議会活動

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1 京都の強みを生かしたシリコン半導体集積回路デバイス
  産業の振興について
2 本府の農業を取り巻く課題と今後の取組について
3 その他


議事録全文は準備中です。

議事録全文

◯北岡千はる君

国民民主党・日本維新の会京都府議会議員団の北岡千はるでございます。さきに通告しております数点につきまして、西脇知事並びに関係理事者に一括して質問させていただきます。御答弁のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 初めに、京都府の産業振興の一環であります「(仮称)京都半導体バレー構想」について質問いたします。私は令和6年12月定例会におきまして、京都の強みを生かした半導体産業について質問いたしましたが、今回はとりわけシリコン半導体集積回路デバイス産業の振興という観点で4点についてお伺いいたします。
 令和6年度第3回府市トップミーティングが開催され、「(仮称)京都半導体バレー構想」の骨格案が示され、この京都において半導体産業の振興を目指すことで合意されました。まず、「VLSIシンポジウム」という国際会議についてお聞きします。
 この会議は1981年に始まり、半導体電子デバイス技術分野としてIEDM(International Electron Devices Meeting)や半導体回路に特化したISSCC(International Solid-State Circuits Conference)と並んで、世界三大半導体国際会議として著名な国際会議と言われており、日本と米国の学会関係者の尽力により、日本主導の最高峰国際会議へと育ってまいりました。偶数年の6月には米国ハワイホノルルで、そして奇数年にはこの京都で6月に開催されてきました。今年は奇数年ですから、京都で「第45回VLSIシンポジウム」が6月8日から12日まで5日間、開催されました。
 報道によりますと、参加者も論文投稿数も過去最高を更新し、盛大に開催できたということであります。さらに、京都開催での参加者数は、ホノルル開催の参加者より常に多いと報じられています。このことを考えると、京都は半導体と縁深く、44年前から半導体業界に寄せる期待が大変大きいと感じます。そして「(仮称)京都半導体バレー構想」、知事のおっしゃる「京都の強みを生かす企業立地」は、まさに今、強く推進する好機と考えます。
 また、府市の関係者の企画と努力により、「VLSIシンポジウム」開催中の京都において、「AI時代に向けたものづくり産業振興戦略フォーラム」が開催され、国際的に著名な半導体関連の研究者の方々を講演者として招き、「VLSIシンポジウム」の参加者も多く参加されたと聞いており、非常にすばらしい「VLSIシンポジウム」との連携だと思います。
 そこで、お尋ねします。
 次回の「VLSIシンポジウム」の京都開催は2027年になりますが、この「VLSIシンポジウム」との連携を今後も継続的になされるべきであり、例えば「VLSIシンポジウム」の本会議のオープニングやレセプション等の場面において、「(仮称)京都半導体バレー構想」への連携・協力につながるメッセージを世界の半導体関係者に発信をしていただけたらと存じますが、お考えをお聞かせください。
 世界半導体市場統計(WSTS)によれば、おおむね年当たり十数%の成長が予測されていて、カレンダーイヤーで2025年の今年は、7,000億ドルと予測されています。1ドル148円とすると100兆円を超える市場規模になります。
 半導体デバイスと言っても幾つかの種類に分けられますが、この100兆円のおよそ90%がシリコン半導体集積回路デバイス、つまりICやLSIと言われるものであります。昨今言われておりますAI技術になくてはならないシリコン半導体集積回路デバイスであるGPUというデバイスをはじめ、パソコンやスマートフォンの頭脳部であるCPU、そしてそれらが演算するに当たり一時的にデータを保存しておくDRAM(ディーラム)というメモリ機能のあるデバイス、また半永久的にデータを保存できるNAND(ナンド)フラッシュメモリなどがあり、さらに家電製品の多くはMPUが搭載されており、私たちの身の回りにある電気を使って動いているありとあらゆるものに、シリコン半導体集積回路デバイスは搭載されています。
 このシリコン半導体集積回路デバイスの産業規模が大きいからこそ、産業振興としての効果が大きく、この産業に京都府、京都市が産業振興施策を実行するということは、まさに「産業のコメ」の世界に飛び込み、この京都の経済発展を導くということであり、すばらしいことであると承知いたしております。
 今から約125年前の明治34年、福岡県北九州市に官営八幡製鉄所が稼働し始めました。この日本が欧米列強各国に経済産業力として追いつくため、「鉄は国家なり」の精神を持ち、日本経済の成長を支え、我々を豊かにしてくれたのが製鉄産業と承知しています。シリコン半導体集積回路デバイス産業は、まさに現代版の「鉄は国家なり」、つまり「半導体は国家なり」の精神です。
 現在、政府は、経済産業省が中心となり台湾のTSMCの製造技術で受託生産を行う熊本のJASM(ジャスム)を資金支援し、さらに2ナノメートル世代と言われている製造技術を目指すラピダスを資金支援し、現代版の官営八幡製鉄所の精神、官営半導体製造工場と言えると考えているのではないかと仄聞いたします。
 そこでお尋ねします。
 現在、「(仮称)京都半導体バレー構想」について様々に具体策を検討されていると思いますが、熊本にJASM(ジャスム)、北海道千歳にラピダスが立ち上がろうとしている中、「この京都にも広大な土地、豊かで良質の水・電力の供給に余力が必要なシリコン半導体集積回路デバイス工場を」ということも選択肢としてあり得るとお考えでしょうか、御所見をお聞かせください。
 広大な土地、豊かで良質の水、電力の供給といった観点でのインフラ条件が整うことに加え、交通の利便性もシリコン半導体集積回路デバイス工場の誘致に必要な条件と考えますが、これらを整えることが可能で、かつ誘致に応えるシリコン半導体集積回路デバイスの製造企業があるなら前向きに考えてもよいとは考えますが、しかし私は、むしろ京都はものづくりということにかかわらず、知事のおっしゃる「京都の強みを生かす企業立地」、つまり「この京都の大学や研究機関において高度な教育・研究を経験した、京都、日本、世界の将来を担う若者がいます」という観点で、先ほど申しましたシリコン半導体集積回路デバイスの受託生産を担うJASM(ジャスム)やラピダスで作るもの・製品を企画し、設計し、JASM(ジャスム)やラピダスに製造を委託する機能を持つシリコン半導体集積回路デバイスの「デザインセンター」、ここでは広い意味での「デザインセンター」で製品・戦略企画も含みます、これをこの京都に誘致すべきではないでしょうか。
 先般、7月22日に日本IBMの京都リサーチパーク事業所が開設されました。IBMの研究開発組織である「IBM Reserch」の半導体研究、並びに半導体生産を支える製造実行システムの開発拠点としての機能を持つと公表されています。このことは京都にとって非常に喜ばしいことで、「(仮称)京都半導体バレー構想」にとっては追い風ではないでしょうか。IBMやNVIDIA(エヌビディア)、Qualcomm(クアルコム)などをはじめ、GAFAM(ガーファム)のような世界のビッグネームのファブレス企業の「デザインセンター」、製品戦略企画拠点の誘致をすべきであると考えます。
 京都に働く場があるなら京都で働きたい、住みたいと考える人、その家族は世界中に多くいらっしゃるはずです。ビッグネーム企業の一流のエンジニアと日本のエンジニアとともにこの京都で仕事をし、またこの京都の大学で学んだ若者の働き先ともなり、産業振興とともに雇用の確保、税収の確保にもつながります。
 経済産業省は、まずシリコン半導体集積回路デバイスの製造という観点でJASM(ジャスム)、ラピダスの1本目、2本目の矢を打ちました。しかしながら、これらは受託生産の会社、工場です。ここで作るものを企画し、製品設計する機能を持つ拠点づくりが3本目の矢として必要なものと考えます。
 そこでお尋ねします。
 このような誘致こそ、知事のおっしゃる「京都の強みを生かす企業立地」という観点での「(仮称)京都半導体バレー構想」のあるべき形の一つではないかと考えますが、御所見をお聞かせください。。
 一方、このシリコン半導体集積回路デバイス産業は非常に広い裾野産業を抱えており、巨大なサプライチェーンによって支えられております。シリコン半導体集積回路デバイス産業界の1980年代の日本は、世界のシリコン半導体集積回路デバイスの売上げトップ10に6社もがその座を守り、世界の50%もの市場シェアも守っていました。経済産業省のレポートによれば、現在は約10%にまで市場シェアが下がり、世間では失われた30年とも言われています。
 しかし、その裾野である半導体製造装置産業では世界のナンバー3の売上げを持つ、日本を代表する東京エレクトロンがあり、この京都には世界ナンバー1の洗浄装置でシェアを誇る企業、後工程(パッケージ組立)のモールドパッケージング装置で世界ナンバー1を誇る企業があります。また、この半導体製造装置を支える部品産業として、この京都にはマスフローコントローラーで世界ナンバー1のシェアを誇る企業もあります。
 さらに、シリコン半導体集積回路デバイスの製造工程における成膜工程で必要な成膜原材料で強みを持ち、昨年夏に旧日本合成ゴムのJSRさんの傘下に入られた企業さんもおられます。また、シリコン半導体集積回路デバイスを最終製品に実装する際、回路基板には幾つもの電子部品が必要であり、この電子部品を供給する企業が、加えて半導体に関わる分析装置・技術に関わる分野に携われている企業がおられます。
 このように市場が大きく裾野の広い産業には、多くの京都企業が事業を営んでおられ、京都の半導体関連企業は、シリコン半導体集積回路デバイス産業領域で主たる事業を行っているため、シリコン半導体集積回路デバイス産業の成長と発展こそ、多く京都の半導体関連企業の成長と発展を支えることになると承知しております。
 そこでお尋ねします。
 このシリコン半導体集積回路デバイス産業を発展・成長させることによって、その裾野で事業を営む多くの京都の半導体関連企業の発展にもつながり、京都の産業と経済の振興と、雇用創出の施策になると考えますが、御所見をお聞かせください。
 次に、京都府の農業を取り巻く課題と今後の取組について質問いたします。
 京都府の農業従事者は、30年間で3分の1以下に減少し、加えて60歳以上の割合は、2020年に約66%となっており、従事者数の減少に伴って高くなっております。一方、農業経営形態の変化や多様な働き方の提供等により、毎年150人程度の新規就農があるものの、従事者数の減少や熟年技術者の離農による労働力不足が生じており、新規就農者にも一定レベル以上の技術が要求されていると伺っております。
 また、温暖化等の自然環境の変化が著しく、日本の年平均気温は100年当たり1.40℃の割合で上昇している状況にあります。特に京都の平均気温・年間猛暑日日数は急激な増加傾向にあり、今年の猛暑日日数と最高気温は過去最高記録を更新し、渇水時期の影響もあり、今後ともに農産物の収量や品質の低下等が危惧されるところです。
 京都府では、これら農業を取り巻く急激な変化、課題解決に向け、令和5年3月に「京都フードテック構想」を策定され、1つには、京都府の農業の特徴に適応した省力化や熟練技術の継承などのためのスマート技術開発と実装、2つとして、気候変動化において高品質・低コスト生産が可能な品種や生産技術等の開発と普及を掲げて尽力していただいておりますが、今後、より一層注力し加速化されることを大いに期待するところであります。
 一方、京都府内をはじめ国内でも様々な農法や生産技術の開発がされており、先般、私はテレビ報道にて、埼玉県杉戸町の農家さんの新技術による稲作、「節水型乾田直播(ちょくは)栽培」を知りました。その栽培法では、種まきのみで、重労働である苗の運搬や代かきが不要で、水の量の調整も少なく、労働時間は70%の削減、機材設備は60%の削減でコスト大幅削減の米作りと紹介されておりました。
 肝心の収穫量は、単純に種をまくだけでは半分以下のところ、ビール酵母資材の使用によって稲の根である根毛の量が増え、栄養成分の吸収がよくなり、結果、慣行栽培法と同じぐらいの収穫量を得るという農法でありました。併せて、直播(ちょくは)栽培の場合、田んぼに水を供給する作業である入水を始める時期までの乾田期間が長いため雑草が発生しやすく、生産者さんを悩ませてきたという課題についても、有効な手立て等、AIも活用した対策が研究実施されているとのことであります。
 京都府では、一次産業の研究拠点である農林水産技術センターにおいて、京都の農業にマッチしたスマート技術開発や新品種、生産技術研究、さらに気候変動への対応等の取組をされ、多くの実績や農業従事者支援等を高く評価するものであります。
 そこでお伺いします。
 紹介いたしました「節水型乾田直播(ちょくは)栽培農法」も含め、農林水産技術センターにおいて、今後の農業に必要な技術開発・研究の状況についてお聞かせください。
 最後に1点、要望させていただきます。
 令和7年度9月補正予算案として、「安定的な用水供給を確保するための取組を支援」並びに「高温に負けない農作物の収穫・品質を維持する取組の支援」についての予算が計上されており、時宜にかなった支援策として評価するものでありますが、高温・渇水の影響は種々様々でありますので、今後も引き続き、記録的な高温・渇水により府内各地に生じたいろいろな影響についての調査を続けていただき、影響を受けた農家へのきめ細かな伴走支援を講じていただきますよう、切によろしくお願いいたします。
 以上で、私の質問を終わります。御清聴、誠にありがとうございました。(拍手)

◯知事(西脇隆俊君)

◯議長(荒巻隆三君) 西脇知事。
   〔知事西脇隆俊君登壇〕

◯知事(西脇隆俊君) 北岡議員の御質問にお答えいたします。
 「VLSIシンポジウム」との連携についてでございます。
 近年のAI技術の急速な進展により、AI化のキーデバイスである半導体の性能が飛躍的に向上しております。半導体の技術分野は、材料、回路設計、製造プロセスなど多岐にわたり、それぞれが半導体の性能向上に伴って高度化しております。半導体の新たな技術開発のためには、最新の動向をいち早く把握し、国内外の優れた企業や研究機関と連携することが不可欠であり、世界中から大学や企業の研究者が集まり、最先端の研究成果を発表する国際会議は、情報収集や連携の最も有効な機会となると考えております。
 このため、世界的な半導体の国際会議である「VLSIシンポジウム2025」が京都で開催されるチャンスを生かし、半導体に関する情報収集・発信やビジネスマッチングを進めるため、京都府・京都市の協調によりシンポジウムと連携した「半導体振興フォーラム」を開催したところでございます。
 フォーラムにおきましては、シンポジウムに集まる半導体の研究者に、京都の半導体産業の強みを発信いたしますとともに、半導体製造装置や半導体材料を製造する京都企業11社に展示・出展いただき、京都の半導体関係企業との交流を図っていただきました。
 また、世界的権威である「VLSIシンポジウム」との連携により、世界の半導体技術開発をリードするベルギーの研究機関imec(アイメック)もフォーラムに御参加いただくことができ、私が台湾に訪問して招聘いたしました工業技術研究院(通称ITRI(イトリ))などとのトークセッションの開催につながりました。
 フォーラムには約200名の方が参加され、「著名なimec(アイメック)やITRI(イトリ)が参加されていることに驚いた」「京都の半導体関連産業の多様性に感銘を受けた」とのお声をいただいたところでございます。こうして生まれた国内外の企業や研究機関とのつながりを継続していくための場として「サロン」を開催しており、今後、最先端の研究開発の情報交換や協業による新たな研究プロジェクトを創出してまいりたいと考えております。
 今後とも、「VLSIシンポジウム」などの場を活用して、京都の半導体産業の振興の取組を世界に発信し、国内外の最先端の半導体関連の企業や研究機関と京都企業との連携の強化を図ってまいりたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係理事者から答弁させていただきます。

◯商工労働観光部長(上林秀行君)

◯議長(石田宗久君) 長谷川健康福祉部長。
   〔健康福祉部長長谷川学君登壇〕

◯農林水産部長(小瀬康行君) 京都府農業を取り巻く課題と今後の取組についてでございます。
 気候変動に伴う生産の不安定化や高齢化による担い手の減少、消費者の食の多様化など農業を取り巻く情勢は大きく変化しており、京都府農業の持続的な発展には、将来を見据えた研究開発を着実に進め、生産性や付加価値の高い農業を実現することが必要だと考えております。
 京都府では、これらの現場課題の解決に向けまして、令和5年に「京都フードテック基本構想」を策定し、「農業経営のリスクを高める気候変動への対応」「生産性の向上を図るスマート技術の開発」「新たな需要創造につながる付加価値の創出」の3つの研究テーマに重点化して取組を進めているところでございます。
 気候変動への対応に向けましては、近年常態化する高温・渇水に対応するため、新品種育成や環境制御技術、生育・病害虫予測などの研究を強化しており、高温に強い水稲や京野菜の新品種の育成・導入や宇治茶の育成・病害虫の予測システムの開発・普及を図っているところでございます。
 スマート技術の開発に向けましては、深刻化する担い手不足の解消を図るため、中山間地域の多い京都府の農林水産業に適応した栽培管理の省力化や自動化の研究などに取り組んでおり、新たに企業や大学との連携により、万願寺とうがらしの自動収穫ロボットの共同研究を始めたところでございます。
 新たな需要創造に向けましては、多様化する消費者ニーズを踏まえ、京都ブランドの優位性をさらに高めるため、京野菜や宇治茶に多く含まれる機能性成分を高める栽培技術の確立やエビデンスの取得などの研究に取り組んでいるところでございます。
 こうした研究テーマの重点化と併せまして、産学公民連携による研究体制の強化を図るため、幅広い分野の研究者が交流し情報交換や共同研究の機会を生み出す研究ネットワークといたしまして「京都フードテック研究連絡会議」を設置いたしますとともに、今年度から公募型研究開発事業を創設し研究開発を加速しているところでございます。
 さらに、農林水産技術センターを綾部市の農業大学校用地に移転し、研究開発と人材育成を一体的に行う拠点として整備する方針を決めており、現在、重点化した研究テーマへの対応と併せまして、幅広い分野の共同研究を効果的に推進できるよう、整備計画の検討を進めているところでございます。
 議員御紹介の「節水型乾田直播(ちょくは)栽培」は水稲の生産性を飛躍的に高めることから、京都府としても注目している新技術でございまして、こうした全国レベルの先進的な研究成果につきましても、農林水産技術センターによる実証・評価を踏まえて、現場に実装することが重要だと考えております。
 今後とも、農林水産技術センターの機能強化をソフト・ハード一体となって進め、最先端の技術や生産システムの導入による魅力ある京都府農業を実現してまいりたいと考えております。