2025.12.9
令和7年12月定例会 一般質問 北川 剛司
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1 防災対応におけるドローン活用の有効性について
2 有害鳥獣対策について
3 その他
議事録全文
◯北川剛司君
◯議長(荒巻隆三君) 次に、北川剛司議員に発言を許可いたします。北川剛司議員。
〔北川剛司君登壇〕(拍手)
◯北川剛司君 国民民主党・日本維新の会京都府議会議員団の北川剛司です。私は、今回、防災対応、有害鳥獣対策について質問させていただきます。知事並びに関係理事者にお伺いします。御答弁のほど、よろしくお願いします。
まず初めに、防災関連について質問させていただきます。
2025年12月8日、午後11時15分頃、気象庁によって東北地方・青森県東方沖を震源とするマグニチュード7.6の強い地震が発生したとの速報がありました。震源の深さは約50キロメートル。最も揺れの大きかった地域では最大震度6強を観測し、津波警報が、北海道、青森、岩手など、沿岸部に発令されました。その後、各地で20~70センチ程度の津波が確認され、直前には最大で3メートル程度の津波の可能性も示されたことから、多数の住民に避難が呼びかけられ、約9万人が高台などへの避難を余儀なくされました。
地震に遭われた方々に対して、一日も早い復興と皆様の御無事を心からお祈りいたします。
このような大規模な地震が起きた直後に、私たちは改めて過去の震災経験と日本全体の地震リスクを思い起こさねばなりません。例えば、私が経験しました阪神淡路大震災や能登半島地震の教訓は今も私たちに問いかけています。また、2020年12月開始初めての北海道・三陸沖後発地震注意情報も発表されています。これら震災を通して、災害はいつ起こるか分からない、だからこそリスクマネジメントと事前の備えが不可欠だという事実を痛感しました。
特に、現在、国内で頻繁に議論されている南海トラフ地震の今後30年以内の発生率について、直近の見直しでは「60~90%程度以上」と「20~50%」という幅のある数字が示されており、確実とは言えないものの、「いつ起きてもおかしくない」という強い警鐘が鳴らされています。京都や滋賀といった西日本の太平洋沿岸から相対的に離れた地域であっても、震災地支援や物流網の停滞によって、食料や水、生活必需品が広く不足する可能性があります。
さらに、京都府内でも無視できないリスクが存在します。例えば、花折断層帯地震です。この断層は、京都市左京区から滋賀県高島市に至ります。平均活動周期は数千年と推定され、直近30年以内の発生確率はほぼゼロから0.6%程度と低く見積もられていますが、それでも、ゼロではない以上、リスクマネジメントの観点からは無視できません。京都府の被害想定では、死者数が4,660人に上る可能性があるという分析もあります。
このような複合的な震災リスクに直面する中、京都府でも毎年、防災訓練を実施し、災害対応の評価・課題を分析され、地域防災計画に反映されているとお聞きしています。
災害発生直後に重要になるのは、被害状況をできるだけ早く正確に把握すること。初動対応や避難誘導の精度を高めるには、情報収集が鍵になります。
近年、その手段として大きな注目を集めているのがドローン(無人航空機)を使った被災地の撮影・情報収集です。人が入り込むことが危険な山間部、河川、孤立集落などでもドローンなら安全に空から状況を把握でき、さらにAIを使った画像解析を併用すれば、瓦礫の分布や被害の程度を迅速に判断することが可能です。
もちろん、ドローンの運用には多くの課題があります。操縦者の確保や訓練、法令・飛行ルートの遵守、通信環境の確保、さらに被災者のプライバシーの保護。これらを整備・克服した上で、防災の新たな味方として活用する必要があります。
こうした点を踏まえてお伺いします。
京都府におけるドローンの防災活用の現状についてお伺いします。現在、京都府では、災害対応の現場において、どのような場面・目的でドローンを活用されるのか。また、京都府単独で災害対応するには困難な場合が多くあると思っています。府内各市町村や消防機関、警察、自衛隊などとの連携が必要と考えますが、連携体制はどのように構築されているのか、現在の状況をお伺いします。
次に、防災訓練などを通してドローン運用における課題などが浮かび上がったと思いますが、そこでお伺いします。ドローンの導入・運用に当たっては、天候、地形、電波環境などの技術的制約や操縦者育成、飛行許可の取得、個人情報保護といった課題もあると承知しております。これらの課題に対し、府としてどのように対応されようとしておられるのか。また、今後の課題解決に向けた具体的な取組方針をお伺いいたします。
今後の活用拡大と展望についてお伺いいたします。近年、GPS等を活用した自動飛行の精度向上、AIによる画像解析、広域通信ネットワークとの連携など、ドローン技術は飛躍的に進歩しております。京都府として、今後、防災分野でのドローン活用をどのように強化・拡大していくお考えなのか。また、地域の防災訓練や民間事業者との連携をどのように進めていかれるのか、御所見をお伺いいたします。
まずはここまで御答弁をお願いします。
知事(西脇隆俊君)
◯議長(荒巻隆三君) 西脇知事。
〔知事西脇隆俊君登壇〕
◯知事(西脇隆俊君) 北川議員の御質問にお答えいたします。
災害発生時におけるドローンの活用についてでございます。
ドローンは、上空からの情報収集に加え、負傷者の捜索活動や物資の輸送など、幅広い活用が可能であり、その運用に当たりましては、救助・救急などの支援活動を行う関係機関との連携が大変重要であると考えております。
京都府におきましては、本年2月、南丹市と連携し、衛星通信回線を使用して空撮映像を危機管理センターに伝送する実証を行ったほか、3月には宮津市などとともにドローンによる物資輸送訓練を行い、その有効性を確認できたことから、今年度、ドローンの活用を地域防災計画に盛り込んだところでございます。
また、京都府警察におきましては、長時間の連続飛行が可能な有線ドローンと衛星映像伝送アンテナの導入を予定されており、府内消防本部におきましては、消防庁のドローン技術指導アドバイザー制度を活用し、操作研修を実施されるなど、災害対策本部の情報収集をはじめとした対応能力向上のため、連携体制を強化しているところでございます。
さらに、本年8月の総合防災訓練におきましては、消防機関が、小型ドローンにより、建物内の要救助者を捜索したほか、11月の原子力防災訓練におきましては、運搬用ドローンにより、物資を海上自衛隊の船舶から孤立地域へ輸送するなど、連携して取り組んでいるところでございます。
ドローンの導入・運用につきましては、様々な気象条件の下での飛行、安全な運航のための関係機関との事前調整、航空法に基づく申請や個人情報への配慮などの制約や課題が明らかになっております。そのため、気象条件によるドローン使用の可否の判断や、大規模災害時におけるヘリコプターとドローンとの接触事故の防止のため、災害対策本部におきまして、関係機関に加え、民間の協定締結団体とも連携し、飛行許可等の事前調整を含む「航空運用調整」を行うこととしております。また、個人の特定が可能な映像の取扱いなど、個人情報保護についても徹底してまいりたいと考えております。
今後とも、ドローンを積極的に活用し、災害に強い京都づくりを進めてまいりたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係理事者から答弁させていただきます。
◯危機管理監(南本尚司君)
◯議長(荒巻隆三君) 南本危機管理監。
〔危機管理監南本尚司君登壇〕
◯危機管理監(南本尚司君) 防災分野でのドローンの活用拡大と連携の進め方についてでございます。
ドローンの活用につきましては、熟練したドローン操縦者の確保や災害現場の状況・使用目的に応じた機体を迅速かつ適切に運用できる体制が必要となることから、一般社団法人ドローン撮影クリエイターズ協会と平成27年度に都道府県としては全国初となる「災害時等における無人航空機の運用に関する協定」を締結したところでございます。加えまして、今年度には、京都府として一般社団法人京都ドローン協会と協定を締結したほか、関西広域連合とその構成府県市が、南海トラフ地震など、大規模広域災害を想定し、一般社団法人日本UAS産業振興協議会と協定を締結したところであり、これらの団体と連携の上、様々な災害を想定した情報収集や物資輸送などの訓練を行っているところでございます。
また、市町村など、地域における防災訓練や民間事業者との連携につきましては、市町村が民間事業者と共同して実施しているドローンの操作研修や防災活動・訓練における活用など、消防団の自主的な取組について、「わがまちの消防団強化・応援事業」で支援することにより、地域に根差した取組を強化しているところでございます。
今後とも、日々進歩するドローン技術にも対応しながら、協定締結団体や市町村等との連携を一層強化し、災害発生時における効果的なドローンの活用を進めてまいりたいと考えております。
◯北川剛司君
◯議長(荒巻隆三君) 北川剛司議員。
〔北川剛司君登壇〕
◯北川剛司君 御答弁ありがとうございました。
府民の命と暮らしを守るためには、災害発生時の迅速な情報収集と的確な判断が何よりも重要だと考えています。私もドローン検定2級を取得して、ドローンの重要性・効果性も勉強してまいりました。ドローン技術を効果的に取り入れることは、京都府の防災力をさらに高める有力な手段となると考えています。また、ドローン技術は日進月歩、向上していきます。そのため、技術革新の情報を早く捉えて、最新技術を基に、防災対策の計画を更新していただきたいと思っています。
そして、災害対応に関しては、マニュアルどおりにいかない想定外のことが発生するのが常だと思っています。そのためにも臨機応変な思考・行動をお願いし、府民の安心・安全を確保していただくよう、お願いいたします。
次に、長年の狩猟経験を基に、有害鳥獣対策について質問させていただきます。
以前にも有害鳥獣対策について質問させていただきましたが、地元京田辺市、井手町、宇治田原町の農家の方々から、イノシシ、鹿に対する被害の相談をさらに多く受けるようになりました。年々、イノシシ、鹿による被害範囲が拡大しているとのことです。
有害鳥獣被害に関して相談され、近所の方と話していると、「野菜を植えてもイノシシに食べられてしまって困っている」とか、「多くの猿が出るので、畑の野菜が荒らされたり、襲ってこないか、心配でたまらない」など、切実な悩みを聞かされます。また、宇治田原町内の道では、夜に鹿と接触し、車が大破するなど、被害も出ています。特に野生鳥獣による農業被害は深刻で、農家が丹精込めて作られた作物を収穫しようという間近になって根こそぎ食べられてしまう。また、苗を植えたら一夜にして食べられてしまう。おまけに土手を整備しても荒らされるなど、被害を多く聞き、「もうやっていられない」などの言葉をお聞きします。その結果、農家の方々の耕作意欲を減退させ、そして耕作放棄地の拡大にもつながる大きな問題であると認識しています。
さらに、近年、熊による人的な被害が多く報告されています。京都府ではこれまで絶滅寸前種に指定して狩猟を禁じてきた経緯があり、生息数が増えている可能性があります。
例えば、ツキノワグマは数年置きに1頭から2頭の子を出産します。つまり、ヒグマもツキノワグマも年間20%の繁殖力があることが様々な研究結果から明らかになっています。ただし、自然に死んだり、狩猟が行われたりしているので、現実的には20%もの高い率で増えているわけではありませんが、増加傾向にあるのは明白だと思っています。
そうした影響で餌が少なくなり、住宅地に熊が現れるなどし、住民が熊に襲われる被害が出ていると思います。また、京都府において、長年にわたり、狩猟を禁じていたため、熊専門のハンターも少なく、狩猟での捕獲頭数が伸びにくい状態だと思われます。また、今までは、京都府南部において熊の個体群は確認されていませんでした。そのため、熊を狩猟する専門のハンターがおらず、育成の機会もなかなかなかったのが現状だと思っています。
熊などの被害が出たからといって有害鳥獣対策は一気に解決できるものではなく、大変難しい取組だと思っています。例えば、ライフル銃の許可申請の問題、射撃技術の課題、熊など専門的狩猟の知識・経験などを鑑みても課題が山積しています。
その中で、京都府の対策としては、狩猟期間を延長するなど、有害鳥獣捕獲や、防除施設の設置などの対策に加え、狩猟者の確保に向けた狩猟免許試験の回数増、効果的・効率的な捕獲を進める広域捕獲体制づくりなど、一歩ずつ着実に取組の強化・拡充を努めてきておられ、大いに期待しているところです。
そこでお伺いします。
京都府では、これまでから「特定鳥獣管理計画」などを立て、事業実施され、有害鳥獣対策に取り組まれてこられました。今後どのようなお考えで、特に熊などを含めた京都府全体の有害鳥獣対策を実施されようとしているのか。また、特に熊などを含む有害鳥獣被害が増大する中で、山林を切り開き、住宅開発が行われている地域が多くあります。山林と住宅が隣接している環境の中で、銃猟、わな猟など、難しく対応できない地域があります。そのような地域において熊などを含む有害鳥獣被害対策をどのように展開されるのか、併せてお聞かせいただきたいと思います。
次に、有害鳥獣被害対策の一環である狩猟者増強に関して、令和6年度末時点で第一種銃猟免許保有者は1,365名で、免許を取って狩猟者登録をする方が1,088名。あとの277名は登録されておらず、狩猟等に行っておられないのが現状です。他府県では、狩猟者の第一種銃猟免許所持率を増やし、狩猟を行ってもらうために、初心者の方々に対して狩猟方法を教える狩猟者育成センターなどを設置し、努力されています。
例えば兵庫県では、狩猟者の減少や高齢化に伴う野生鳥獣被害の拡大を受けて、狩猟者の確保及び育成することを目的に、三木市に兵庫県立総合射撃場を設置されています。管理棟内には、最大100名を収容できる会議室、捕獲個体の解体処理ができる処理加工室、わな猟狩猟者の実習場所としての「わなフィールド」など、狩猟者の育成に特化した施設を備えられて、狩猟者の安全管理、法令、マナー等、狩猟に関する基本的な知識を習得するための学びの場、狩猟者の捕獲技術向上のための実践の場、そして狩猟に関する情報発信の拠点となっています。
京都府としては、初心者の狩猟者に対して、「狩猟インターン講習制度」を用いた狩猟者の育成は行われています。そこで、今後、京都府において、特に第一種銃猟免許取得者に対して、例えば府が所有している休止中の射撃場を有効活用し、射撃技術の向上、狩猟者の狩猟技術の向上を図る方法も考えられますが、どういう考え方で狩猟者に対する技術の向上、育成を行おうとされているのか、お伺いいたします。
また、大事な政策として、狩猟を行ってみようと思われる人を増やす必要があると思います。京都府においては、狩猟免許試験回数も増やし、対策を講じておられるのは理解できるのですが、若い人を増やすためには、まだまだ工夫しなければならないと思っています。全国的には女性の狩猟者も増えていると聞いています。これから京都府として法定猟法に定める4種類の狩猟免許所持者をどのように増やしていこうとされているのか、併せてお伺いいたします。
そして、京都府におかれましては、「鳥獣被害防止総合対策交付金」の活用をはじめ、捕獲の強化や防護柵設置の支援、ジビエ利活用の推進など、多面的な取組を進めてこられたものと承知しております。
ジビエ利活用には、鳥獣被害対策と地域振興を両立させることが重要です。単なる害獣駆除ではなく、「命をいただき、地域の資源として生かす」という考え方への転換は持続可能な社会への実現に寄与すると思っています。しかしながら、現場では依然として人手不足と地域の持続力低下が大きな課題となっております。
今後は、単に捕獲の強化にとどまらず、地域ぐるみの防除活動などを支える新たな仕組みづくりが求められます。例えば、ドローンや赤外線AIカメラを活用した出没情報の共有、若手ハンターや「地域おこし協力隊」との連携、さらには農業・観光・環境の各分野が一体となった総合的な被害防止モデルの構築など、時代に即した取組を積極的に進めていく必要があると考えます。捕獲担い手の減少や地域の防除力の低下という課題がある中で、捕獲の強化にとどまらず、地域ぐるみの防除活動の観点から、府としては今後どのように取り組んでいかれるのか、お伺いいたします。
以上で私の質問を終わらせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)