と目標設定について質問いたします。
 障害者の工賃を向上させ、事業所の経営を安定させるための具体的な仕組みの一つが、「障害者優先調達推進法」に基づく府の取組です。
 京都府では、この中の物品調達に関して、調達額が2年連続で目標額に届いていませんでした。しかし、令和6年度の物品調達実績は課題であった目標額を達成したと伺っております。この目標達成に導いた具体的な要因はどこにあったのか、また達成したからこそ見えてきた新たな課題などがあれば、お聞かせください。
 その上で、目標額についてもお伺いいたします。
 現在、府の調達目標のうち、清掃や除草といった役務の目標額については、人件費高騰等を反映し、10年前の1,900万円と比較して、令和7年度では5,000万円と、2倍以上の規模に拡大しています。これは実態に即した対応と言えます。
 一方で、物品の目標額については、長年にわたり、2,100万円から2,500万円という低水準のまま据え置かれた状態が続いています。物価高騰により原材料費が上がり、社会保険料負担も増え、事業所が付加価値を高めてより良い製品を作ろうと努力している中で、発注の器である目標額が10年以上前からほぼ変わっていないのはあまりにも硬直的ではないでしょうか。物品調達の目標達成がなされた今、次は役務の伸びに合わせ、物品についても目標額を引き上げ、京都府自らが率先して事業所の付加価値を適正に評価する姿勢を示すべきと考えますが、見解を伺います。
 ここまでの御答弁をよろしくお願いいたします。

◯教育長(前川明範君)

◯議長(荒巻隆三君) 前川教育長。
   〔教育長前川明範君登壇〕

◯教育長(前川明範君) 畑本義允議員の御質問にお答えいたします。
 部活動の地域展開における京都府の広域調整機能と情報発信の強化についてでございます。
 部活動は、体力や技能の向上だけでなく、人間関係の構築や連帯感の涵養など、生徒の自主的で多様な学びの場でございますが、少子化の進行により継続が困難な学校があるため、子どもたちがスポーツ・文化芸術活動に継続して親しむことができるよう取り組んでいくことは大変重要でございます。そのため、京都府における部活動の地域展開におきましては、地域によって部活動を取り巻く状況が異なることから、全ての部活動を一律に移行するのではなく、活動の継続が困難な地域・学校・部活動単位から着手することとしております。
 現在、各市町村において地域展開に向けた取組を進める中で、地理的状況や指導者不足などにより、子どもたちが希望する活動の実施体制を整えることが困難であるという声もお聞きしており、市町村の枠を超えた広域的な調整が必要であると認識しております。このため、府教育委員会では、各地域の現状や課題を把握するとともに、各地域の実情に応じた地域展開ができるよう、府内全市町村を対象とした合同会議等において、全国での先進事例や府内の取組状況の紹介など、情報を共有することで市町村の取組の支援を行ってまいりました。
 そのような中、例えば地域展開の実証事業に取り組む精華町では、吹奏楽の地域クラブを設置し、京田辺市や木津川市など、近隣に在住する小・中・高校生にも活動の機会を広げられ、広域から幅広い年代の子どもたちが共に演奏活動を行う体制を整えられました。市町村の枠を超えた参加の受入れは、各地域が抱える課題の解消に向けた一つの好事例となりました。さらには、参加した子どもたちからは「新しいことに挑戦ができた」「他校の人と交流ができた」という声もあり、子どもたち同士の新たなつながりも生まれたと聞いております。
 今後は、このような子どもたちの活動機会の確保の好事例を府内全域に広めていけるよう、よりきめ細やかなヒアリングの実施や説明会等を充実させることにより、市町村の枠を超えた連携に向けた調整役を担ってまいりたいと考えております。
 また、地域展開を進める上では、子どもたちが安心して活動が行えるよう、指導体制の整備や指導者から適切な指導を受けられる環境が不可欠であります。指導者の確保などが困難な市町村に対しては、近隣市町村の連携に向けた新たな協議の場を設けることや、地域の企業・大学・スポーツ・文化芸術団体等との橋渡しの役割を担う府の総括コーディネーター等による支援の機会を充実させてまいりたいと考えております。
 さらに、令和8年度より市町村による「認定地域クラブ活動指導者」の登録制度が開始されることから、各地域クラブでの指導が保護者や子どもたちから信頼されるために府内全域で一定水準の指導の質を確保されるよう、市町村共通の研修の実施に向け、検討してまいります。
 次に、情報発信の強化についてでございます。
 府教育委員会では、保護者や子どもたちに必要とする地域クラブの情報を適切に届けることができるよう、市町村に対し、保護者説明会等の実施や広報誌への掲載などの発信方法について助言を行ってまいりました。これらの働きかけにより、一部の市町村ではありますが、保護者向けニュースレターの発行やホームページでの地域クラブ一覧の掲載、保護者向けの説明会動画を配信するなど、地域クラブの概要について、様々な手法により、周知が進められているところでございます。
 保護者や子どもたちからは「専門家に指導してもらうことで競技力の向上が期待できる」「学校には参加したい部活動がなく、楽しみにしていた」といった地域展開に対する肯定的な声もいただいております。一方で、地域展開の進捗や地域クラブの整備状況に差があることから、十分に情報が届いていない地域の保護者からは「地域展開の進捗状況が分からない」「どのような地域クラブがあるか、知りたい」といった声をいただいているところであり、情報の発信を強化する必要があると考えております。
 今後は、府教育委員会のホームページにおいて府内各市町村の取組状況や各地域クラブ等を一元的に紹介するなど、地域・保護者・子どもたちに向けた、分かりやすく適切な情報発信の強化に努めてまいります。
 府教育委員会といたしましては、広域自治体として府内における部活動の地域展開の基盤づくりに取り組むとともに、分かりやすい情報発信の体制を構築することで子どもたちがスポーツ・文化芸術活動に親しむことができるよう、環境の整備に努めてまいります。

◯知事(西脇隆俊君) 

◯議長(荒巻隆三君) 西脇知事。
   〔知事西脇隆俊君登壇〕

◯知事(西脇隆俊君) 障害者就労継続支援事業所への支援についてでございます。
 障害のある方が地域において自立し、安心して生活していただくためには、御自身の希望や障害の特性に応じて能力を発揮できる多様な就労機会を確保いたしますとともに、適切な賃金を得られる環境を整えることが重要でございます。特に一般企業で働くことが難しい方につきましては、就労継続支援事業所において生産活動に従事されているところであり、この生産活動を通じて得られる賃金や工賃が持続的に向上するよう、支援を行うことが必要だと考えております。
 このため、京都府におきましては、各事業所において魅力ある製品や質の高いサービスが提供されるとともに、これらの情報が着実に企業や消費者に伝わり、互いに満足いただける形での発注につながることを目指しまして「京都ほっとはあとセンター」を設立し、製品やサービスの付加価値の向上、民間事業者等からの受注促進や販路拡大につながるよう、幅広い視点で事業所支援に取り組んでおります。
 まず、製品やサービスの付加価値の向上に向けた取組といたしまして、マーケティングや新製品の開発、製品改良のノウハウを持つアドバイザーを事業所へ派遣する「京のはあと製品応援事業」を実施しており、京野菜を使った調味料やプロスポーツチームとコラボしたチームカラーの工芸品などの新製品開発の実現につながったところでございます。
 また、民間企業等からの受注促進や販路拡大に向けた取組といたしましては、各事業所で作られた製品等を取りまとめたカタログサイトの作成や、府民交流フェスタへのイベント出店などによる魅力発信、単体の事業所では受注が難しい大口の注文を一括で受注し、複数の事業所に作業を振り分ける共同受注体制の整備などを行っているところでございます。
 さらに、昨今の社会情勢に合わせたマーケティングの強化といたしまして、SNSを活用した情報発信や、生成AIによる商品ロゴ作成に関する事業所向けセミナーの開催、外国人観光客の多い嵐山に立地するアンテナショップでのインバウンド向けの販売促進などにも取り組んでいるところでございます。
 こうした取組により、「京都ほっとはあとセンター」を介した事業所の受注額と同センターのアンテナショップ等での販売額の合計額は、令和6年度には過去最高となる1.7億円に達するなど、着実に成果が上がっているところでございます。
 さらに、昨年の12月定例会において補正予算の御議決をいただきました「賃上げ実現緊急支援事業」によりまして、提供する製品やサービスの質の向上につながるような機器の導入に対する支援策を講じたところであり、今後とも幅広い観点から就労継続支援事業所の支援に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、障害者就労施設からの優先調達についてでございます。
 京都府では、障害のある方の賃金や工賃の向上に向け、障害者就労施設からの物品等の調達を推進しており、平成25年度から毎年度、調達方針及び目標を設定し、取り組んでいるところでございます。
 取組開始以来、調達実績は増加傾向にありますが、令和4年度及び5年度には目標未達成となったことを受け、令和6年度には庁内への働きかけを一層強化いたしました結果、調達実績は目標額の7,200万円を上回る約7,800万円となりました。
 一方で、庁内での発注状況を分析いたしますと、特定の部署に発注が偏る傾向があることから、各部署が事業を企画する段階から具体的に発注内容を検討できるよう、より丁寧に対応を行っていくことが重要だと考えております。このため、令和6年度末には、発注や契約の方法、発注可能な物品や役務の例、実務フローなどを整理し、分かりやすく周知するマニュアルを作成して庁内に周知するなどの取組を行ったところでございます。
 今後は、庁内各部署の全体の調達状況を把握し、障害者就労施設への発注の切替えに向けた具体的な働きかけを強化することによりまして、さらに調達実績が増加するよう、取り組んでまいりたいと考えております。
 また、この目標額につきましては、製品やサービスの質が適正に評価されますとともに調達額が継続的に拡大していくことを目指して、前年度の調達実績を上回るよう設定しているものであり、物品と役務のそれぞれの利用実態に合わせて調達実績向上に向けた取組を進めてきたところでございます。
 役務につきましては、平成25年度の優先調達の取組開始時には障害者就労施設への発注実績が少なかったため、従来は民間事業者に発注されていた業務を障害者就労施設の発注に切り替えることを促進することにより、発注件数が大きく増加し、調達実績が向上してまいりました。
 一方で、物品につきましては、取組開始時から障害者就労施設への発注が比較的多く行われておりましたが、調達の際には、価格だけではなく、その特徴や魅力が十分に吟味された上で選定が行われるような選定プロセスの構築などにも取り組みました結果、令和6年度の調達実績は、取組を開始した平成25年度の約2,200万円から約2割増加したところでございます。
 こうした状況を踏まえ、引き続き役務と物品のそれぞれの発注実態に合わせた目標設定を行っていくことが重要だと考えており、発注件数の拡大に向けた取組と付加価値を適正に評価するための取組を組み合わせることで、着実に調達実績を向上させてまいりたいと考えております。
 京都府といたしましては、今後とも、就労継続支援事業所への支援などを通じて賃金・工賃の向上を図り、障害のある方が暮らしやすい社会の実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。

◯畑本義允君 

◯議長(荒巻隆三君) 畑本義允議員。
   〔畑本義允君登壇〕

◯畑本義允君 ありがとうございました。
 まず、部活動の地域移行の件についてでございます。
 今、様々優先順位をつけて進めていただいているというふうにお伺いをいたしました。確かにおっしゃるとおりで、前例と成功、いわゆるどうすれば成功なのかといったものがまだ少ないという試行錯誤の中で進められているということは重々承知をしておりますので、そういった中で必要なところからやっていっていただくというのは本当にありがたいことだなと思います。
 今、教育長からもおっしゃっていただいたとおり、広域調整、市町村間の連携を取りまとめるというのが京都府の役割であると思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。精華町の成功事例なども参考にということでございますね。
 それで、ホームページにクラブの一覧を一元的に掲載して発信をされている自治体もあるということでした。先ほど私も予算の関係を鑑みまして「ポータルサイトとまではいかずとも」というようなお話もさせていただいたんですけれども、例えば今、既存で、京都府で使っている子育て支援をもう少し、小さい世代の方向け、子どもさん向けですけれども、「まもっぷ」というのもあると思います。こういったものを活用して、そこに例えば「ここの地域にはこういったクラブチームがありますよ」と。京都府の研修を受けて認証したところだけをそこに載せていくとか、そういったこともすれば、併用していくことでコストを抑えながら既存のサイトの充実にも貢献できるのではないかなというふうにも思っております。
 この部活動の地域移行というのは、地域全体で子どもを育むという新しい時代のコミュニティを再構築する壮大な挑戦であります。京都の未来を担う子どもたちが、どの地域に住んでいても、どの学校に通っても、自らの才能を最大限伸ばし、スポーツ・文化に親しめる環境をつくり出していただきますようにお願いを申し上げます。
 次は、障害者の就労支援のほうですね。ありがとうございました。
 今、「ほっとはあとセンター」さんのほうで様々取組をしていただいておって、令和6年度に1.7億円の最大の売上げもあったということで、これは本当に皆様からも感謝の声をいただいております。
 一方で、ホームページを見たところ、「ほっとはあとセンター」さんには各事業所さんの紹介が載っているんですけれども、例えば、名前だけが載っているような簡単な事業所もあれば、長い文章で「私の事業所はこんな強みを持っていて、こういうことができます」というのをかなり詳しく書かれている事業所もあって、事業所さんが載せるときにばらばらになっていて、何もないところは本当に何を強みとされているのかが分からない。名前だけ載っているというのもありますので、こういったところをさらに見やすくすることによって、そこに発注する場合にフレンドリーにもなっていくんじゃないかなというふうにも思います。
 あと、SNSの情報発信のほうは、たまたまなんですけれども、友人がこの「ほっとはあとセンター」のことを知っていたりとか、いわゆるインフルエンサーという方が、本当に安くて、いいものがたくさん置いてあるということをSNSで発信されたのがすごくバズったと言うんでしょうか、これによってそのとき認知度があったというのもありましたので、ぜひまたこういった方向性での発信の検討ということもお願いしたいなと思います。
 最後に、物品調達目標額に関しまして、目標達成のための創意工夫というのは本当に感謝したいなと思いますし、今後はまた調達すること自体を評価する制度というのも検討していただけるということで、ありがとうございます。
 一方で、府内事業所の経営環境というのは依然厳しいままでございますので、引き続き、こういった目標額、また発注の際のインセンティブや、「ほっとはあとセンター」の機能強化などについても御検討賜りますようにお願いを申し上げ、最後の質問に移ります。
 最後に、副首都構想について伺います。
 現在、国においては、東京一極集中の是正と大規模災害時の機能維持の観点から、関西圏を軸とした副首都機能の在り方が議論されています。特に大阪府・市が強力に推進する「副首都・大阪」の動きは加速しており、国政においても、その実効性を担保するための法的枠組みの検討が進んでいると聞き及んでおります。
 もちろん今はまだ枠組みの検討という段階ですが、この副首都という議論においては、京都府は、単に大阪の隣に位置する自治体としてその波及効果を待つだけでなく、積極的に参画すべきだと考えます。千有余年にわたり、日本の都として機能し続け、現在も「文化の首都」として文化庁が移転している京都府こそが、副首都機能の一翼を担う「双京構想」の理念に基づき、この国家プロジェクトのセンターピンに関わるべきではないでしょうか。
 この副首都構想への積極参画は、京都府のインフラ整備と国家予算獲得を加速させる好機でもあります。副首都機能を支えるには、東京との圧倒的な結節点、そして関西圏域内の強靱なネットワークが不可欠です。リニア中央新幹線の全線同時開業並びに北陸新幹線の全線開業は、もはや一地方の要望ではなく、国家の命運を握るバックアップ機能の生命線として位置づけられるべきものとなります。
 京都府は、関西広域連合という日本で唯一の広域自治体の枠組みを有しており、広域連合を通じて、大阪、兵庫をはじめとする関西各府県市と一体的にインフラ整備や災害対策の優先順位を設定し、国への共同提案や予算獲得を行うことで個別交渉では得られないスケールメリットと交渉力を発揮できます。これにより、副首都基盤化を関西圏全体の戦略として位置づけると同時に、広域連合内でも副首都構想について積極的に参画・議論することで、投資や人材の偏在を抑える地域間の役割分担を調整することについての優位性を京都府が主導することも可能であると考えます。
 また、副首都構想に深く食い込み、これら広域インフラ整備を副首都の基盤整備として国の重点予算に組み込ませることにより、財政が逼迫する京都府において単独予算ではなし得ないスピード感での都市基盤整備が可能となるのではないでしょうか。そして同時に、財政はやはりあらゆる事業の土台になりますので、インフラ整備における国家重点予算の獲得は京都府の他の戦略的・投資的経費にも波及し、より発展する京都を目指していけるはずです。
 一方で、副首都の議論が進む中で、万が一、京都府が取り残されてしまうと起こり得るかもしれない、いわゆるストロー現象についても考えなければなりません。もし大阪が唯一無二の副首都として機能し、あらゆる投資や企業、人材が大阪に一極集中すれば、京都は単なる副首都のベッドタウンや観光消費の場へと埋没し、経済的活力を吸い取られてしまうリスクも考えられます。
 私は、このストロー現象を阻止し、京都府が独自性を持って輝き続けるためには、副首都機能の中でも特に外交・文化・知的創造の機能を京都が担うべきだと考えます。皇室ゆかりの地であり、世界的な学術機関が集積する京都が、国際会議や研究開発の拠点としてその副首都の一部を明確に担う。これにより、大阪や兵庫との健全な分業体制を構築し、相互にメリットを享受する多眼的な副首都圏を目指すべきではないでしょうか。
 副首都構想への積極参画によるメリットは、国家予算によるインフラの抜本的刷新、高付加価値な産業・研究機関の集積、そして災害時の国家運営の維持という大義による京都の価値の再定義です。そして、前述した、起こり得るかもしれないストロー現象による地域間格差の拡大リスク対応も必要です。
 私は、ストロー現象を最小化し、メリットを最大化させるための鍵は、京都府がいかに提案型の参画ができるかにかかっていると考えます。
 そこで知事に伺います。
 まず、現在、国において協議されているこの副首都構想という枠組みについて、知事のお考えをお聞かせください。
 また、この枠組みの協議が加速していく際には、大阪や兵庫など、近隣府県あるいは国との協議において、京都がインフラ予算の確保とストロー現象の阻止を両立させ、独自の機能分担を勝ち取るためにも、京都府が積極的に参画すべきだと考えます。そして、その際には、京都の独自性・伝統を守りつつ、発展と安全が両立する環境を構築し、国家の要としての役割を果たすという「双京構想」にも基づいた、京都が歩むべき方向性についての発信が求められると考えますが、現在進められている国の協議に対し、知事は京都府の立ち位置をどのように定義し、どのようなプレゼンスを発揮しようと考えておられるのか、お考えをお聞かせください。
 以上、御答弁をよろしくお願いいたします。

◯知事(西脇隆俊君)

◯議長(荒巻隆三君) 西脇知事。
   〔知事西脇隆俊君登壇〕

◯知事(西脇隆俊君) 副首都構想についてでございます。
 副首都構想につきましては、昨年10月の連立政権合意書に基づき、令和8年通常国会での法案成立に向けて今後協議が進められるものと承知しているところでございます。
 現時点におきましては、副首都の指定要件をはじめ、法案の詳細は示されておりませんが、高市内閣総理大臣の所信表明演説におきまして、首都及び副首都の責務と機能に関し、首都の危機管理機能のバックアップ体制を構築し、首都機能分散及び多極分散型経済圏を形成する観点から早急に検討を行うこととされております。
 我が国の中枢機能は首都圏に一極集中しており、首都直下地震のような自然災害が発生すれば機能麻痺に陥るおそれがあることから、首都機能のバックアップ体制の構築は必須であると考えております。また、多極分散型経済圏の形成は、首都と並ぶ経済や文化の中枢として我が国の成長を牽引する観点から、極めて重要だと考えております。
 関西広域連合では、「関西は古くから日本の中心として世界的に価値のある歴史・文化遺産や豊かな自然に恵まれ、また首都圏と同時に被災する可能性が低い上、国の地方支分部局や企業の本社、大学・研究機関等が集積し、首都圏や国内外との交通輸送手段や情報通信機能が充実している圏域である」との考え方に基づき、「国土の双眼構造の実現」を掲げているところでございます。具体的には、広域行政の責任主体にふさわしい事務・権限の国からの移譲、関西での首都機能のバックアップ構造の構築や政府機関等の移転などを国に求めてきたところでございます。
 この間、京都府におきましては、政府機関の移転等に率先して取り組んできた結果、令和5年3月に明治以来初の中央省庁の地方移転となる文化庁の移転が実現いたしました。文化庁移転は、東京一極集中を是正いたしますとともに、その成果を全国に波及させることにより、地方創生につなげようとするものでございます。
 京都は、千年を超えて日本の首都であった歴史を背景といたしまして、日本の伝統や文化を育んできた中心地であり、寺社等の文化財のほか、祭りや年中行事、和食や和装、茶道や華道など、今も人々の生活の中に文化が根づいております。このように、日本人の美意識や感性、さらには日本人の生き方や心根が今なお息づいている「文化の都・京都」におきまして、文化庁との連携の下、地域の多様な文化の掘り起こしや磨き上げを行うなど、国と地方が連携した新たな文化政策を総合的に推進しているところでございます。
 いずれにいたしましても、京都府といたしましては、副首都の設置いかんにかかわらず、文化をはじめとする様々な魅力により、国内外の人々を魅了する京都としての役割を着実に果たしてまいりたいと考えております。
 なお、現時点では副首都の指定要件が示されていないため、その検討に当たりましては、周辺市町村を含む統治機構全体に関わる制度でありますことから、丁寧に議論を進めていただきたいと考えております。

◯畑本義允君

◯議長(荒巻隆三君) 畑本義允議員。
   〔畑本義允君登壇〕

◯畑本義允君 ありがとうございました。
 まだ枠組みの検討がという段階でございますので、これから協議が進んでいくというところなんですが、今お答えいただいたように、この議論が進んでいく中では、特に関西広域連合という日本で唯一の広域自治体の枠組みを持っている関西がこれをリードしていくということは、私は本当にふさわしいことだと考えております。先ほどおっしゃっていただいた中で、東京一極集中の是正、特に多極分散型経済圏、これは本当にこれから大事なことでありますし、京都にとっても非常にメリットが出てくることだと思っております。
 関西広域連合のほうでも同じような質問・要望をさせていただいたんですけれども、やはり今、人、京都府も現役世代や学ぶ人、これから学ぶ人、20代の人というのが流出をしていっている一方で、東京というのは毎年全国から1万人ぐらいは、1万人以上かな。すいません。今ちょっと正確な数字は失念してしまいましたが、東京のほうに、首都圏のほうにどんどんとその世代の人が流入をしている状態。働くにしても学ぶにしても、例えば文化芸術にしてもそうです。今でこそ、例えば音楽などは地方でも少し配信などでできるようになりましたが、基本的には東京にあるレコード会社、大きなメジャーレーベルのあるところでやる。芸術もそうです。
 こういったことから、やっぱり私は、この副首都構想というものから関西圏に、もっともっと人や企業に選んでもらえる関西と地方というものをつくっていける一つの足がかりになるのではないかなと思っております。いつかはこういったことで、東京に出て仕事をするのが今までのやり方だったけれども、もうそれは古くて、例えば今から仕事をするのであれば関西だ、京都だと言っていただけるような、こういった関西を、京都を目指していければ本当に望ましいのかなというふうに思っております。
 何より、この議論の進展に伴い、この中で京都が取り残されることだけはないよう、先ほど知事もおっしゃっていただいたように、文化・外交・知的創造の機能を明確に位置づける「双京構想」というものがございますので、こちらを府の方針としていただきまして、関西広域連合を通じた共同提案や、国家予算獲得の具体的工程、またストロー現象を防ぐための地域間役割分担案など、京都府がこの議論に積極的に参画されることを求めまして、私の代表質問を終了とさせていただきます。
 長時間にわたり、御清聴、誠にありがとうございました。(拍手)