議会活動

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1 「こども誰でも通園制度(国)」及び「親子誰でも通園
  制度(府)」について
2 通級における指導(通級指導教室)について
3 その他


議事録全文

◯楠岡誠広君

◯議長(荒巻隆三君) 次に、楠岡誠広議員に発言を許可いたします。楠岡誠広議員。
   〔楠岡誠広君登壇〕(拍手)

◯楠岡誠広君 国民民主党・日本維新の会京都府議会議員団の楠岡誠広でございます。通告に基づき、数点質問させていただきます。
 まずは、「こども誰でも通園制度」及び「親子誰でも通園制度」について、知事並びに関係理事者に伺います。積極的な御答弁を何とぞよろしくお願いいたします。
 「こども誰でも通園制度」は、保護者の就労状況にかかわらず0歳6か月から満3歳未満の子どもが、月10時間までの利用枠において1時間単位で柔軟に保育施設を利用できる新たな国の制度で、子育て家庭の孤立感や育児不安の軽減、子どもの健やかな育ちの支援を目的とした国の少子化対策の一つです。
 令和6年6月に成立した「子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律」により創設され、令和6年度は118自治体で実施、令和7年度は法律上制度化され各自治体の判断で実施され、令和8年度翌年度からは法律に基づく新たな給付制度として全自治体で実施されます。
 本府内では、令和6年度より京都市の40施設、宇治市の11施設の計51施設で、「こども誰でも通園」を試行実施されております。併せて、本府の独自施策である「親子誰でも通園モデル事業」も、そのうち京都市4施設、宇治市9施設の計13施設で同時に展開され、乳幼児との関わり方、親同士の仲間づくり、育児の悩み相談など、「親育ち」も支援をしております。「親子誰でも通園」は、令和6年度は延べ470人、2,146時間の利用、令和7年度は府内全域で拡大、8月末時点で16市町村の94施設において実施予定となっていると聞いております。
 昨年度9月には、宇治市「みんなのき三室戸こども園」にて知事による視察と「行き活きトーク」が実施され、私も地元議員として参加し、親子が保育士さんたちと一緒に生き生きと楽しむ姿を拝見いたしました。
 実は私の子どもも本制度を利用してまいりまして、「最初は保育園が怖かったけれども母親と一緒だから頑張れた」「少しずつ慣れ泣かずに一人で通えるようになった」など、子どもの成長を感じてまいりました。母親目線でも、家庭での子どもとの距離感についてなど育児の悩みを聞いてもらい、様々なアドバイスをいただき心強く感じておりました。また、複数の施設体験は、本格的な入園前に貴重な経験となりました。心から感謝を申し上げます。総合支援システムもスマホから簡単に申込みや変更もでき、見やすく使いやすい印象でございました。
 ただ、課題として、人手不足の現場は負担も大きいだろうなというところは伝わってまいりました。分園として専用に場所や人材を確保できているようなケースもあれば、通常の保育現場において在園児と一緒に受け入れながら、最初、一人の子どもに専任スタッフが別途対応されるなど様々な工夫で本制度を回している現状を知り、安全性や採算面も含め、実施する事業者への制度的な課題もあるんだなというところは率直に感じました。
 また、お話を聞いた施設からも、やはり人員が割かれる分、在園児に対する配置基準との兼ね合い、工夫が必要と感じるといった現場の声も伺いました。
 また、さきの9月議会の決算特別委員会においても、「親子誰でも通園」について現地調査をさせていただき、令和6年度実績報告や訪問時点での現状や人材確保の課題などを伺いました。また、要望として、親子同時通園の評価、つまり加算に関してなどの明確化や、短時間枠・相談時間の柔軟評価によって持続可能な運営につなげること、さらには行政、医療、地域拠点への橋渡しなど連携費用の運用保障なども挙げられておりました。
 本府も親子同時通園の加算に関しては、本年7月に上げた国への政策提案の中で、令和8年度からの「こども誰でも通園制度」の本格実施に当たり、保護者への「親育ち支援」に対する加算などの創設及び、必要な予算の確保を求めていただいております。
 そこで、お伺いいたします。
 まずは、令和8年度の本格実施に向けて親子通園への加算などに関して、見込みはいかがでしょうか。本事業の継続的な実施をするために必要な加算だと考えますが、現状、いかがでしょうか。
 もし国での加算が実現しない場合、モデル事業での現在のスキームと同様に、今後も本府として独自に親子通園を財政的に支えていく考えはございますでしょうか。
 次に、「一時預かり制度」との整合性についてです。
 「こども誰でも通園制度」は、子どもの成長に寄与するというコンセプトの基に制度が創設されております。一方で、「一時預かり」については、レスパイトなど親の希望によって子どもを一時的に預かっていただけるという制度で、両者は根本的に違う思想を持ったものではあります。ただ、現場にとっては、子どもを一定時間受け入れて対応することに変わりはなく、とまどいがあるのが正直な感想だとも聞いております。
 また、こども家庭庁のホームページにあります「こども誰でも通園制度の制度化、本格実施に向けた検討会」の資料にも、「一時預かり」に関わる課題が様々挙がっておりました。総合支援システムも「一時預かり」を包括した仕組みにはまだなっておらず、例えば施設側は、ある時間に空き枠があっても、どちらの制度のために確保しておけばよいのかという課題もありますし、利用者側も申込窓口が2本あり、複雑だと感じます。
 国の制度におきましても、「こども誰でも通園制度」の上限10時間を超えた分は、地域の実情に合わせて「一時預かり」を利用することもできるとされており、コンセプトは違えど、両者が同じ役割を果たしている現状もあり、私の経験からも、両制度の関わりが子どもの成長に寄与していると感じてまいりました。
 そこでお伺いいたします。
 この「一時預かり」との整合性、今後の連携などは、国のシステム設計や市町村の運用にもよりますが、本府としての課題認識をどのように持って今後対応していくか、展望を伺います。
 最後の1点は、満3歳を迎えた子どもへの対応です。
 本制度は、0歳6か月から満3歳を迎えるまでの2歳児が対象となっております。一方で、保育無償化の対象となる年少さんと呼ばれる3歳児クラスは、4月時点で3歳であり、その年度に4歳になっていく子どもたちを指します。つまり、例えば本日12月10日に誕生日で満3歳を迎える子どもは、翌年度の4月の3歳児クラスへの本格入園まで4か月ほどの空白期間が生じます。
 幼稚園の制度では、満3歳クラスからの無償化の対象もありますが、幼稚園に入ることができた場合はいいですが、幼稚園がない地域もあります。そもそも保育園が前提の方、年度途中での入園が難しい現状も加味すると、例えばこれが5月生まれの方でしたら1年近い空白期間となるわけで、これは大きな課題だと感じております。
 そこでお伺いいたします。
 福岡市では、満3歳を迎えた後もその年度末まで「こども誰でも通園制度」を利用できるといった独自モデルの事例もございますが、満3歳を迎えた後も年度末までの利用を本府で補助するような方針はございますでしょうか。
 もしくは、府内の市町村で独自に実施することがあれば、その財源を積極的に支援していく考えはありますでしょうか。
 以上、「こども誰でも」「親子誰でも」両通園制度に関して3点の質問です。御答弁をよろしくお願いいたします。

◯知事(西脇隆俊君)

◯議長(荒巻隆三君) 西脇知事。
   〔知事西脇隆俊君登壇〕

◯知事(西脇隆俊君) 楠岡議員の御質問にお答えいたします。
 「親子誰でも通園制度」への財政支援についてでございます。
 0から2歳児の約6割が未就園児である中、地域で子育ての不安や孤立感を感じておられる子育て家庭を支え、安心して子育てができる環境づくりを進めることが重要だと認識しております。
 こうした子育て家庭への支援といたしまして、令和8年度から「こども誰でも通園制度」が全国制度として本格実施されるところでございますが、京都府におきましては、保育園等に親子で通園することが育児の悩み解消や親同士の仲間づくりなどの「親育ち支援」につながると考え、令和6年度からモデル事業といたしまして「親子誰でも通園制度」に取り組んできたところでございます。
 令和7年度には、「親子誰でも通園」の取組が府内全域に広がるよう対象を拡大し、現在、16市町94施設で親子通園の取組が行われているところでございます。
 実際に制度を利用された方へのアンケートでは、約8割の方が「子どもへの愛情が深まった」「子育てに対する不安や悩みが軽減した」と回答されており、「親育ち支援」が子どもの育ちによい効果があることを確認しているところでございます。
 令和8年度からの「こども誰でも通園制度」につきましては、現在、国の「こども誰でも通園制度の本格実施に向けた検討会」におきまして、制度設計や公定価格について議論がなされているところでございます。
 京都府におきましては、取組の開始当初から国に対しまして、「こども誰でも通園制度」における「親育ち支援」の取組への加算等の創設や必要な予算の確保について繰り返し要望しており、直近では先月上旬、私からも直接要望をお伝えしたところでございます。
 要望の実現の見込みなどにつきましては、国制度が検討中の段階のため現時点ではお答えすることが困難でございますが、検討会での議論を見守りながら継続的に国に対しまして働きかけますとともに、引き続き府域で「親育ち支援」が行われるよう必要な検討を行ってまいりたいと考えております。
 今後とも、「子育て環境日本一・京都」の実現を目指して、市町村や保育関係団体と連携し子育て家庭が自信を持って子育てを楽しめる環境をつくり、「子育ち」と「親育ち」を支援してまいりたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係理事者から答弁させていただきます。

◯健康福祉部長(井原正裕君)

◯議長(荒巻隆三君) 井原健康福祉部長。
   〔健康福祉部長井原正裕君登壇〕

◯健康福祉部長(井原正裕君) 「こども誰でも通園制度」と「一時預かり事業」についてでございます。
 国の「こども誰でも通園制度」は、全ての子どもの育ちを応援することを目的として、親の就労状況などにかかわらず満3歳までの未就園児が、毎月一定の時間まで保育所などに継続的に通園できる制度であり、令和8年度から全ての市町村での実施が始まります。
 また、「一時預かり事業」は、保護者の都合により家庭での保育が一時的に困難になった乳幼児を保育所などで一時的にお預かりする制度であり、地域の実情に応じて各市町村が必要性を判断した上で実施をしております。
 両制度には制度の趣旨や実施している市町村などの違いがありますが、議員御指摘のとおり、利用される子育て家庭にとっては子どもを保育所などに預けて保育を受けるという点は同じであり、実際に京都府内で国制度の試行実施を進める中でも、「両制度の使い分け方が分からない」「併用できることを知らなかった」といった声をお聞きしているところでございます。
 このため京都府では、来年度からの「こども誰でも通園制度」の本格実施に合わせて、市町村と連携の上、両制度の使い分けの方法や併用する際の利用方法などに関する広報資料を新たに作成するなど、子育て家庭が御希望に応じて円滑に制度を利用できるような取組を進めてまいります。
 次に、満3歳を迎えた子どもへの対応についてでございます。
 「こども誰でも通園制度」は、満3歳未満の未就園児を対象とした制度であるため、利用者が満3歳を迎え対象外となった後の年度末までの間の通園先の確保については、国の「こども誰でも通園制度」の本格実施に向けた検討会においても指摘がなされております。
 このような場合においては、幼稚園や認定こども園の満3歳児クラスの利用が可能であることから、国から各市町村に対して、幼稚園への満3歳児クラスの活用・設置についての働きかけなどの対応を取るよう方針が示されているところです。
 この国の方針を踏まえ、各市町村において来年度からの「こども誰でも通園制度」の本格実施に向けた準備を進めていく中で、地域の教育・保育ニーズなどを把握した上で、必要に応じて、例えば、幼稚園に満3歳児クラスを設置する、保育所の認定こども園への移行により満3歳からの受入れを可能にするなど、地域の実情に応じた対応を講じられていくものと考えております。
 こうした状況を踏まえて、京都府といたしましては、市町村における通園先の確保状況を把握するとともに、必要な助言や他の自治体の好事例の情報共有などを行うことで、満3歳を迎えた子どもが必要な教育・保育を受けられるよう支援してまいりたいと考えております。
 今後とも、「こども誰でも通園制度」の円滑な実施などを通じて、「子育て環境日本一・京都」の実現に向けて取り組んでまいります。

◯楠岡誠広君 

◯議長(荒巻隆三君) 楠岡誠広議員。
   〔楠岡誠広君登壇〕

◯楠岡誠広君 御答弁ありがとうございました。
 加算に関して、まずは知事自ら要望の最前線に立っていただいているということで、心強い御答弁をありがとうございました。事業者というのはやっぱり悪いケースを想定していろいろ考えますので、まだ決まっていない、ただ4月には引き続き続くというところで不安があるというところには寄り添っていただけたらなと思いますし、府を信頼して進めてきたものが今後も続くという信頼の継続を続けていただけたらなというふうに思います。
 「一時預かり」との違いに関しては、広報資料をまた作っていただけるということで、現場もしっかりと活用をして、併用することが悪いのかなと思っている方ももしかしたらいるかもしれませんので、この2つの制度を最大限に利用できるようにしていただけたらと思います。
 あと、満3歳以降に関しては、現在の幼稚園であったり、子どもの中でのいわゆる幼稚園枠と言われるところの活用もあるんだと思いますが、そうなると2歳児クラスの方が途中で満3歳になっていく場合、そこの中で無償化の対象がある方とない方と、ここの部分というのは結構ややこしくて混乱も生じるのかなというふうに思います。そこも含めて、「親子誰でも」は国と基礎自治体の間に入って府がベターなものを提案してやっていこうというところで間に入ってやっていただいたんだと思うので、また足らざる部分というようなところがもしありましたら、府が積極的にそこの穴埋めをしていくように支援をしていただけたらと思います。
 とある現場でも、当初はシステムに対して混乱や不安もあって、正直、始めるのは大変だなというようなところもあったのですが、実際やってみて現場も工夫して慣れてきて、利用者の感謝の声や喜びの声を聞いて、今はポジティブに取り組めているというところも聞きましたので、何とぞ、継続できるように御協力をお願いしたいと思います。
 それでは次に、「通級における指導」について、教育長にお伺いいたします。
 「通級による指導」とは、小学校、中学校、高等学校において障害のある児童生徒が、通常の学級に在籍しながら通級指導教室において特別の指導を受ける指導形態です。教室という名称から、児童生徒を集めて一つの特別クラスで指導するようなイメージにも感じられますが、実際にはワン・オン・ワンを基本として週に1人各1時間程度、丁寧に指導する形態が主になっております。児童生徒が在籍する学校において指導が受けられる「自校通級」、他校に通う「他校通級」、また担当教員が赴く「巡回指導」といった運用形態がございます。
 特別支援教育という大枠で見ますと、特別支援学校、そして学内に設ける特別支援学級がありますが、この「通級による指導」では、通常の学級に在籍しながら一部特別な指導を受けることで通常の学級への適応が可能と見込まれる児童生徒が対象で、継続的・具体的な支援を要する知的障害のある児童生徒は対象外とされております。
 文部科学省の令和4年度「通級による指導実施状況調査」によると、通級を受けている生徒における障害種別の割合は、言語障害が24.5%、注意欠陥・多動性障害(ADHD)が21.7%、自閉症が21.2%、学習障害(LD)が18.7%、情緒障害が12.5%とこの5つが主な割合を占める現状がうかがえます。
 特別支援教育を受ける生徒は近年増加しており、令和7年の文部科学省の資料によると、義務教育段階の児童生徒が減少する中においても、特に小学校・中学校の児童生徒の伸びは大きく、令和6年(2024年)を10年前と比較すると、特別支援学校は6.9万人から8.7万人に、特別支援学級は18.7万人から39.5万人に、「通級による指導」は8.4万人から19.6万人に大きく増加しております。
 京都府におきましても、「まなびの道しるべ」の資料を見ますと、京都市を除いた数字となりますが「通級による指導」を受ける児童生徒は、2014年からの10年で2,295人から4,278人へと大きく増加しております。
 増加の要因は様々ですが、発達障害を含め障害への社会的な理解が広がり、またその対応も進んできていることが挙げられます。実際、宇治市では令和7年度より、年中さんが対象の5歳児健診が始まりました。令和7年6月5日付の京都新聞、「広がる『5歳児健診』 小学校入学前に発達特性を発見、支援へ 実施自治体『保護者の不安取り除く』」という記事においても、発達特性が現れるとされる5歳の段階で小学校入学前に必要な支援につなげる狙いで、こども家庭庁が本年度の自治体に対する5歳児健診の助成費用を3,000円から5,000円に引き上げ、その流れを受け、宇治市や八幡市など府内自治体にも5歳児健診が広がっている現状が報じられております。
 このように、対象となる児童生徒の早期からの気づきや支援も始まってきており、それに伴う通級指導教室の拡充と人材育成は急務の課題です。令和6年度の京都市立を除く府内の通級指導教室の設置状況は、全小学校192校のうち108校にて167教室、全中学校94校のうち45校で59教室といまだ設置ができていない学校もあり、宇治市の中学校でも全10校のうち5校にて6教室と聞いております。
 そこで、3点お伺いいたします。
 まず、京都府における通級指導教室では、どのような工夫を持った指導がなされているのか、現場の取組事例や課題なども踏まえて教えてください。
 次に、現在の府内の通級指導教室の設置状況は、全学校に対して設置されていない現状もあり、それらも含め十分に対応がなされているか、教室設置の増加ベースや特別支援学校教諭免許の保有促進も含めた人材育成など、現状課題と今後の展望を教えてください。
 最後にもう一つは、要望も含めた質問となります。今回、この通級指導教室について取り上げたきっかけは、中学校の教員の方から現場の声を様々に教えていただいたことにあります。その一例が、略称「S.E.N.S(センス)」と呼ばれる「特別支援教育士」という民間の資格についてです。
 本資格は、LD、ADHDなどのアセスメント及び個別の指導計画の作成と立案ができる人材で、本資格を有することでWISC(ウイスク)と呼ばれる発達検査や分析を教育現場で行うことができるようになります。本資格がなくとも「通級による指導」は可能で、通級指導教室を開設する必要要件ではありません。しかし、「通級による指導」を受けるか否かは入学前の就学相談の中だけでなく、年度途中でも柔軟に判断していく場合が多々あり、本資格がなければ発達検査という客観的な指標がなくて困る場合があります。発達検査の結果を参考にすることもあり、実際、本資格を持つ教員のいる他校に児童生徒が発達検査を受けに来るケースもあると伺いました。
 一般財団法人特別支援教育士資格認定協会のホームページを見ますと、この資格取得には講座、実習、登録料などで軽く20万円を超え、ほか諸経費も加えかなり費用がかかります。「多忙な現場教員が時間確保に加え、多額な費用まで全額実費ではせっかくの高い意欲もそがれてしまい、とてももったいない」とのお声をお聞きいたしました。
 そこでお伺いいたします。
 本資格「S.E.N.S」は、通級指導教室の開設に必ずしも必要な資格ではありませんが、現場にとっては発達検査や専門性を高めた指導のためにも本資格に必要性を高く感じております。京都府教育委員会として、本資格の取得の費用に関して今後何かしら補助を出していく考えはありますでしょうか、教えていただきたいと思います。
 時間もまいりますので、これにて私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)

教育長(前川明範君)

◯議長(荒巻隆三君) 前川教育長。
   〔教育長前川明範君登壇〕

◯教育長(前川明範君) 楠岡議員の御質問にお答えいたします。「通級における指導」についてでございます。
 「通級による指導」は、児童生徒一人一人の障害の状態や特性に応じた自立を目指し、学習面や生活面の困難さを改善・克服するために行うものでございます。その際、児童生徒が「通級による指導」で培った力を通常の学級や生活場面で発揮できるように、指導内容や支援方法を途切れさせないことが重要であり、全ての教員が共通の視点を持って指導に当たるよう連携を密にした対応を行う必要がございます。
 また、「通級による指導」には、教科書や教材が定められていないことから、指導方法や教材の選定を工夫する必要がございます。そのため、各学校においては通級指導教室の担当教員と通常の学級の担任が連携して校内の特別支援教育を牽引するコーディネーターの助言も得ながら、児童生徒の特性や困り感を丁寧にアセスメントし、個々に合った具体的な指導計画により児童生徒の自信や意欲につなげる指導と支援に努めております。
 具体的に例えば、言葉での指示が理解しにくい児童生徒には、イラストやタブレット端末等を活用した視覚的な教材を用いて指示や情報を理解しやすくする支援を行い、集団生活や対人関係につまずきが見られる児童生徒には、ゲーム活動などを通じて集団でのルールや他者との関わり方を学ばせるといった工夫ある指導に取り組んでおります。
 次に、通級指導教室の設置状況と今後の展望についてでございます。
 京都市を除く府内の小・中学校で、校内に通級指導教室を設置している学校数は、令和元年度と令和6年度を比較しますと、小学校32校51教室、中学校14校23教室が増設され、設置が進んできております。
 また、通級指導教室が校内に設置されていない学校につきましては、他校への通級や近隣の学校の教員による巡回指導など、学校に応じた形態で一人一人に合った特別の指導が行われているところでございます。
 通級指導教室の設置が進む一方、教育的ニーズが多様化しており、担当教員には、個々の障害特性に応じた自立活動の指導を行うための専門性を高め、指導の充実を図っていくことが求められております。
 現在、府教育委員会におきましては、全ての学校種の教員を対象として、特別支援学校教諭免許状取得のための認定講習の実施や総合教育センターや各教育局における研修の充実に努めておりますが、課題といたしましては、通級指導教室を担当できる教員の計画的な育成、教育的ニーズの多様化に対応した指導方法の充実、個々の障害特性に応じた自立活動の指導を行える高い専門性の向上が必要であると考えております。
 今後は、特別支援学校の地域支援コーディネーターが小・中学校等に対して指導内容や方法に関する助言等を行う巡回相談の充実や、効果的な実践事例の共有を図る取組を進めてまいります。併せて、「通級による指導」を必要とする児童生徒が継続的に適切な指導と支援を受けられるよう、市町教育委員会と連携して通級指導教室を支える人材の育成と専門性のさらなる向上に向けて取り組んでまいります。
 次に、発達検査等の資格取得についてでございます。
 発達検査や知能検査は、児童生徒の特性や状況を把握する上で有効であることから、必要な知識と経験を持つ有資格者が在籍する医療や福祉の関係機関と連携して実施されております。各学校においては、これらの検査結果を就学や学びの場の検討、指導や支援における一つの判断材料として活用されており、教員には検査結果を適切に読み取り指導に生かしていくための知識や技能が求められております。
 一方で、「特別支援教育士」の資格も含めた教員の専門性向上に資する資格は、その他にも数多くあり、特定の資格取得に対する費用助成については整理が必要でありますので、まずは総合教育センターや地域支援センターにおいて研修機会の充実を図ることで教員の高い意欲と実践的な学びを支えてまいりたいと考えております。
 府教育委員会といたしましては、「通級による指導」の充実は、通常の学級での学びを含めた特別支援教育を推進する上で重要であり、児童生徒が自分らしく学び成長できるよう、教員の専門性を一層高めるとともに、指導体制の充実に努めてまいります。