議会活動

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1 アート&テクノロジー・ヴィレッジ京都のさらなる活性化と将来の展望について
2 阪急長岡天神駅の連続立体交差事業によるまちづくり便益について
3 その他


議事録全文

◯西條利洋君

◯西條利洋君 国民民主党・日本維新の会京都府議会議員団の西條利洋でございます。通告しております2つの項目について一括で質問させていただきます。知事並びに関係理事者の皆様の積極的な御答弁をよろしくお願い申し上げます。
 まず、大山崎町に位置し、本府のイノベーション拠点として大きな期待を寄せる「アート&テクノロジー・ヴィレッジ京都」、以下ATVKについて、さらなる活性化と将来の展望についてお伺いいたします。
 本事業には、総事業費4億5,300万円という貴重な府民の公金が投じられております。私は、この施設が乙訓地域の誇りとなり、次世代の産業を牽引する真の拠点となってほしいと心から願う一人です。その強い期待があるからこそ、本拠点が府民の皆様に対してさらなる価値を還元していくための施策についてお伺いさせていただきたいと存じます。
 まず、これまでの運営実績とその評価について伺います。現在、施設活用団体である公益財団法人京都産業21は、長年にわたり本府の中小企業支援において多大な功績と広範なネットワークを築いてこられた非常に頼もしい組織であり、その皆様が中心となり、令和8年1月末時点でATVKにおいて累計55件のビジネスマッチング実績が生まれているとお聞きしました。この着実な歩みについては、関係各位の多大なる御尽力に深く敬意を表する次第でございます。
 そこでお伺いします。令和5年10月のオープン以来2年が経過しましたが、これまでの既存の支援活動に加え、このATVKという拠点があることで、どのような新しい「化学反応」や「独自の付加価値」が生まれていると分析されていますでしょうか。本施設が掲げる「アート思考」は、既成概念を疑い、ゼロから一を生み出す力として注目されています。このATVKという物理的空間があったからこそ可能となったイノベーションの事例を、より明確に「京都モデル」として発信していくことが施設の存在意義をさらに確固たるものにすると考えますが、御所見をお聞かせください。
 次に、ATVKの成果指標の在り方についてお尋ねいたします。
 現在、本事業は、「産業創造リーディングゾーン」全体での数値目標の中に位置づけられており、スタートアップ設立数などの量的な数字も重要ですが、本施設の大きな特徴は「アートとテクノロジーの融合」という点であることは申し上げるまでもありません。マッチングの件数だけでなく、「アート思考を取り入れた新商品の誕生」や「感性と技術が融合した異業種連携」といったATVKならではのブランド価値に直結する成果を、よりきめ細かく可視化していくような工夫があれば、府民の皆様にもATVKの特徴の理解も広がり、さらなる発展にもつながるのではないでしょうか。
 行政評価においても、近年は「社会的投資収益率」のような非財務的な価値を測る手法も議論されています。
 そこでお伺いいたします。高い志を持ったイノベーションの質を追求していくことが、結果としてATVKのブランド価値を高めることにつながると考えますが、今後のKPI設定について、開設後2年が経過した今、新たなお考えがあればお聞かせください。
 次に、運営体制のさらなる充実とガバナンスについてです。
 ATVKは、マクセル株式会社様から10年間の無償貸与を受けた土地に府が建物を建設し、それを京都産業21へ無償貸与するという柔軟なスキームを取っております。この枠組みは、初期段階の自由な活動を支える大きな強みであると認識しております。投じられた資金以上の便益を、10年という限られた期間内にいかに府民に還元し、また10年後以降の施設の在り方をどう描くのかという、いわゆる出口戦略は非常に重要な経営課題ではないかと感じております。
 現在の京都産業21に無償貸与という形態は、思惑どおりに大きな発展を遂げる可能性もありますが、指定管理制度のような公募や契約による厳格な規律が働きにくい側面もございます。府としてはランニングコストを把握していないとお伺いいたしましたが、府民の共有財産を預けている立場として、光熱費や人件費を含めた運営コストの全体像を適切に把握し、その費用対効果の透明性をもって公開していく必要があるのではないかと考えます。
 運営団体である京都産業21は公益財団法人であり、その自主性は尊重されるべきですが、一方で公的資金が投じられた施設を管理する以上、指定管理制度に準じた情報公開や経営実態の報告を求めることは、ある意味当然のことと考えています。
 そこでお伺いいたします。10年というタイムリミットがあるからこそ、例えば「中間年での事業評価の導入」や、将来的に補助金依存を脱し、施設利用料などの自主財源を確保するための「具体的な自立ロードマップを策定する」など、出口戦略についてのお考えがあればお聞かせください。
 最後に、ATVKが建つ地元乙訓地域への効果についてお伺いいたします。
 現在、企業サイトにつきましては、10社全ての入居契約が済み、既に3社が開所されているとお聞きしました。満員御礼という大変喜ばしい状況にある一方で、残る企業の皆様の開所に向けた準備期間中も、この貴重な時間を一刻も無駄にせず、地域と密着した活動をさらに深めていただきたいと願っております。
 特に、ATVKで既に活動を始められている企業や団体の皆様が、地元住民の方々と絆を深めていくことは、本事業が地域に根差し、より広く愛されるための非常に大切にしていただきたいポイントであり、また大きな「伸びしろ」であると感じています。
 そこでお伺いします。地元の学生や中小企業の皆様が、より日常的に施設を活用しやすくなるような工夫や、住民の皆様が週末にふらっと立ち寄れるような、開放的なにぎわいの仕組みを今からさらに検討していく余地はないでしょうか。御見解をお伺いいたします。
 これまでの「京都子ども探究博」や「大山崎やまフェス」「乙訓DREAM(ドリーム)フェスタ」などの成功事例をさらに日常の中に広げ、「地元にATVKがあって本当に良かった」と今まで以上に誰もが誇りを持って言える施設となるよう、さらに御尽力いただきますようお願い申し上げ、次の質問に移ります。
 次に、長岡京市の中心駅の一つであり、京都府全体の交通網において重要な拠点である阪急長岡天神駅の連続立体交差事業、いわゆる連立事業について、京都府のお考えをお伺いしたいと思います。
 阪急長岡天神駅の踏切による交通渋滞等の問題は、長岡京市民にとって数十年来の懸案事項であり、この問題の解消は市民にとっての悲願でもあります。駅周辺の踏切は、ピーク時には1時間のうち累積時間が最大37分間閉まっていて、国土交通省の定義によりますと、閉まっている累積時間が40分を超えると「開かずの踏切」と呼ばれます。市民生活の利便性を著しく損なうだけでなく、緊急車両の通行阻害や地域経済の分断を招いています。
 令和5年の決算特別委員会で建設交通部の書面審査において、同問題の解決に有効な連立事業の実現化について京都府の御所見をお伺いしたところ、「多額の事業費に見合った便益の確保が困難である」との御答弁がありました。事業費に見合った便益は重要であり、最近では大きな話題となっています北陸新幹線の延伸など、ほかの公共事業でも大きな課題です。
 しかし、この便益の捉え方そのものが今変化してきています。従来の公共事業評価において、移動時間の短縮や事故の減少といった、いわゆる「道路の3便益」(1)移動時間短縮 2)走行経費減少 3)交通事故減少)が主眼に置かれてきました。しかし、高架化コストが数百億円に上る大規模事業において、自動車交通を中心とした算定のみでは多額の事業費を正当化するほどの便益確保が困難な構造となっています。
 現在、国土交通省の最新指針や他自治体の動向を見れば、単なる踏切の除去といった交通対策の枠組みを超え、「まちづくり」としての価値を正当に評価に組み込む新たな便益の採用事例も見ることができます。例えば、大阪府が実施している南海本線・高師浜(たかしのはま)線の連立事業では、3便益以外の項目を貨幣換算し大規模に計上しています。「歩行者の安心感の向上」では、踏切除却により、自動車や自転車と交錯せずに横断できる効果を「支払意思額」として約40億円。「緊急避難時の迂回解消」では、災害時の徒歩避難経路が短縮される効果を約6.8億円。「高架下空間の利用」では、子育てセンターや高齢者施設など、公共的な利活用による価値として0.5億円を反映。「暫定供用による早期便益」では、事業完了を待たずに、片線高架化の段階で得られる便益を約112億円先行計上するなど、これらのまちづくり効果を積み上げた結果、大阪府はB/Cを1.3に引き上げ、事業の妥当性を強固なものとしています。
 長岡京市議会の議事録をひもときますと、平成26年度の建設水道常任委員会において、本事業の費用対効果は1.28と示されていました。しかし、直近の令和4年度の調査結果では、これが0.33にまで低下していると報告されています。さらに注視すべきは、この0.33という数字が、従来の評価手法のみならず、一部の新たな便益を反映させようと試みた上での数値であるという点です。
 この厳しい現実は、従来の3便益、すなわち移動時間の短縮、走行経費の減少、交通事故の減少のみを積み上げる旧来型の物差しでは、現代の大規模インフラ整備を実現することが極めて困難であることを物語っています。
 しかし、従来の3便益による費用対効果(B/C)が1を下回りながらも、必要と考えられる大規模な公共事業は本府にも多くあり、実現のためには、例えば、このような「まちづくり効果」を積み上げる算定手法の導入を検討することも有意義ではないかと考えます。これまでの3便益だけでなく、「歩行者の安心感」や「災害時の避難利便性」といった多角的な価値を貨幣換算して便益に反映させ、さらに、「まちづくりに必要と思われるが、費用対効果が足りない事業」の実現に向けて、新たな評価手法の導入が必要ではないかと考えられています。
 現在、長岡京市において、阪急長岡天神駅周辺の高架化事業を見据えた面的整備が着実に加速しています。特に直近では、周辺地権者の方々が主体となり、令和7年11月17日に「長岡天神駅西地区再開発準備組合」が設立され、駅前の「医・商・住」一体型の拠点形成に向けて具体的なアクションを開始されました。
 長岡京市議会の議事録をひもときますと、令和7年第3回定例会における長岡京市側の答弁によれば、長岡天神駅西地区の整備着工までは約10年、事業実施計画の策定には数年を要すると見込まれていることが分かりますが、この事業実施計画が策定されて初めてまちづくり全体に対する具体的な便益算出が可能となります。
 長岡天神駅西地区における土地の高度利用による資産価値向上や、駅前広場・公共空間の創出がもたらす「にぎわい」は、連立事業において「まちづくり」としての価値を評価に組み込む「新たな便益の採用」によってB/Cを押し上げる強力な根拠となります。令和7年第3回定例会における長岡京市の答弁において、数年後に出される西地区の便益を連立事業にオンしたいとの意向を示されています。そのためには国や府との調整が不可欠となると考えています。
 そこでお伺いします。再開発準備組合の設立という、地元の熱意が具体的な形となって動き出している今、この面的整備によって生じる経済波及効果を事業評価に組み込んでいくことについてはどのようにお考えでしょうか。特に、西地区整備は高架化事業の完了を待たず先行して進む計画ですが、その「相乗効果」や「先行して発現する便益」を評価し、早期の事業化判断へつなげていくことについて、府の御所見をお聞かせください。
 連立事業の実現には、長期の年月を要します。長岡京市は、平成30年から京都府・阪急電鉄との三者による勉強会を継続し、工法の比較検討や役割分担の整理を進めてきてこられました。しかし、事業完了までには20年から40年を要する可能性があり、その間の踏切による交通渋滞や安全性確保等は待ったなしの課題です。
 特に、天神踏切前後の道路は4車線から2車線に絞られる変則的な形状となっており、安全面や交通円滑化の観点から課題が大きいと認識されています。長岡京市は、鉄道の分岐器のポイント移動等の物理的改良は高架化の可能性を閉ざすとして慎重な構えですが、中期的な安全対策の必要性は認めています。また、国に対しても、「まちづくり便益」の重みづけを要望しているとのことですが、これらを具体的な算出根拠として磨き上げるためには、広域自治体である京都府の強力な技術的支援が欠かせません。
 さらに、公共事業評価において、将来の価値を現時点の価値に引き直すための計算に使われる社会的割引率は現行では4.0%でありますが、この現行の4.0%を見直すのも連立事業を早期実現するための要素の一つではないかと考えています。
 そこでお伺いします。地元の期待に応え、早期の都市計画決定と事業着手を実現するため、便益の磨き上げも重要な要素となりますが、京都府のお考えと、この連立事業への思いについてお聞かせください。
 また、高架化が実現するまでの長期間、踏切周辺の変則的な道路形状等による危険箇所に対し、府として、これまで以上に安全対策を講じていただきたいと考えていますが、検討事項等があればお聞かせください。
 阪急長岡天神駅周辺の立体交差化は、私は、単なる鉄道工事や、1自治体のインフラ整備にはとどまらない多くのプラスの効果が府民全体にあると考えています。長岡京市の都市構造を根本から変革し、京都府全体の活力向上と防災力強化に寄与する歴史的転換点となるほどのプロジェクトではないでしょうか。長岡京市が進める、医・商・住の拠点形成、歴史的景観の整備、そして地権者の主体的なアクション。これら全てが事業の価値を表しているのではないかと考えます。京都府では、多額の事業費に見合った便益の確保が困難であるために実現が難しい事業について、「まちづくりとの相乗効果によって、いかに高い投資価値を生み出すか」とのお考えを取り入れることを、ぜひ御検討いただけないかとの思いで質問をさせていただきました。
 以上、御答弁をよろしくお願いいたします。

◯知事(西脇隆俊君)

◯議長(荒巻隆三君) 西脇知事。
   〔知事西脇隆俊君登壇〕

◯知事(西脇隆俊君) 西條議員の御質問にお答えいたします。
 ATVKについてでございます。
 アートとテクノロジーの融合による新産業創出を理念に、建設前から研究会活動を実施いたしました結果、10区画全てで入居が決定し、うち7社は香港をはじめとした府外企業であり、「化学反応」を促進する多様な文化や技術を有する京都の魅力の大きさを実感しているところでございます。
 立地企業の具体的な取組といたしましては、京都工芸繊維大学と共同開発した「アートとテクノロジーの融合」をコンセプトとした空間を体験できるモデルハウスの建設や、先進的なAR・VRコンテンツを体験できる移動展示車の開発及びハロウィンイベントにおけるユーザー体験会の実施のほか、AIを組み込んだ高齢者のウェルビーイングをサポートするソフトの京都大学との共同開発及びスマートフォンでも利用可能なウェブ版の開発、さらに丹後の黒米(くろまい)を活用した肌ケア化粧品の開発が行われ、既に販売が開始されますとともに、京都水尾の「実生(みしょう)ゆず」など、地域素材の活用の検討も始まっております。
 また、LEDディスプレイを加工したウェアラブル・サイネージをニューヨークのファッションショーで発表といった独自の付加価値も生まれ始めております。
 加えまして、オープンイノベーション活動をさらに推進するため、「フェムテック」「子どもの能力開発」「ロボティクス」「アート」の4つのテーマで部会活動を行った結果、AIを活用し子どもが作曲できる教育システムの開発が進展し、ルワンダ、台湾、日本でワークショップを開催、その成果を大阪・関西万博で発表。フランスの医療用アロマ基準に準拠した商品を開発し、調剤薬局での販売開始といった成果も生まれております。
 ATVKではフランスのヴァルドワーズ県のほか、京都府が連携協定を締結しております英国の世界的な芸術大学とも交流を進めているところでございます。
 さらに、来年度には「アート思考」を全面的に取り入れた「アート経営」につきましても大学と共同研究を進めることとしております。
 こうしたネットワークも生かし、多彩な分野でオープンイノベーション活動を支援し、洛北・鷹峯(たかがみね)の光悦(こうえつ)村から琳派(りんぱ)が生まれましたように、ATVKから新たな商品や技術、サービスが生まれるよう積極的に取り組み、新産業の創出につなげてまいりたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係理事者から答弁させていただきます。

◯商工労働観光部長(上林秀行君)

◯議長(荒巻隆三君) 上林商工労働観光部長。
   〔商工労働観光部長上林秀行君登壇〕

◯商工労働観光部長(上林秀行君) ATVKにおけるKPIの考え方についてでございます。
 KPIについては、京都府総合計画及び国の交付金事業の目標として、スタートアップ企業設立数や、大企業等とスタートアップとのマッチング件数、参画団体数の増加といった指標をATVKを含む産業創造リーディングゾーン全体で設定しております。
 他拠点のリーディングゾーンと連携して、これらの目標が達成できるよう努めるとともに、アートとテクノロジーの融合による新産業創出を図るため、「アート思考」による新たなものづくりやビジネスの開発などに取り組んでまいります。
 次に、出口戦略についてでございます。
 ATVKにおいては、現在、京都産業21が施設活用団体として施設の認知度向上や入居企業への支援、施設の維持管理など、拠点運営の根幹となる役割を担い、施設利用の活性化に努めております。京都府としましては、企業や大学等とのマッチングイベントである「ビジネス交流博」や、テーマ別部会の活動など、アートとテクノロジーの融合による新産業創出につながる具体的な取組に対して、事業効果を見極めながら支援を行っております。
 令和14年12月までとなっている土地の貸与期間を一区切りとして、多様な主体が交わる施設や交流機能を整えるとともに、新たなプレーヤーを呼び込むことで連携の裾野を広げ、交流の中から新たな価値や事業の芽を育て、持続的に新産業が生まれるエコシステムの形成を目指しているところです。
 引き続き、京都産業21を含めオール京都の産学公のネットワークや、各種支援制度等を最大限に活用し、アートとテクノロジーの融合による新産業創出に向けた取組を加速させてまいります。
 次に、地域に開かれた拠点づくりについてでございます。
 ATVKにおいては、施設を一般開放するとともに地域住民が集い、交流できる芝生の憩いの場を設けているほか、昨年10月からは土曜日も開館し、地域住民や中小企業に気軽に利用いただけるよう努めているところです。
 また、令和6年度から実施する「京都子ども探究博」では、毎年地域住民を含む1,000人以上の方に来場いただいているほか、府内企業にも多数出展いただいております。
 今年度の「京都子ども探究博」では、京都機械金属中小企業青年連絡会による切削・旋盤・板金等のものづくり体験のほか、乙訓管内の企業によるお香の製造工程を学べる出展、チェーンの組み立て体験ワークショップ等、魅力的な体験プログラムを実施しました。
 これらの取組では、いずれも出展企業のきめ細かな目配りと創意工夫の下、ものづくりの現場に近い形での体験が提供されたことから、ATVKの開放的な空間を生かして多くの子どもたちが日頃見られないものづくりの技術に触れることにつながり、地域産業の魅力を身近に感じられる機会となったところです。
 今後もこうしたイベント等を通じて、ATVKの開放的な雰囲気やオープンイノベーションの取組を発信し、より多くの地域住民や中小企業に利用いただける施設づくりを目指してまいります。

◯建設交通部長(石井宏明君)

◯議長(荒巻隆三君) 石井建設交通部長。
   〔建設交通部長石井宏明君登壇〕

◯建設交通部長(石井宏明君) 阪急長岡天神駅周辺の連続立体交差事業についてでございます。
 連続立体交差事業は、道路と鉄道との交差部において、鉄道を高架化することなどによって複数の踏切を一挙に除却し、踏切渋滞や踏切事故を解消するなど都市交通を円滑化するとともに、鉄道により分断された市街地の一体化を促進する事業でございます。
 大きな事業効果が期待できる一方で、大規模な事業となることから、都道府県や政令市が施行者となり都市計画事業として実施されることとされております。
 長岡天神駅周辺の鉄道の高架化は、長岡京市の「阪急長岡天神駅周辺整備基本計画」に位置づけられたまちづくりの中核的な事業として重要なものと認識しております。基本計画では、まちづくりのコンセプトである「ひと中心の賑わいのあるまち」を実現するため、駅周辺エリアを中心とした土地区画整理事業などによる面的整備、東西市街地の分断と交通混雑の解消に向けた鉄道の高架化と道路ネットワークの整備、住居・商業・都市サービス等の都市機能の充実に向けた宅地の再編を同時に進める考えが示されているところでございます。
 長岡天神駅周辺の鉄道を高架化する連続立体交差事業に関しましては、平成30年から長岡京市、京都府、鉄道事業者である阪急電鉄が参加する勉強会を重ねてきており、議員御指摘の事業化の妥当性を評価する際に必要となる費用便益分析の手法などについても検討しているところでございます。
 長岡京市の基本計画に示されているとおり、鉄道の高架化と土地区画整理事業などの面的整備は、賑わいのあるまちづくりのために一体的に計画されているものであり、事業を実施していく上で必要となる事業評価についても、一体的に行う方向で検討していくべきと考えております。
 国の費用便益分析マニュアルにおきましては、連続立体交差事業の便益は、鉄道の高架化による踏切渋滞や踏切事故の解消など、道路交通関連便益のみの計上となっておりますが、参考資料部分では、まちづくり関連の他事業により発生する事業効果と一体的に評価する手法も紹介されているところであり、また、京都府が施行主体となり平成17年度に開通した福知山駅付近連続立体交差事業においては、区画整理事業の便益と一体的に事業評価を実施した実績もございます。
 議員御紹介の長岡天神駅西側で進む市街地再開発事業の計画につきましては、準備組合が設立された段階であり、計画の具体的な内容はこれから検討が進められるところでございます。一体的な事業評価に向けた今後の検討課題といたしましては、連続立体交差事業や市街地再開発事業などでは、地権者はもとより周辺住民や鉄道事業者など多数の関係者による合意形成が不可欠であり、一体的な事業計画として相乗効果が期待できるものになるかどうか、今後のまちづくりの進捗状況も踏まえつつ、確認していく必要があると考えております。
 連続立体交差事業は、多額の事業費と完成までに長期間を要する大規模な事業でございます。京都府といたしましては、市街地再開発事業等との相乗効果を含め、長岡京市のまちづくりへの貢献を幅広く評価する検討を進めるとともに、コスト面については、類似事例も参考にして事業費増のリスクも適切に踏まえるなど、中長期的な視点に立ち、他事例も参考にしながら検討を進めていくことが必要と考えております。そのため、先ほど申し上げた長岡京市等との勉強会においては、他府県の類似事例の視察なども行い、多様な手法などを研究しているところでございます。
 今後とも、長岡京市の目指すまちづくりの実現に向け、連続立体交差事業の検討だけでなく、土地区画整理事業などの面的整備についても必要な協力を行いつつ、国とも情報共有を図りながら検討を深めてまいりたいと考えております。
 次に、天神通踏切周辺の安全対策についてでございます。
 長岡天神駅の南側に近接する天神通踏切は、都市計画道路長岡京駅前線内にあり、長岡京市の基本計画に位置づけられている鉄道の高架化による除却対象の踏切でございます。
 現在、都市計画道路長岡京駅前線については、長岡天神駅周辺のまちづくりの一環として、長岡京市により、踏切区間を除いて、4車線化の工事が進められております。工事完了後は、踏切区間部分のみが暫定的に2車線として供用されることになることから、工事主体の長岡京市とも連携し、踏切区間の手前から車線を4車線から2車線に絞るとともに、道路標示や看板などによる注意喚起を行うなどの安全対策を検討しているところでございます。
 また、道路拡幅区間で車線数を2車線に絞る区間については、交差点の右折レーンの設置や、バスの停車スペースの確保など、安全対策とともに道路空間の有効活用を通じた利便性の向上も図ってまいりたいと考えております。
 これまで、道路管理者として長岡京市と事業の進捗や工事の留意点などについて協議を実施してきたところであり、さらなる安全対策や道路空間の有効活用につきましても、引き続き連携して取り組んでまいります。

◯西條利洋君

◯議長(荒巻隆三君) 西條利洋議員。
   〔西條利洋君登壇〕

◯西條利洋君 御答弁ありがとうございました。
 ATVKが単なる箱物ではなく、京都産業21の皆様のネットワークを生かした「化学反応の場」として着実に歩んでいることを確認でき、心強く感じております。10年という限られた期間の中で、いかに価値を最大化し、つなげていくか引き続き注視してまいります。また、引き続き地元の皆様が誇りを持て、京都全体のイノベーションを牽引する聖地となりますよう、引き続き御尽力いただけましたら幸いです。
 阪急長岡天神駅の高架化事業が抱えるB/Cの壁は非常に高いものと認識しておりますが、当局においても「まちづくり」との相乗効果や、地元の熱意を十分に酌み取っていただいていることが伝わり安堵いたしました。ありがとうございます。
 また、事業完了までの長い期間、踏切周辺の安全確保についても、現場に即した対策を御検討いただけているとのこと、住民の不安解消につながるものと確信しております。長岡京市の歴史的な転換点となるこのプロジェクトが一歩ずつ着実に前進するよう、今後とも強力な後押しをお願い申し上げます。
 最後になりますが、大山崎町の交通安全対策、特に大山崎小学校周辺の通学路における安全確保につきまして、1点要望いたします。
 現在、朝の通勤時間帯には、国道171号の渋滞を避けようとする他府県ナンバーの通過車両が生活道路に流入するのが見受けられます。地域住民の生活圏であり、何より児童の通学路において交通量が多いように感じました。抜け道として利用されている現状に、保護者や地域の方々は深い不安を抱いております。どうか現場の実態を再度、御調査いただけないでしょうか。その上で、時間帯による進入制限や一方通行化など、実効性のある安全対策を何とぞ御検討くださいませ。
 子どもたちが安心して通学できる環境づくりは地域の共通の願いです。住民の切実な声に寄り添い、前向きな御対応をいただけますよう伏してお願い申し上げ、私の質問を終わります。
 御清聴いただき、誠にありがとうございました。(拍手)